~最大出力電流16A、ピーク効率94%、70mm2の実装面積で4出力のマルチフェーズPMIC「ISL91301B」~

2020年1月7日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、最新のGoogle Coral製品に、マルチフェーズ・パワーマネジメントIC(PMIC)「ISL91301B」が採用されたことを発表します。Google Coral製品には、Mini PCIe Accelerator、M.2 Accelerator A+E Key、M.2 Accelerator B+M Key、およびSystem-on-Module (SoM)が含まれます。Google Coralは、クラウトではなくエッジでAI処理を行うための開発プラットフォームで、さまざまな業界向けにローカルで人工知能(AI)を活用する組み込み機器開発に役立つものです。

 Google Coral技術は、低電力で動作する機器に対して高度なニューラルネットワーク処理を可能にします。Google製のテンサー・プロセッシング・ユニット(Tensor processing unit、TPU)を搭載し、0.5W/TOPS(1ワット当たり2 TOPS)により、毎秒4兆回の動作(TOPS)を実行することができます。例えば、1秒当たり400フレームでMobileNet V2のような高度なモバイルビジョンモデルを電力効率の良い方法で実行することができます。

 ルネサスのISL91301Bは、最先端の低電力エッジAI プロセッサに最適な、高効率かつ小型のパワーソリューションを提供します。ISL91301Bは、4つの降圧レギュレータを有し、各出力のピーク効率は最大94%、各4A(合計16A)までを出力可能です。ルネサスの「R5」変調技術を採用しており、シングルサイクルでの負荷応答特性、位相補償の最適化、高周波スイッチングを実現しています。さらに電源設計者は2mm×2mm×1mmの小型インダクタ、小型コンデンサ、少数の受動部品を使用することで、実装面積7mm×10mm(70mm2)を実現でき、小型のAIソリューションの設計が容易になります。ISL91301Bの低静止電流、優れた軽負荷効率、高い出力電圧精度、および高速過渡特性は、低電力またはバッテリ駆動のAI製品に最適です。

 ルネサスのモビリティーインフラ・IoTパワー事業部、事業部長のAndrew Cowellは、次のように述べています。「我々は、Googleと革新的な次世代製品について協業していくことを楽しみにしています。ルネサスのマルチフェーズPMICは、高速過渡応答のために業界をリードするR5変調技術を使用しており、Googleの設計者が動的に電力をスケーリングしてシステム全体のパフォーマンスを向上することができます。」

 Google のHardware Manager、Kai Yick氏は次のように述べています。「ルネサスのマルチフェーズ PMICは、当社のエンジニアリングチームに、Coral開発に必要な高性能と設計の柔軟性を提供します。ルネサスとの協業は、我々のEdge TPUが、オフラインかつローカルで計算を実行するために最高の電力効率を実現することを保証してくれます。」

以 上

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