次世代サーバ、ストレージ、通信機器向けに、業界初のI3Cハブ製品を発売

　ルネサス エレクトロニクス株式会社（代表取締役社長兼CEO: 柴田　英利、以下ルネサス）は、このたび、次世代サーバのマザーボードやインフラ機器向けに、業界で初めてI3Cハブ製品として、I3Cインテリジェントスイッチデバイス「RG3MxxB12」ファミリを発表しました。新製品は、高性能システムの設計の複雑さを軽減しながら、スケーラビリティと信頼性を大幅に向上させます。CPUやBMC（Baseboard Management Controllers）など複数のイニシエータを持つI3Cコントロールプレーンネットワークにおいて、伝送信号品質（シグナルインテグリティ）の向上と容量性負荷の低減により、フルスピードで動作する大規模物理ネットワーク全体でターゲットをサポートできるようになります。また、I2C/SMBusとI3Cの混在するネットワークに対して、I/Oレベルのシフトとプロトコル変換を行うことで、混在するネットワークの設計をサポートします。

　新製品は、アップストリーム2ポートとダウンストリーム4ポートを搭載した製品と、アップストリーム2ポートとダウンストリーム8ポートを搭載した製品を提供します。新製品は、一部のユーザにサンプル出荷を開始しており、一般発売と量産は2023年第1四半期の予定です。

　MIPI I3C®バスは、プロセッサやコントローラなどに周辺デバイスを接続するためのスケーラブルな制御バスインタフェースです。高い性能と信頼性、超低消費電力、低電磁干渉（EMI）の利点を備えています。これにより、高度なテレメトリ、障害回復、サイドバンドセキュリティ、コンポーネント認証、起動時間の短縮など、新しいシステム機能が実現します。

　現在のシステム設計では、従来のI2CプロトコルとシンプルなFET（Field Effect Transistor）スイッチを使用して、マザーボード上のイニシエータとターゲットデバイスを接続しています。このアプローチでは、I3Cの速度に対応できず、システム管理は基本的に最も初歩的な機能に制限されます。ルネサスの新しいI3Cインテリジェントスイッチファミリは、2つのイニシエータ（アップストリーム）ポートを、4ポートあるいは8ポート、またはそれ以上のターゲットポートに拡張でき、プロトコル認識と整合性をもって最大速度で動作します。また、I3CとI2Cデバイス間のシームレスな変換を実現し、従来デバイスをコントロールプレーンネットワークにプラグアンドプレイできるようになりました。I3Cインテリジェントスイッチは、ルネサスとIntelが、構想、仕様定義など初期の段階から密接に協力した成果であり、ソフトウェア開発、コンポーネントおよびシステムレベルの検証など、チップ化を実現した後も継続的に協業しています。

　ルネサスのインフラミックスドシグナル統括部の統括部長であるRami Sethiは次のように述べています。「ルネサスは、DDR5 DIMM市場をターゲットとしたI3Cハブとエキスパンダのパイオニアであり、この技術がプラットフォーム全体に普及する大きな可能性を常に想像してきました。ルネサスの新しいI3Cインテリジェントスイッチファミリの導入により、そのビジョンを実現するためにIntelと協業できたことを嬉しく思います。これらのデバイスにより、お客様やパートナは、筐体内のあらゆるサブシステムに先進的なプラットフォーム管理機能を導入することができます。」

　Intelのプラットフォーム・ハードウェア・エンジニアリング事業部のVP兼GMであるVik Tymchenko氏は次のように述べています。「ルネサスとIntelが、MIPI I3C Basicアプリケーションのユースケースを拡大するために不可欠な回路ソリューションを定義する上で、強力に協業を行ってきたことを嬉しく思います。I3Cインテリジェントスイッチファミリのような製品は、データセンター・ハードウェアにおけるMIPI I3Cインタフェース実装の根本的な制限を解決するのに役立ちます。I3Cスイッチを使用することで、I3Cネットワークでサポートされる容量とデバイスを増やすことができます。」

　ルネサスは、高性能コンピューティングの周辺デバイスの分野で世界的なリーダです。新しいI3Cインテリジェントスイッチファミリは、DDR5 I3Cエキスパンダ、レジスタードクロックドライバ（RCD）、パワーマネジメントIC（PMIC）、SPDハブ、温度センサ、データバッファなどのルネサスのソリューションを補完する製品です。

新製品の詳細については、こちらをご覧ください。
www.renesas.com/i3c

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＊I3Cは、MIPI Allianceの登録商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

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