ルネサスは、3月1日~5日にオンラインで開催されたEmbedded Worldにて、ADAS、EV、車両コンピュータ、SoC、MCU、アナログ、パワーなどのデモを行い、IDT、インターシル社の買収により拡充された車載ソリューションを紹介しました。
いくつかの例をご紹介します。
R-CAR V3U - 自動運転向け、最新プロセッサー
ルネサスは、60TOPSの高い演算能力と低消費電力を兼ね備えた次世代ASIL-D SoCを発表しました。R-Car V3Uは、柔軟性の高いDNN(Deep Neural Processing)やAI機械学習機能を有しており、その柔軟なアーキテクチャは、最先端のあらゆるニューラル・ネットワークに対応しています。また高度なセーフティ・メカニズムを搭載し、ASIL Dを達成しています。
R-Car V3Uには、オープンでかつ統合された開発環境(e2studio)が付属しており、コンピュータ・ビジョンやディープ・ラーニングベースのソリューションの市場投入までの時間を短縮することが可能です。
詳細については、こちらをご覧ください。
IPS2550 -高速モータの回転制御向け誘導型位置センサ(車載用)
ルネサスは車載用ポジションセンサの新製品「IPS2550」を発表しました。IPS2550は、乗用車、大型商用車、オフロード車、バイクなどの高速モータの回転制御向けのポジションセンサとして理想的であり、また容易なカスタマイズ性を実現しています。IPS2550は、BOM(bills of materials)の最適化により、センサの精度を最大限に高めながら、コスト効率の高いセンサ設計が可能となります。また、漂遊磁場耐性であり、レゾルバに比べて軽量化が可能であり、モーターとの統合性にも優れています。
IPS2550は、ルネサスの回転制御向け誘導型位置センシング技術をベースに、最大回転数は電気角で600k rpmを実現しており、モーターを中心に設計されているため、軸外(スルーシャフト、サイドシャフト)と軸内の両方の位置決めに対応しています。モーターのポールペアに対応するセクター数は、他のセンシング技術と比較してコスト効率よく精度を高めることができます。IPS2550は、ISO26262に準拠して開発されており、最も厳しい機能安全が欠かせない車載アプリケーションでASIL-C(D)システムレベル要件を1つのICでサポートしています。IPS2550とその評価キットの詳細については、こちらをご覧ください。
xEVアプリケーション向けの半導体ソリューション
環境に優しいモビリティを求める声が高まっている中、ルネサスは開発当初から、これらの要求を考慮に入れた製品ポートフォリオを企画してきました。必要不可欠な半導体としては、ポジションセンサー・インターフェースを統合した専用のモーター制御IPを含むトラクション・インバーターにコンセプトとして焦点を当てたMCU(ASIL-C)、PMIC、デジタル側とアナログ側のインターフェースをつなぐゲートドライバー、e-モーターを駆動するための電力を供給するIGBTとFRD、そして誘導型位置センサです。これらにより、高性能で安全なトラクション・ドライブを実現しています。ルネサスは、バッテリーマネージメント・システムにも力を入れており、そのための優れた半導体部品を開発しています。詳細についてはこちらをご覧ください。
車載コンピュータ VC3
ルネサスは、Connected Gateway/Car Serverアプリケーション向けの包括的なリファレンス・デザインを提供する初のチップメーカーです。第3世代の評価プラットフォームVehicle Computer(VC3.0)は、ルネサスの完全なチップセットをベースにしており、40k DMIPSのパフォーマンス・レベルまでのConnected Gateway/Car Serverアプリケーションをカバーしています。評価、ラピッドプロトタイピング、データロギングに使用できるほか、CAN-FD、LIN、MOST、FlexRay、PCIe、Ethernetなどの車載要件や通信規格に対応しています。また、さまざまなイーサネットのTSN(Time-Sensitive Networking)プロトコルをサポートしており、広帯域のリアルタイム通信を実現します。VC3.0は、従来の自動車用ネットワーク・インターフェースの数を増やしている一方で、ギガビットイーサネットやすべてのTSN機能のサポートなどの点で改善しています。このVC3.0は、将来のコミュニケーション・ゲートウェイECU用の次世代R-Carデバイスのプリシリコン評価に最適です。
アナログ、パワー製品のポートフォリオ
ルネサスのアナログ+パワー製品の補完的ポートフォリオ
アナログとパワーのポートフォリオをどのように拡充させているのか、また現在及び将来のソリューションについて解説しました。詳細はこちらをご覧ください。
ルネサス製コントローラ向けの最適なパワーマネージメント
ルネサスは、R-Carデバイスの最新の自動車アプリケーションへの統合を容易にするために最適化された、パワーマネージメントとタイミング製品を提供します。詳細はこちらをご覧ください。
実証された互換性で市場投入までの時間を短縮
ルネサスは、オートモーティブ向けの "Winning Combinations "を発表しました。これは、コントローラの開発効率化、コスト削減、市場投入までの時間短縮のために、MCU、SoC、アナログ、パワー製品を幅広く組み合わせたリファレンス・デザインです。詳細については、当社のウェブサイトをご覧ください。