~スマートメータに必要な主要機能を1チップで実現~
2011年5月12日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、家庭向け高機能電力メータ、いわゆるスマートメータ向けに初めて16ビットマイコンを製品化し、「78K0R/LG3-M」の名称で、本日よりサンプル出荷を開始いたします。

 新製品は、従来比2倍となる128キロバイト(KB)のフラッシュメモリ、同3倍となる7KBのRAMを搭載した当社製16ビットCPU「78K0R」をベースに、電力演算回路、A/Dコンバータに加えてLCD駆動回路、RTC(リアル・タイム・カウンタ)などスマートメータに必要とされる主要な機能を1 チップ上に集積していることが最大の特長です。

 新製品のサンプル価格は500円/個となっており、量産は2011年9月から月産5万個で開始する計画です。

 昨今、省エネ意識の高まりから各家庭に設置される電力メータには、電子式の電力メータが登場しています。なかでも通信機能を搭載した「スマートメータ」と呼ばれる次世代の電力メータは、電気料金や表示機能の多様化に対応し、従来の機械式電力メータからの置き換えや新興国における普及が進み、急速な市場の拡大が見込まれております。この背景には「自動検針等を実現するための、通信機能を持つメータの実用化」、「自然エネルギー利用の増加に伴う、社会全体の電力利用最適化のための、リアルタイムな需要・供給管理への要求」といった状況があり、今後はすべての電力メータ電子化、加えて通信機能の搭載に伴ったさらなる高性能化が予想されます。

 当社は2009年11月にスマートメータに必要とされる主要機能を1チップで実現できる8ビットマイコンとして「78K0/LE3-M」および「78K0 /LG3-M」を市場投入しておりますが、その後市場からは、自動検針機能や電力の見える化やその他多彩なサービスを実現するためのさらなる多機能化の観点から、大容量フラッシュメモリおよび高性能CPUを搭載したマイコンの製品化に対する要望が寄せられておりました。

 新製品はこのような市場ニーズに応えるために開発されたもので、特長の詳細は以下のとおりです。

(1)大容量メモリ搭載によりスマートメータの多機能化へ対応

 従来比2倍となる128KBのフラッシュメモリ、同3倍となる7KBのRAMを搭載した当社製16ビットCPUコア「78K0R」を採用。これにより、電力メータの多機能化に伴うソフトウェアのプログラムサイズの増加に容易に対応できる。

(2)スマートメータに必要とされる主要機能を1チップで実現

 高精度な24ビット⊿Σ型A/Dコンバータに加え、電力演算機能を専用回路として内蔵するとともに、入力信号のズレを補正するキャリブレーション機能や、停電や電流/電圧ピーク検出機能を搭載した電力品質測定回路、積算電力の改ざんを防ぐアンチタンパ回路などを搭載している。従来ソフトウェアで実現していた機能もハードウェアで対応可能になるため、セットメーカーのソフトウェア開発負担の軽減を実現する。

 新製品の電力演算精度は有効電力測定誤差0.1%を実現しているため、日欧中の電力メータ規格に準拠できる。

 新製品の主な仕様は、別紙をご参照下さい。

以 上

*新製品は、Silicon Storage Technology, Inc.からライセンスを受けたSuperFlash®技術を使用しています。SuperFlash®は、米国Silicon Storage Technology, Inc.の米国、日本などの国における登録商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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