~業界トップクラスの低オン抵抗を実現した小型パッケージ品など32品種を展開~
2010年12月14日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、パワー半導体事業強化の一環として自動車向けにNチャネルの40V(ボルト)・55V耐圧パワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタ)32品種を開発しております。

 そしてこのたび、新シリーズのなかでも従来パッケージの約1/2の面積かつ75A(アンペア)まで通電可能なHSONパッケージに封入した「NP75N04YUK」のサンプル出荷を本日より開始いたします。後続品種については2011年1月より順次サンプル出荷を開始する計画です。

 新しいパワーMOSFET 32品種は、いずれも業界トップクラスの低オン抵抗と高速スイッチング特性をバランスよく両立できるように最適化した新開発の製造プロセス「ANL2」を採用することにより、オン抵抗・ゲート電荷量積の性能指数を従来プロセス「UMOS4」と比べて約40%低減しております。なかでも、このたびサンプル出荷を開始するNP75N04YUKは、従来パッケージ「TO-252」と比べてサイズが約1/2となるHSONパッケージを採用している点が最大の特長です。これにより、NP75N04YUKは3.3mΩ(ミリオーム)という自動車向けに開発された同等サイズの製品では業界トップクラスの低オン抵抗特性を有し、新製品の採用により、自動車制御ユニットの小型化・高性能化に寄与します。

 NP75N04YUKのサンプル価格は110円/個となっており、量産は2011年4月から開始し、2012年にはHSON製品全14品種合計で月産200万個を計画しています。

 MOSFETのなかでも数10A(アンペア)にのぼる大電流を通電可能なパワーMOSFETは、素子の発熱が課題であり、従来は放熱性に優れる大型のパッケージが採用されてきました。しかしながら、自動車に搭載される電子制御ユニットの搭載数が増加する一方で車内の居住性確保という課題があり、電子制御ユニットの小型化に向けてそれを構築するパワーMOSFETをはじめとする部品には、市場からより一層の小型化が求められております。このような状況のもと、当社は2010年6月に従来パッケージ製品の性能を維持しつつ車載電装品質に対応できるHSONパッケージ製品を初めて市場投入し、このたびさらなる性能改善を図った製品を開発したものです。

 新しいパワーMOSFET32品種の特長の詳細は以下のとおりです。

(1)オン抵抗・ゲート電荷量積の性能指数を従来比約40%改善

 業界トップクラスの低オン抵抗と低ゲート電荷量をバランスよく両立するよう最適化した新プロセス「ANL2」を開発。オン抵抗とゲート電荷量は相反する関係にあるため、それらの積はプロセスの性能指数として用いられるが、新パワーMOSFETはこの指数を当社従来プロセス「UMOS4」と比べて約40%低減している。

(2)自動車向けに開発された小型パッケージ品として、業界トップクラスの低オン抵抗(NP75N04YUK)

 プロセスは新開発のANL2、パッケージはサイズを従来品(TO-252)の約1/2に小型化しつつ放熱性に優れるHSONパッケージ(外形寸法:6×5.15mm(ミリメートル))を採用。これにより、NP75N04YUKは40V耐圧製品で3.3mΩと、自動車向けに開発された同等サイズの製品では業界トップクラスとなる低オン抵抗性能を実現している。

(3)多様なニーズに応じた幅広い製品展開

 電動パワーステアリングをはじめとする大電流用途に最適な電流定格180A対応の製品から、小型ソレノイド駆動用途に最適な35Aクラスの製品まで、実装形態に応じて各種パッケージ(TO-263-7pin、TO-263、TO-252、HSON、TO-220、TO-262)へ展開する。さらに、耐圧はそれぞれ40Vと55Vの2系列を準備することで、幅広いニーズに対応可能。

 当社は、新製品が自動車の各種制御システムを構成するうえで、小型化・高性能化を実現する最適な製品であると考えております。今後、積極的な新製品開発を継続するとともに、より幅広いラインアップの拡充を図る計画です。

新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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