ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、爆発的な市場の拡大が予想されるロボット向けのソリューションを展開する第一歩として、ロボット用フレームワークであるROS 2向けに標準化が進む通信規格DDS-XRCEを、RX65Nマイコンに実装し、このたびROS 2の通信実証に成功しました。DDS-XRCEにはeProsima社のMicro XRCE-DDS clientを採用し、RX65Nを搭載したボードをロボットの目や耳となるセンサと、手足となるアクチュエータに見立て、制御・通信を確認しました。RX65NがDDS-XRCEをサポートすることにより、ユーザはロボットシステムのエンドポイントに搭載されるセンサやアクチュエータ、モータを制御するソフトウェアの開発が可能になります。ルネサスは、これら通信実証に使用したソフトウェアを、オープンソースとして2018年第4四半期中に公開する予定です。
ルネサスは、2018年9月14日に東京で開催されたROSCon JP 2018にゴールドスポンサーとして、また2018年9月29日から30日にスペインのマドリッドで開催されたROSCon 2018にブロンズスポンサーとして出展し、ロボット開発のコミュニティの中で積極的な活動を行っています。ROS(Robot Operating System)は、ロボット開発に必要となる様々なソフトウェアライブラリやツールを提供するフレームワークであり、現在、幅広く採用されています。次世代規格ROS 2は、マイコンなどの組み込みシステムにも普及させるために開発が進められています。ルネサスは、このROS 2にいち早く対応するため今回の通信実証を実施しました。これにより、サービスロボットの開発を加速させ、福祉や警護、受付、清掃、家事支援など、社会のあらゆる場面におけるロボットの普及に貢献します。
ROSの開発管理を行うOpen Robotics社のCEOであるBrain Gerkey氏は、次のように述べています。「マイコンのリーディングカンパニーであるルネサスがDDS-XRCEをサポートすることに大きく期待しています。組み込みシステムからなる多くのエンドポイントにROS 2が広がり、さらなるロボットのイノベーションが進む大きな力になると信じています。」
今回採用したMicro XRCE-DDSを開発しているeProsima社のCEOであるJaime Martin Losa氏は、次のように述べています。「ルネサスがeProsimaのMicro XRCE-DDSを使用して通信実証したことに感謝しています。我々のネットワークミドルウェア技術とルネサスのマイコンが組み合わさることにより、ROS 2の採用が加速するものと考えています。」
なお本通信実証のデモンストレーションは、2018年11月14日から16日にパシフィコ横浜で開催されるET&IoT Technology展において、株式会社コア社のブース(ブース番号:B-53)にてご覧いただけます。
以 上
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