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xEV駆動モータ用位置センサの最適ソリューション ‐レゾルバから電磁誘導型センサIPS2550への置き換え

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Chen Guanyuan
Chen Guanyuan
Application Engineer
掲載: 2022年2月14日

「より高精度な位置センサを探している!!」
「最適な位置センサを内製したい!!」
「位置センサのコストを削減したい!!」

上記のようなご要望をお持ちの方に向けて、この記事を書いています。

はじめまして。ルネサスの陳冠元と申します。xEV駆動モータ用位置センサIPS2550を担当し、お客さまの技術サポートをしています。
ルネサスは、xEV向けの電磁誘導型位置センサIPS2550を利用したインバータソリューションを提供しています。

近年、各国でのカーボンニュートラルの戦略により、ガソリン車は徐々に電気自動車に切り替わっていきます。2021年11月に英国で開催されたCOP26会議では、20を超える加盟国が2040年までに新車販売をすべて脱ガソリン車にすることに合意しました。もはや、新エネルギー車の時代の到来を誰にも止めることはできません。将来電気自動車の開発と製造領域に参入するプレイヤーはどんどん増えていきます。今回は、すべてのxEV開発者に強くお勧めしたい製品、「電磁誘導型位置センサIPS2550」をご紹介したいと思います。お勧めしたい理由はただ一つ、「コストを削減でき、しかも使いやすい」からです。

「電磁誘導型位置センサIPS2550は、ルネサスの電磁誘導位置検出技術をベースに、コイルの電磁誘導の原理に基づいてターゲット金属の位置を検出します。

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IPS2550

「より高精度な位置センサを探している!!」

センシング素子は、モータ軸を囲むように設計しますが、センサのセクタ数をモータの極対数と一致させることにより角度精度が最適化され、他の位置センサに比べて高精度を実現できます。例えば、一般的なレゾルバより2,3倍程度高精度になります。また、モータの回転数は最大600,000rpmまで対応可能です。

  • 高精度 ≦0.1% full scale (理想コイル)
  • 最大600,000 (el) rpm まで対応

「最適な位置センサを内製したい!!」

IPS2550はコイルの電磁誘導の原理に基づいてターゲット金属の位置を検出する方式のため、モータの種類と形に対して制限なく、様々な配置に柔軟に対応できます。

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IPS2550 detects position on-axis and off-axis

IPS2550位置センサの構成は、下図のようなターゲット、プリント基板と半導体のみです。レゾルバなどのメカ製品を製造するにはノウハウと精密な製造装置が必要です。それに対して、IPS2550は基板とターゲットだけなので、特別な製造装置が不要なため、容易に位置センサの内製化が可能です。

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Board with IPS2550

さらにルネサスは、コイル設計(センサコンセプトからコイルデータまで)をサポートすることができます。システム解析から実現性検討、コイル設計、最適化、コイルのガーバーデータまで、すべてをサポートできます。また、xEV開発者の皆さん向けに多種な設計例CRB(Customer Reference Board Catalog)を用意しています。

「位置センサのコストを削減したい!!」

従来のレゾルバをxEVの位置センサとして利用する場合は、レゾルバ本体をモータへ固定し、モータ軸との接続、制御ボードとのコネクタ接続、さらに励磁が必要となります。IPS2550を利用する場合は、下記のような構成のみになります。BOM点数が削減されることで、構成する基板のBOMコストは、レゾルバと比較して30%以上削減可能です。

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Reduce the cost of the position sensor

次に「IPS2550を利用したxEVインバータソリューション」を紹介します。

本ソリューションは、位置センサIPS2550の利用により、xEVのボリュームゾーンである出力仕様100kWでの高精度角度検出を、低コストかつコンパクトサイズ(容積3.9L)で実現しています。もちろん、電圧インバータ環境でのノイズ耐性も検証済みです。

また、IPS2550以外にも、インバータの主要半導体であるマイクロコントローラRH850/C1MA2、PMIC、ゲートドライバ、IGBT/FRDベアダイ、フォトカプラにRenesas製品を使用しており、『半導体』+『ハードウェアシステム設計』+『ソフトウェアシステム設計』の3領域での、Total solutionサポートが可能です。

以下はシステムブロック図です。

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xEV Inverter Solution Using IPS2550 System Block Diagram

「システムとしての使いやすさ」

評価用のサンプルソフトウェアの提供、上述のコイル設計例の提供及びコイル設計工程のサポートによりお客様の早期市場投入を支援いたします。

IPS2550を利用したxEVインバータソリューションは、
「より高精度な位置センサを探している!!」
「最適な位置センサを内製したい!!」
「位置センサのコストを削減したい!!」
といった要望をお持ちのxEV開発者の力になる事ができます。

ご興味を持たれた方は、営業担当までお問い合わせください。

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