ルネサスの小物家電向けモータ制御用マイコン「RL78/G1Gグループ」
ルネサス エレクトロニクス株式会社（代表取締役会長兼CEO：作田 久男、以下ルネサス）は、このたび高機能扇風機、電動工具、フードプロセッサーなどの小物家電機器を対象に外部部品の取り込みと、小容量フラッシュメモリ内蔵品のラインアップ追加によりブラシレスDCモータ制御のシステムコストを当社従来比4割の削減を可能にするマイコン「RL78/G1Gグループ」のサンプル出荷を開始致します。
「RL78/G1Gグループ」は既に中国でモータ制御市場を席巻している製品をグローバル仕様にブラッシュアップした新製品で、広く全世界の小物家電（普及機）への採用を期待しております。
最大の特徴は (1)普及機を意識しモータ制御に必須な仕様だけに絞り込み、且つ従来外付けのアンプやコンパレータを内蔵しトータルシステムコストを大幅に削減させられること。 (2)内蔵するアンプはプログラマブル・ゲイン・アンプ（PGA）で ソフトウェアで微小な信号の増幅率（x4～x32）変更が可能になること。(3)内蔵するコンパレータは反応時間0.15us(MAX.)という最高速コンパレータで2チャネル搭載していること（当社従来品比 1/8倍）。 (4)このコンパレータは PGAの出力信号を選択可能でインバータ回路の過電流保護に使用可能であること。(5)欧州家電安全規格（IEC60730）に対応したハード機能を搭載していること。 (6)豊富なパッケージ、フラッシュメモリのラインアップでさまざまな小物家電に対応すること（最小パッケージ30ピンQFP、最小フラッシュメモリ8KB（キロバイト）など計6品種）。
近年、高機能扇風機、電動工具、フードプロセッサーなどのブラシレスDCモータ搭載の小物家電においては、多機能の高級機から低価格の普及機まで対応するためにプラットフォーム開発が主流になってきており、高級機に当社従来製品「RL78/G14グループ」を採用いただくことにより高級機から普及機までソフトウェア資産の流用が実現可能になりました。
サンプル価格は、44ピンQFPパッケージ/16KBフラッシュメモリ/1.5KB RAMを内蔵した「R5F11EFAAFP」で150円です。量産は本年12月より順次開始、開発ツールも合わせて準備済みです。
当社は、この新製品がモータ制御を必要とする民生機器の開発コスト低減および開発期間短縮に貢献できるものと確信し、2015年にはグループ合計で月産50万個を計画しています。
新製品の特長の詳細は以下のとおりです。
(1) ソフトウェアによる設定変更で容易に微小信号を増幅可能にするPGAを搭載
新製品は、微小信号の増幅率をソフトウェアで変更可能なアンプを内蔵。これにより、ブラシレスDCモータ制御におけるインバータ回路の異常検出用の外付けアンプを削減できます。
(2) 異常検出の精度向上となる反応時間が従来品の1/8倍になる高速なコンパレータを搭載
新製品は、当社従来品に搭載されているコンパレータと比較して反応時間が0.15us(MAX.)と1/8倍になる高速なコンパレータを2チャネル搭載。外付けのコンパレータを削減することで、基板の小型化に貢献します。また、コンパレータは、PGAの出力信号を選択可能となっており、ブラシレスモータ制御におけるインバータ回路の過電流保護に使用できます。例えば、フードプロセッサーのブラシレスDCモータ制御の異常を即座に感知することで安全にモータを止めることが可能となっています。
(3) 従来品との下位互換性を維持しているため、ソフトウェアの流用によるTAT（ターンアラウンドタイム）短縮に貢献
新製品は、当社従来品であるRL78/G14グループに内蔵されたモータ制御に関わる周辺機能と互換性を維持しており、ブラシレスDCモータ制御に適したPWMタイマを搭載。これによりRL78/G14グループと合わせて幅広いスケーラビリティの実現により、高級機から普及機までのプラットフォーム開発が実現可能なため、ソフトウェアの流用による開発期間短縮に貢献します。
新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。
RL78/G1Gの製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/microcontrollers-microprocessors/rl78/rl78g1x/rl78g1g.htmlをご覧ください。
以 上
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