~コストパフォーマンスに優れる新方式のレゾルバ(角度センサ)付きステッピングモーターと、レゾルバモーター制御ソリューションを新開発~

2019年12月11日

 ステッピングモーターで世界シェア一位注1のミネベアミツミ株式会社(代表取締役 会長兼社長執行役員: 貝沼 由久、以下ミネベアミツミ)と、半導体リーディング企業のルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、ロボットやOA機器、医療・介護機器に最適なステッピングモーターのソリューション開発で協業し、レゾルバ(角度センサ)付きステッピングモーターと、レゾルバモーター制御ソリューションを新開発したことを発表します。こうしたアプリケーションでは昨今、モーターを高精度に制御するだけでなく、小型化や耐環境性の向上が求められており、両社はこのニーズに対して、ステッピングモーターにレゾルバセンサーを組み合わせることに着目し、共同でソリューションを開発しました。

【製品の特徴】

 レゾルバ付きステッピングモーターは、熱やホコリ、振動など厳しい環境でも高精度にモーター制御が可能で、高負荷でも止まらない(脱調レス)という優れた特徴があります。今回、よりコストパフォーマンスに優れた新方式のレゾルバ付きステッピングモーターと、レゾルバモーター制御ソリューションの開発に成功したことにより、ステッピングモーターの応用分野の拡大が可能になります。例えば、ロボットや無人搬送車(Automated guided vehicle:AGV)の開発において、倉庫や屋外などの厳しい環境でも高精度な動きを安価に実現できたり、一回り小さいモーターを使用して産業機器の小型化や低コスト化を図ることが可能です。

【開発の役割分担】

 ミネベアミツミは、自動車用で多くのレゾルバセンサーの実績を持っており、今回、ロボットやOA機器、医療・介護機器などの民生・産業用に初めて、新方式を採用したレゾルバを開発し、ステッピングモーターに搭載しました。ルネサスは、32ビットマイコンで世界第一位注2のシェアを持っており、今回、この新方式にも対応したレゾルバ/デジタルコンバータ(RDC)と、RDCを32ビットRXマイコンで制御するための制御ドライバソフトウェアを新開発しました。ルネサスはさらに、ユーザがすぐに開発に着手できるよう、レゾルバ付きステッピングモーターと、RDC搭載の評価ボードなど開発ツール一式をレゾルバ付きステッピングモーター制御キットとして用意しました。

【今後の予定】

 レゾルバ付きステッピングモーターは、ミネベアミツミから2020年1月よりサンプル提供を開始し、2020年4月より量産を開始します。レゾルバ付きステッピングモーター制御キットは、ルネサスから2020年1月に発売します。なお、これらの製品のデモンストレーションは、2019年12月18日より東京ビッグサイトで開催される「2019国際ロボット展」のミネベアミツミの出展ブース(西ホール4F、W4-25)でご覧いただけます。(ロボット展リリースリンク

 ミネベアミツミの技術役員 技術本部電子機器技術開発部門副担当 鈴木 克敏は次のように述べています。「今回卓越した制御技術を有するルネサスエレクトロニクスと協業させていただき良い製品が開発できたこと大変うれしく思っております。このレゾルバ付きステッピングモーターで差別化を推し進め、当社にとっても新しい市場を獲得できるものと期待しています」

 ルネサスの執行役員 兼 IoT・インフラ事業本部、MCUビジネスユニット長のRoger Wendelkenは次のように述べています。「ミネベアミツミと協業したことにより、ステッピングモーターがより幅広いアプリケーションで使用できるようになることを大変嬉しく思います。今回、レゾルバ付きステッピングモーターと、RDCやマイコンなど、開発に必要な全てを両社から提供できることにより、お客様のモーター開発のスピードアップと市場投入への期間短縮に大きく貢献できると確信しています。」

ミネベアミツミのレゾルバ付きステッピングモーターの主な特長

高トルク特性 脱調レス制御により対既存品実用トルク比2~3倍
制御性 広帯域・超低速での駆動が可能
低消費電力 実負荷に応じたサーボ制御により電流の最適化が可能
高精度 20万P/Rの高分解能により高位置精度を実現
耐環境性 構造がシンプルなため熱・ほこり・振動に強い
小型化 高トルク化により製品の小型化も可能

ルネサスのRDCおよびRDC制御ドライバソフトウェアの主な特長

検出方式 VR型電圧検出方式、VR型電流検出方式
RXマイコン対応 RX24T用ドライバソフトウェアを提供(今後、対応マイコン拡充予定)
磁気ノイズ耐性 フィルタ搭載によりS/N比=1/2(対信号比2倍)でも位置検出可能

ルネサスのレゾルバ付きステッピングモーター制御キットの主な特長

同梱品 ミネベアミツミ製42mm□レゾルバ付きステッピングモーター
制御ボード、CPUボード(RDCとRX24Tを搭載)
開発支援ツール Renesas Motor Workbench(リアルタイム波形表示機能付き)
同梱ソフトウェア RDC制御ドライバソフトウェア、ステッピングモーター制御ソフトウェア

ミネベアミツミのレゾルバ付きステッピングモーターの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.eminebea.com/jp/product/rotary/steppingmotor/resolver/

ルネサスのレゾルバ付きモーター制御ソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/solutions/key-technology/motor-control/resolver-solution.html

以 上

(注1)株式会社富士経済 「精密小型モーター市場実態総調査 2019」、2018年個数ベース実績

(注2)Gartner Market Share: Semiconductors by End Market, Worldwide, 2018, Andrew Norwood et al., 8 April 2019 (Microcontroller 32-bit in All Applications, vendor revenue basis.)

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

ミネベアミツミ株式会社

ミネベアミツミは、IoT(Internet of Things)時代に貢献するエレクトロメカニクスソリューションズ®*プロバイダーとして 世界シェアNo.1**を誇るミニチュア・小径ボールベアリングに代表される超精密機械加工技術から、モーター、センサーや、半導体、無線技術に至るまで、幅広い先端技術を相い合わせ、常識を超えた「違い」で新しい価値を作り出す「相合」精密部品メーカーです。グローバルオペレーションもミネベアミツミの強みの一つであり、現在27か国171拠点、従業員約10万人を誇っています。

ウェブサイト:https://www.minebeamitsumi.com

*エレクトロメカニクスソリューションズは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。登録番号は5863395号です。
**外径22㎜以下のボールベアリング市場。ミネベアミツミ調べ。

ルネサス エレクトロニクス株式会社について

ルネサスは、人々が安心・安全に暮らせる社会を実現するために、あらゆるモノとモノをつなぎインテリジェント化することを通して、組み込み機器に進化をもたらしています。そして、無限の未来をカタチづくために、自動車、産業、家電、OA (Office Automation)、ICT (Information Communication Technology)分野に対して、世界的に高いシェアを誇るマイコンに加え、アナログ&パワーデバイス、SoCなどの各種半導体と幅広いソリューションを提供していきます。

ウェブサイト:https://www.renesas.com/


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