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半導体産業が多様な用途と応用でAIをリードする

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Sailesh Chittipeddi
Sailesh Chittepeddi
執行役員常務 兼 エンベデッドプロセッシング・デジタルパワー&シグナルチェーンソリューショングループ ジェネラルマネージャー
掲載: 2023年8月3日

2023年7月、サンフランシスコで行われたSEMICON WestとDAC(Design Automation Conference)の開催期間中に、私は「AIによる半導体産業の内外の革新」と題したパネルディスカッションに業界の様々なエキスパートと一緒に参加しました。ルネサス主催のイベントで、ガートナーが司会を務め、パネリストには私のほか、アドバンテスト、シノプシス、TinyML Foundationのリーダーらが参加しました。

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ルネサスにとって人工知能(AI)は、とりわけエッジにおいて大改革をもたらしつつあります。実際、世の中は生成AIやChatGPT-4に関する話題でいっぱいですが、2025年までに生成されるデータの約75%はクラウドではなく、ネットワークのエッジから来ると予測されています。同時に、企業が収集したデータの90%が廃棄されているという事実もあり、それらのデータを有効に活用する絶好の機会でもあります。

ルネサスはAIにおいてどの分野で活躍しているのでしょうか?コンピューティングといえば、マイコンやマイクロプロセッサ、CPU、GPUを思い浮かべるかと思います。低遅延かつ低消費電力でデータを高速に処理するためには、革新的な半導体が必須となります。ルネサスはバッテリ駆動機器向けの低消費電力なマイコンからLinuxベースを想定したハイエンドなマイクロプロセッサまで様々なデバイスを提供しています。高性能なAIのアプリケーション用には、優れたTOPS/W性能を持つAIアクセラレータを搭載したデバイスもあります。また、お客様の大規模な商品展開や継続的管理のMLDevOpsのためにクラウド接続ソフトウェアも提供しています。

コンピューティングに加えて、ルネサスはGPUのユーザやパートナにメモリインターフェース、高効率なパワーマネジメントIC、タイミング製品を提供しており、これらは大規模言語モデルに必要な大量のデータを処理する際に重要な役割を果たしています。

AIによる生産性の向上

分野に関係なく、AIプロジェクトの成功にはお客様が自分自身のデータセットについてどれだけ理解しているかが鍵となります。ルネサスは、お客様が多くのサポートを必要とする場合は、学習から実装まで全てをサポートします。一方で、AIに非常に精通しているお客様の場合は、無料の基本サービスを提供し、必要に応じて有料の追加サービスを提供します。もちろん、その中間に位置するお客様にも適切なサービスを提供します。

しかしながら、企業全体ではAIを取り入れたプロジェクトのうち、実際に成果を出しているのは54%にすぎません。残りの46%が成果を上げられない理由は、AIを展開する際に発生する課題と複雑さが原因です。もし私たちが実際のユースケースを理解しやすくできたら、もっと生産性が向上するでしょう。これにはTinyMLなどが重要な役割を果たします。

Evgeni氏はこう述べています。「TinyMLエコシステムは世界中で100社以上の加盟企業と15,000人以上が活動しており、非常に注目されています。5年前は概念実証の段階に過ぎませんでしたが、今から5年後にはAI技術が消費者に届くようになり、あらゆる種類の問題を解決するのに役立つでしょう。」

シノプシスのShankar氏は、5nmから3nmのプロセスノードへの移行コストが倍増する中、AIがチップ設計を簡素化し、開発コストをより効率的に管理するのにどれだけ役立つかを指摘しています。シノプシスは、設計から検証、テストに至るEDAスタックの各レイヤーにAIを適用することで顧客のIPを最適化する計画です。すでにクラウドでAIサービスにアクセスできるソフトウェアサービスモデルも提供しています。

「顧客が実際に生産性の問題を抱えているため、AI技術の採用は非常に早いです。250件以上の製品設計が既に完了しており、過去12カ月間で急速に増加しています。EDAツールのプロバイダとして、AIを採用しやすくするという課題はありますが、設計コミュニティにはAIに対する需要があります」とShankar氏は述べています。

半導体テスト工程において、アドバンテストは自社の機器がテスト対象のデバイスを上回る性能を発揮できるようにする必要があります。これにはAIベースのチップをテストするためにAIを使用することも含まれており、新たな演算能力を必要とします。また、最近では半導体バリューチェーン全体で即時の意思決定を実現できるよう機械学習アルゴリズムも導入しています。

Ira氏は次のように述べています。「AIは様々な方法で私たちの技術を進化させています。以前は、テスト機器メーカとして、テスト対象のデバイスよりも高速で正確である必要がありました。しかし、AIチップの登場により、テスト機器もよりインテリジェントにならなければなりません。エッジコンピューティングやリアルタイムで実行される機械学習アルゴリズムなどが良い例です。AIは多くのことの中核になり、アドバンテストのエンジニアはそれを受け入れ、基本的なツールとして使用する方法を学ばなければならないでしょう。」

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左から、Gaurav Gupta, ガートナー; Sailesh Chittipeddi, ルネサス; Shankar Krishnamoorthy, シノプシス; Ira Leventhal, アドバンテスト; Evgeni Gousev, TinyML Foundation

最後に、パネリストの皆さんにはこのディスカッションへ参加して、興味深いインサイトを共有していただき感謝しています。AIに関する議論は多面的で、日々進化していることがわかります。ルネサスは今後数ヶ月の間にも、急成長しているAI技術についての最新情報を共有するためのポッドキャスト、ウェビナー、イベントを計画しています。新たな情報にご期待ください!

ルネサスのAIポートフォリオとReality AIの買収については、Mo Dogarによる最近のブログ(6月29日)とReality AI買収から1年の取り組みを紹介したプレスリリース(6月15日)をお読みください。

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