~需要堅調により、第2四半期の売上は対前年同期比増収。売上総利益率は在庫水準の適正化を進め短期的に低下~
2018年7月31日
  • 2018年度第2四半期:Non-GAAPベース(1)の半導体売上高は1,991億円となり、前年同期比2.5%増収、Non-GAAPベースの売上高総利益率は45.4%となり、前年同期比0.3ポイント減少、Non-GAAPベースの営業利益(率)は339億円(16.7%)となり、前年同期比で49億円(2.0ポイント)増益。
  • 2018年度第3四半期の見通し:Non-GAAPベースの半導体売上高は前年同期比10.2%減収の1,726億円を見込み、Non-GAAPベースの売上高総利益率は前年同期比4.5ポイント減少の43.2%、Non-GAAPベースの営業利益率は前年同期比9.6ポイント減少の8.8%を見込む。

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)は本日、2018年度第2四半期(2018年4 月1日~6月30日)の業績を発表しました。ルネサスの代表取締役社長兼CEOの呉 文精は、次のように述べています。

 「ルネサスはこれまで、売上増と費用効率化によって、継続的に売上高総利益率および営業利益率を改善させてきました。2018年第2四半期のNon-GAAPベースの半導体売上は、前年同期比で2.5%増加したものの、適正な在庫水準を目指し、生産数量の抑制を主とした改善施策を実施しており、今期の棚卸資産を前四半期並みの水準に抑制したため、Non-GAAPベースの売上高総利益率は、前年同期と同水準となりました。
 続く2018年度第3四半期においては、販売チャネルにおける在庫状況も鑑みて、前年同期比での半導体売上高の減収を見込むと共に、引き続き在庫水準の適正化を強力に進めるため、売上高総利益率の前年同期比での低下を見込みます。短期的な業績の見通しは、今後の成長に向けた改善施策の実施により弱含みますが、中期的な成長実現に向けて、改善を積み重ねてまいります。」

四半期業績概要(億円)

Non-GAAP
ベース
2018年度第2四半期
(2018年4-6月)
2018年度第1四半期
(2018年1-3月)
2017年度第2四半期
(2017年4-6月)
前四半期比 前年同期比
売上高 2,035 1,859 1,981 +9.5% +2.7%
半導体売上 1,991 1,820 1,943 +9.4% +2.5%
売上高総利益率 45.4% 48.0% 45.7% -2.6pts -0.3pt
営業利益 339 314 290 +25 +49
営業利益率 16.7% 16.9% 14.6% -0.2pt +2.0pts
EBITDA(2) 565 535 472 +30 +93
GAAP(日本会計基準) 2018年度第2四半期
(2018年4-6月)
2018年度第1四半期
(2018年1-3月)
2017年度第2四半期
(2017年4-6月)
前四半期比 前年同期比
売上高 2,035 1,859 1,973 +9.5% +3.1%
半導体売上 1,991 1,820 1,935 +9.4% +2.9%
売上高総利益率 45.2% 47.8% 41.5% -2.6pts +3.7pts
営業利益 230 206 94 +24 +135
営業利益率 11.3% 11.1% 4.8% +0.2pt +6.5pts
EBITDA 548 523 378 +26 +171

(1)Non-GAAPベース:非経常項目その他特定の調整項目を除いた業績。2017年2月のインターシル社の買収完了に伴い、のれんの償却額、買収した無形固定資産の償却額、インターシル社の買収関連費用、株式報酬費用、株式売出し関連費用およびインターシル社買収に伴うPPA(取得原価の配分)影響を除外。Non-GAAPベースと日本会計基準(GAAP)間の調整項目は別紙参照。

(2)EBITDA: 営業利益+減価償却費+長期前払費用償却額。日本会計基準ベースでは、のれん償却額も含む。

分野別四半期半導体売上(億円)(3)

 2017年2月に買収完了したインターシル社を統合し、3事業本部体制に再編したことに伴い、ルネサスは、2017年度第2四半期から半導体売上の開示情報について、当社グループの主要な事業内容である「自動車」、「産業」、「ブロードベースド」およびこれらに属さない「その他半導体」に変更しました。

Non-GAAP
ベース
2018年度第2四半期
(2018年4-6月)
2018年度第1四半期
(2018年1-3月)
2017年度第2四半期
(2017年4-6月)
前四半期比 前年同期比
自動車(4) 1,058 924 1,040 +14.5% +1.7%
産業(5) 515 509 485 +1.2% +6.2%
ブロードベースド(6) 408 381 407 +7.2% +0.1%
その他半導体 10 6 11 +60.6% -5.7%
合計 1,991 1,820 1,943 +9.4% +2.5%

(3)分野別半導体売上:2018年度に「自動車」「産業」「ブロードベースド」の区分について、「産業」の売上の一部を「ブロードベースド」に移管するなど、より事業内容に即した形に変更しました。これに伴い、2017年12月期の数値についても、2018年12月の新区分の基づく数値に遡及修正しています。

(4)自動車:「車載制御」および「車載情報」向けにマイクロコントローラ、SoC(system-on-a-chip)、アナログ半導体、パワー半導体を中心に提供。

(5)産業:「スマートファクトリー」、「スマートホーム」および「スマートインフラ」向けにマイクロコントローラおよびSoCを中心に提供。

(6)ブロードベースド:幅広い用途向けに汎用マイクロコントローラおよび汎用アナログ半導体を中心に提供。

2018年度 第2四半期の業績概要(Non-GAAPベース)

 2018年度第2四半期の連結売上高は2,035億円、前四半期比9.5%増収となり、前年同期比は2.7%増収となりました。半導体売上高は、1,991億円となり、流通在庫の調整により減収した前四半期比では9.4%増収となり、前年同期比では2.5%増収しました。自動車向け売上は、前年同期比で1.7%増収しました。産業向け売上はFA(ファクトリーオートメーション)や家電での強い需要を主要因として、前年同期比で6.2%増収しました。ブロードベースド向け売上は、前年同期比で横ばいとなりました。

 第2四半期のNon-GAAPベースの売上高総利益率は45.4%となり、当社予想比では、主に売上増に加えて、費用減少などにより、1.4ポイント上回りました。前四半期比では、主に生産数量の減少などにより、2.6ポイント減となり、前年同期比では0.3ポイント減となりました。

 第2四半期のNon-GAAPベースの研究開発費(R&D)は、前四半期の319億円および前年同期の335億円に対し、305億円となりました。売上高R&D比率は15.0%となりました。

 第2四半期のNon-GAAPベースの販売費および一般管理費(SG&A)は、前四半期の260億円および前年同期の280億円に対し、280億円となりました。売上高SG&A比率は13.8%となりました。

 OPEX(R&DやSG&Aなどの事業運営に必要な費用)は、成長に向けてR&Dに投じる一方で規律あるSG&Aのコントロールを継続しており、引き続き、長期財務目標である売上高R&D比率と売上高SG&A比率の合計を30%を目途にコントロールを図ってまいります。

 第2四半期のNon-GAAPベースの営業利益は339億円、営業利益率は16.7%になり、前四半期のNon-GAAPベースの営業利益314億円から25億円増益となりましたが、営業利益率16.9%から売上高総利益率の低下により0.2ポイント減少しました。前年同期比では、主に売上増や費用抑制により、49億円(2.0ポイント)改善しました。

 第2四半期のNon-GAAPベースの親会社株主に帰属する四半期純利益は、304億円となりました。
 なお、第2四半期のNon-GAAPベースの一株当たりの純利益は18.2円となりました。

 第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは、472億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは158億円の支出となり、その結果、フリー・キャッシュ・フローは314億円となりました。

 第2四半期の有形固定資産(生産設備)および無形固定資産の設備投資額は、50億円となりました。これは、これら資産への投資決定ベースの金額であり、キャッシュ・フロー計算書に記載の現金支出とは一致しません。

 自己資本比率は、2018年3月31日時点の49.8%に対し、2018年6月30日時点では52.1%となりました。D/Eレシオ(グロス)は、2018年6月30日時点で0.43倍となりました。

2018年度 第3四半期の見通し

 半導体売上高については、2018年度第3四半期は、1,726億円(前四半期比13.3%減、前年同期比10.2%減)を見込みます。

 Non-GAAPベースの売上高総利益率については、第3四半期は、43.2%(主に減収により、前四半期比2.2ポイント減、また主に減収および生産数量の調整による稼働減により、前年同期比4.5ポイント減)、9か月累計では45.6%(前年同期比0.7ポイント減)を見込みます。

 Non-GAAPベースの営業利益率については、第3四半期は、8.8%(前四半期比7.8ポイント減、前年同期比9.6ポイント減)、9か月累計では、14.3%(売上総利益率の低下や積極的なR&D投資により、前年同期比2.2ポイント減)を見込んでいます。

 為替前提については、第3四半期は、1米ドル109円、1ユーロ126円としています。

 9か月累計の有形固定資産(生産設備)および無形固定資産の設備投資額(期間中の投資決定ベースの金額)は、売上高比で3.0%となる見込みです。

以 上

(ご参考)

連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書については、本日発表の「2018年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(582KB)」をご参照ください。

Japan GAAP(日本会計基準)とNon-GAAP間の調整項目については 別紙(162KB)をご参照ください。

全文PDF: ルネサス、2018年度第2四半期の業績を発表(345KB)

(将来予測に関する注意)

本資料に記載されているルネサス エレクトロニクスグループの計画、戦略及び業績見通しは、現時点で入手可能な情報に基づきルネサス エレクトロニクスグループが判断しており、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。そのため、実際の業績等は、様々な要因により、これら見通し等とは大きく異なる結果となりうることをあらかじめご承知願います。実際の業績等に影響を与えうる重要な要因としては、(1)ルネサス エレクトロニクスグループの事業領域を取り巻く日本、北米、アジア、欧州等の経済情勢、(2)市場におけるルネサス エレクトロニクスのグループ製品、サービスに対する需要動向や競争激化による価格下落圧力、(3)激しい競争にさらされた市場においてルネサス エレクトロニクスグループが引き続き顧客に受け入れられる製品、サービスを供給し続けていくことができる能力、(4)為替レート(特に米ドルと円との為替レート)の変動等がありますが、これら以外にも様々な要因がありえます。また、世界経済の悪化、世界の金融情勢の悪化、国内外の株式市場の低迷等により、実際の業績等が当初の見通しと異なる結果となる可能性もあります。


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