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OTAは大変? AWS IoT Coreを使ったOTA開発を大幅短縮できます。

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Koji Maruno
Koji Maruno
Principal Software Engineer
掲載: 2023年4月20日

スマートフォンやパソコン用のソフトウェアのオンラインでの更新は当たり前になっています。新しい機能追加や改善はもちろんソフトウェアに問題があった場合に、早急にソフトウェアを更新できることは多くのメリットがあります。組み込み機器に目を向けてみますと、徐々に増えていますが、本格普及はこれからです。

普及を阻んでいる障壁として、これまでの組み込み機器用のソフトウェア開発とは異なるスキルが必要になっていることがあげられます。例えば、次のアプリケーションノートを参照してください。

RX ファミリ RX65N における Amazon Web Services を利用したFreeRTOS OTA の実現方法

クラウドサービスを利用するための設定やインターネット回線を使うためにセキュリティを確保するための設定など、これらがソフトウェア開発のプロセス複雑化させる要因となっています。

OTA向けのツールを用意しました

これらを解決するためユーザフレンドリーな支援を行うためのツールを用意しました。このツールを使うことでクラウドの導入からOTAの実行まで、わずか4ステップを踏むだけで、簡単に開発することができるようになります。  

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わずか4ステップで簡単に開発することができるOTA向けのツール

QE for OTA V1.0.0は、第1弾としてAWS IoT Coreを使用したソフトウェアアップデートをサポートしています。特長として複雑な開発プロセスを迷わず開発していただくために手順をまとめたワークフローを用意しています。このワークフローに従って操作することで、迷わず開発をすすめることができます。

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QE for OTA V1.0.0のワークフロー
  • クラウドの導入
  • 初期ファームウェアの作成
  • 更新ファームウェアの作成
  • OTA実行

QE for OTAを使った効果

下の図は、最初のソフトウェアを作るまでにかかる時間をまとめたものになります。 

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10個のIoTデバイスの初期ファームウェア作成にかかる工数

10個のIoT機器を作成した場合、アプリケーションノートなどを参照しながら操作する場合は、2時間以上かかっていました。QE for OTAを使うと操作時間はわずか1分。処理終了まで20分で完了します。これらの操作はソフトウェア開発が完了するまで繰り返す必要がありますので、その効果はさらにあがります。

最後に

IoT機器は、PoCによる試作フェーズで十分なフィールドテストを経たのちに、市場導入する必要があるため、従来よりも工数がかかります。そのため、QE for OTAでは、現状の試作時のPoCによる数台レベルのデバイス管理に加えて、今後は、市場投入時つまり量産移行後の多量デバイスの管理を見越して、AWS社がサービスを提供するFleet Provisioningとの連携も図っていく予定です。更に、2023年以降はマイクロソフト社のAzure OTA(ADU)サービス拡張も計画しています。

QE for OTA V1.0.0について

QE for OTA V1.0.0 テクニカルプレビュー版を2022/7/29リリースしました。下記URLを参照してください。ツール情報はもちろんチュートリアル動画も掲載しています。

https://www.renesas.com/qe-ota

テクニカルプレビュー版とは、新しいコンセプトのツールで、まずはみなさんにご試用いただき、ご意見や使用感などをフィードバックするためにつけております。もちろん、評価は製品版と変わらず行っておりますので安心して使用することは可能です。ご使用できる環境についてはリリースノートに記載しておりますので、ご確認ください。また、QE for OTAではアンケートを実施しております。ぜひご意見をおきかせください。

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また、RXで実現するクラウドソリューションについては、こちらを参照下さい。

RXクラウドコネクティビティソリューション

 

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