ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、自動運転時代に向けて、このたびソフトバンクグループ株式会社傘下のcocoro SB株式会社が保有する人工感性知能「感情エンジン」 (注1)を活用し、感情を持ったクルマがドライバの感情をくみとり、ドライバに合わせて最適な応答が出来るクルマを実現可能なR-Car用開発キットを開発しました。
具体的にはまず、「感情エンジン」を用いて、ドライバの発する声から、「自信」や「不安」等の感情を認識します。この感情に対する応答を、ルネサスの車載情報システム用SoC(System On Chip)「R-Car」を用いて、クルマがドライバを思いやる新たなUI(ユーザインタフェース)で表現します。これにより、ドライバはクルマとの対話において、言葉の意味だけでなく、それを超えた感情をくみとってもらうことができるため、クルマから適切な応答を受けることができます。これをAIの機械学習と結びつけ、クルマがドライバとの対話を学習するにつれ、ドライバにとって最適な応答ができるクルマに成長することも期待できます。ルネサスはこの開発キットを年内にリリースする計画です。
今回、この「感情エンジン」に対応し、開発キットを搭載したルネサスの「つながるクルマ」のシミュレータは、ソフトバンク株式会社が2017年7月20日(木)・21日(金)にザ・プリンス パークタワー東京で開催するイベント「SoftBank World 2017」で展示される予定です。
ルネサスは、ドライバの「感情」を、表情や視線、生体情報と同様に、ドライバの状態を計る情報の一つととらえ、それらを活用することにより、自動運転時代に向けたクルマとドライバとのインタフェースの向上を図ろうとしています。感情を認識すれば、例えば、ドライバの運転と自動運転の切り替え時などで、言葉では切り替えに同意していても「不安」感情を認識することにより「自動運転を見合わせますか?」といった親切な応答が可能になります。また、自動運転中の夜道では、ドライバの感情に合わせてスピードを自然にコントロールすることもできるようになります。ルネサスは今後、「感情エンジン」を活用するための、開発キットを車載関連メーカやIT企業にも提案していくことで、クルマとドライバの新しいインタフェース開発や、感情データを活用したモビリティ市場へのサービスモデルの可能性を広げます。
ルネサスは、自動運転時代に向けた新たなプラットフォーム「Renesas autonomy」を推進しており、今後もクラウドサービスと連携したソリューションを積極的に提供することにより、安心・安全な自動運転社会に貢献してまいります。
以 上
(注1)人工感性知能「感情エンジン」とは、音声分析による音声感情認識技術と、デバイスの各種センサから、擬似的にホルモンバランスを形成することによってデバイスの感情を生成し、感情を色(喜びは黄色、悲しみは青など)と量(10段階)で見えるようにする「感情地図」にて表現される感情生成技術で構成されています。
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