「xEVインバータの機能安全を新規に対応したい!」
「xEVインバータの開発期間を短縮したい!」
「xEVインバータの過剰な安全機構、回路を省きたい!」
「様々なシステム構成で共通の安全機構を実現したい!」
上記のようなご要望をお持ちのエンジニアに向けて、この記事を書いています。
はじめまして、ルネサスの坪田と申します。
私は、xEVインバータのシステム開発に携わっています。
本ブログでは、ルネサスが提供する「xEVインバータにおけるシステムレベルの機能安全ソリューション」について紹介します。
「xEVインバータの機能安全を新規に対応したい!」
自動車向け機能安全国際規格であるISO26262は、各自動車メーカで標準的に適用されており、システムメーカにとって避けて通れません。そして、これは開発の計画段階から適用する必要があります。
ISO26262に準拠して開発する場合、Part3のコンセプトフェーズでは、一般的に自動車メーカが、アイテム定義、ハザード分析とリスクアセスメントから安全目標を決め、安全目標を達成するための「機能安全コンセプト」を設定します。また、Part4のシステム設計フェーズでは、システムを実現するための「技術安全要求」を作成し、ハードウエア/ソフトウエアの構成を決め、安全機構を配置していきます。
しかし、新規に着手するときは、
- 何から始めたらよいか?
- どこまで深く考慮すべきか?
- 検討に抜け漏れはないか?
など考えるべきことが膨大にあります。
ルネサスは、ルネサスが想定したアイテムをベースに、コンセプトフェーズからシステム設計まで(図のブルーの領域)で、ISO26262の適用を支援するReference Work Productsを提供しています。
お客様は、これを利用することで上記「考えるべきこと」をすべて検討しなくてもシステム設計からすぐに着手できます。
このシステムのReference Work Productsは、安全要求を実現するために最適なルネサスデバイスと最適な安全機構を配置することで、システム設計の大きな助けになると考えています。さらに、システム設計では、各デバイス(MCU, PMIC)のWork Productsも活用できます。
「xEVインバータの開発期間を短縮したい!」
自社でISO26262を読み解いて適用することもできますが、第三者機関による認証がパスできず期間が遅延するリスクが考えられます。
ルネサスは「xEV向けインバータキット」開発の実績とシステムの知見を活かし、ASIL CをターゲットとしたReference Work Productsを作成しました。そして、第三者機関であるSGSジャパンから、このReference Work Productsに対するテクニカルレポートを取得しています。
このReference Work Productsを参照しながら開発することで、容易にxEVインバータの機能安全に対応できるだけでなく、システム設計(ハードウエア、ソフトウエア)に「xEV向けインバータキット」を活用することで開発期間をさらに短縮できます。
「xEVインバータの過剰な安全機構、回路を省きたい!」
例えば、市場の同等システムよりも高いASILを割り当てた場合、競合メーカよりも過剰な安全機構を搭載することになり、コスト競争力が低下するリスクが考えられます。
このReference Work Productsは市場分析に基づいているため、必要とする最小限の安全機構を把握できます。また、状況に応じてオプション機能を選択することや、自動車メーカ固有の要求を付加することもできます。
「様々なシステム構成で共通の安全機構を実現したい!」
インバータと言っても、1モータ構成や、2モータ構成、さらには昇降圧機能を搭載した構成など様々です。このReference Work Productsでは、想定される構成をあらかじめ考慮したオプションを選択でき、様々なシステム構成をカバーしています。
まとめ
ルネサスの「xEVインバータにおけるシステムレベルの機能安全ソリューション」は、
「xEVインバータの機能安全を新規に対応したい!」
「xEVインバータの開発期間を短縮したい!」
「xEVインバータの過剰な安全機構、回路を省きたい!」
「様々なシステム構成で共通の安全機構を実現したい!」
といった、要望を持たれている方の力になることができます。
ご興味を持たれた方は、営業担当までお問い合わせください。