~超高速データコンバータとダイレクトRFサンプリング技術を持つJariet社に出資し、RFトランシーバソリューションの開発を加速~

2022年9月30日

ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下、 ルネサス)は、超高速データコンバータ、ミックスドシグナルや無線周波数 (RF) 技術を提供するJariet Technologies, Inc.(CEO:Charles Harper:チャールズ・ハーパー、以下Jariet社、読み:ジャリエット社)と戦略的な提携関係を結びました。その一環として、ルネサスは、Jariet社に対し、700万米ドル(1米ドル140円換算で約9.8億円)を出資します。

米国カリフォルニア州に本拠を置くJariet社は、高成長中の新興企業です。セルラー(携帯電話)通信や衛星通信などの次世代通信網構築に向けて、微細加工プロセスの独自技術を活用し、高性能・高集積を実現しています。Jariet社は、ダイレクトRFサンプリングやマイクロ波トランシーバ、さらにはミックスドシグナル・マルチチップ・モジュールに最適な超高速ADコンバータ (ADC)およびDAコンバータ (DAC) など広範な技術を提供しています。

特にJariet社は、100GSPS(ギガサンプル/秒)を超えるサンプリングレートを可能とする、超高速ADC/DACを得意としています。こうした技術は、ダイレクトサンプリング方式のコンバータの使用が推奨される、高帯域幅のマルチバンド・トランシーバを提供する上で、理想的なソリューションを構築します。

ルネサスの執行役員常務 兼 IoT・インフラ事業本部長のSailesh Chittipeddi(サイレッシュ・チッティペディ)は次のように述べています。

「ルネサスは、Massive MIMO やミリ波対応の携帯基地局などの多様なアプリケーションに対し、自社技術として RF ソリューションを提供するなど、進化する無線市場のニーズに応えてきた歴史があります。Jariet社の技術は、ルネサスのRF、タイミング、パワー製品群との親和性が高く、同社と協業することで、広帯域のRFトランシーバソリューションの開発を加速させることができます。さらに、Jariat社の広範なアナログとミックスドシグナル技術により、5G無線インフラや高性能衛星通信などで今後求められる要件を満たすRFフロントエンドのリファレンス・デザインの提供が可能となります。」

Jariet 社CEOのCharles Harper氏は、次のように述べています。

「組込みソリューションにおいて世界をリードするルネサスと、関係強化ができたことを大変嬉しく思います。今回の出資を受け、ルネサスの強力なブランド力と幅広い顧客基盤の活用が可能となります。ルネサスとともに、次世代の通信ネットワークを求めるより多くのお客様に対して、さらに魅力的なRFソリューションを提供していきます。」

以上

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