ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、コンチネンタルが第一世代のボディ集中制御コンピュータ(ボディハイパフォーマンスコンピュータ)に、ルネサスの高性能な車載用SoC(System on Chip)であるR-Car M3を採用したことを発表します。ボディハイパフォーマンスコンピュータは、クラウドサービスに接続するためのセキュアなゲートウェイ機能を持ち、車両システムを集中制御する車載コンピューティングプラットフォームです。R-Car M3は、その最高レベルのセキュリティと機能安全により、OTA(Over the Air)による車載ソフトウェアのアップデートを可能にするため、OEMは車載ソフトウェアのアップデートを一か所で集中的に管理することができます。これにより、車両の軽量化を図りつつ、性能や安全性、信頼性を向上させる新E/E(電気/電子)アーキテクチャの具現化に貢献しています。
コンチネンタルのConnected Car Networking ビジネスユニット長のJohann Hiebl氏は次のように述べています。「新しいサーバアーキテクチャにより、車両は今日よりも容易かつ迅速に最新の状態に保たれます。私たちは、車両の高機能化と快適性向上に貢献しながら、車両をIoTに不可欠なものにしつつあります。高性能なR-Carを搭載したコンチネンタルの第一世代のボディハイパフォーマンスコンピュータは、すでに世界的自動車メーカで生産を開始しています。」
ルネサスの執行役員常務 兼 オートモーティブソリューション事業本部長の山本 信吾は次のように述べています。「ルネサスは常に、量産車への搭載を視野に、性能と消費電力のバランスを最適化することを追求しています。今回、それが評価されて、コンチネンタルのボディハイパフォーマンスコンピュータに採用されたことをとても光栄に思います。今後もコンチネンタルと協業し、革新的かつコスト競争力のあるハードウェアとソフトウェアをベースに、エンドツーエンドのソリューションを実現する次世代E/Eアーキテクチャの推進を目指します。」
今日、自家用車のみならず、タクシーや物流向けのモビリティサービスに使用される車両は、効率的かつ安全に運用できるよう、最新のソフトウェアを迅速にアップデートできることが求められています。従来の車両構造では、搭載している数十ものECU(電子制御ユニット)のソフトウェアを個別にアップデートすることは困難ですが、車内のE/Eアーキテクチャを刷新し、ボディ集中制御コンピュータを搭載することにより、車載ソフトウェアのアップデートを一か所で集中的に管理することが可能となります。
ルネサスのR-Carは、さまざまな車両に応じて選択できるスケーラビリティを特長としており、車載コンピューティングプラットフォーム構築に最適です。今回採用されたR-Car M3(30,000 DMIPS)に加えて、Arm ®の64ビットCPUコアを8個搭載したハイエンドなR-Car H3(47,000 DMIPS)から、R-Car E3(7,500 DMIPS)までラインアップしています。
また、R-Carは、仮想化機能を搭載しており、外部のクラウドサービスに接続するソフトウェアと、車両を制御するソフトウェアを、1チップ上で完全に独立させて動作させることができます。これにより、R-Carは1つのチップで安心安全な車両ゲートウェイとしての役割を果たすことができます。さらに、R-Carはセキュアブートやドメインコントローラとのイーサネット経由でのセキュアネットワーク通信など、ハードウェアセキュリティ機能も搭載しています。高速ギガビットイーサネット通信にも対応しているため、容量の多いソフトウェアを高速で更新することができるほか、ADAS機能を実現するためのセンサからの情報量の増大にも対応します。
ルネサスは、ビークルサーバ向けのソリューションとして、最も高い機能安全レベルであるASIL-Dの要求を満たすことができる車載制御用クロスドメインマイコンであるRH850/U2Aや豊富な車載用パワーマネージメント製品も提供しており、これらをR-Carと組み合わせることで、ビークルサーバのソリューションを提供することが可能です。
ルネサスは、車載コンピューティングプラットフォームや複数のECUを機能ごとに管理するドメインコントローラに注力しており、車両開発をさらに加速をさせます。今後も、量産車への搭載が可能な、性能と消費電力の両立を図る製品開発を推進し、安全・安心なモビリティ社会の実現に貢献してまいります。
関連リンク:コンチネンタルのプレスリリース(英語)
以 上
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