ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、このたび、煙、ガス、人感、振動等防災・防犯検知器向けに、CPUを動作させずに検知処理を行うスマートなスヌーズモードを搭載することにより、システム全体の待機時の低消費電力化を実現するマイコン「RL78/I1D」グループの量産出荷を開始致しました。
近年、火災、ガス漏れ、ガラス破壊及び防犯システム(人感センサ)等の検知器分野では取り付けが容易なバッテリ駆動式検知器の需要が増えており、バッテリによる長時間稼働のため低消費電力化が要求されています。更に、防災・防犯への社会的関心の高まりから、商業用ビル及び住宅への設置標準(法令)化が進み、見栄えの観点からセットの小型化や普及促進の観点から低価格化への市場ニーズがあります。ルネサスは、これらのニーズに最適なソリューションとしてマイコン「RL78/I1D」グループを製品化いたしました。
新製品は、(1)スマートなスヌーズモードにより、検知器システム全体の待機時消費電力約3割を削減、(2)業界トップの動作時低消費電流を実現(1MHz 動作時124μA)、(3)且つ微小なセンサ信号の検知に必要な周辺アナログ機能を内蔵することにより、検知器の省電力化、コスト削減及び小型化に貢献します。
検知器の待機時にはスマートなスヌーズモードにより、CPUを動作させずに、DTC(データトランスファコントローラ)、ELC(イベントリンクコントローラ)、DOC(データオペレーションサーキット)及びロングインターバルタイマの周辺機能だけで検知処理を完結することができ、CPU起動時間の最小化を実現します。また、CPU動作時には低電力動作モードでの動作電流が他社同等品と比べ極めて小さく、更にサスペンド状態からの高速復帰によりシステムの総合消費電力の最小化に大きく貢献します。
また、システムのコスト削減及び小型化の取り組みとして、汎用オペアンプ、12ビットA/Dコンバータ及びコンパレータを内蔵し、微小なセンサ信号の検知に必要な周辺アナログ機能を1チップで実現します。
新製品は、20~48ピンのパッケージ、8/16/32KB(キロバイト)のフラッシュメモリを内蔵する13品種を揃え、本年中に月産40万個を量産する予定です。
新製品の特長の詳細は以下のとおりです。
(1) スマートなスヌーズモードにより、検知器システム全体の待機時消費電力を約3割削減
スマートなスヌーズモードにより、STOPモードの中に、CPUが動作せずに、DTC(データトランスファコントローラ)、ELC(イベントリンクコントローラ)によるセンサの起動、センサ信号の増幅及びA/D変換結果の転送、更にDOC(データオペレーションサーキット)がA/D変換結果と閾値を比較し、CPU起動の要否の判断を可能にします。CPUを介さないため、火災検知器、ガス検知器、ガラス破壊検知器及び防犯システム(人感センサ)等の待機状態における低消費電力動作に寄与し、検知器システム全体の消費電力を約3割削減します。
(2) 業界トップの動作時低消費電流を実現
検知器システムの状態に合わせて、低電力動作モードと高速動作モードをダイナミックに切り替えることが可能です。低電力動作モードは、電源電圧1.8 V≦VDD≦3.6 V、動作周波数1 MHzで動作し、動作電流が他社同等品と比べ極めて小さく、124μAを実現します。また、メインシステムクロックとして中速オンチップオシレータクロック(4MHz)を使用する場合、サスペンド状態から4μs (Max.)で高速復帰が可能であり、ウエイクアップ時の消費電力低減により、システムの低消費電力化に貢献します。
(3) 微小なセンサ信号の検知に必要な周辺アナログ機能を内蔵
汎用オペアンプはMax. 4ch、12ビットA/DコンバータはMax. 17ch、アナログコンパレータはMax. 2chの入力が可能です。火災検知器、ガス検知器、ガラス破壊検知器及び防犯システム(人感センサ)等のアプリケーションが必要とするアナログ機能を1チップで実現し、システムのコスト削減及び小型化に貢献します。
新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。
RL78/I1Dの製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/microcontrollers-microprocessors/rl78/rl78i1x/rl78i1d.htmlをご覧ください。
以 上
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