ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:遠藤 隆雄、以下ルネサス)は、このたびPC、スマートフォン用途のみならず、PC周辺機器、ACアダプタからプロジェクタ、ロボット、玩具まで、直流(以下DC)電力を使用する幅広い機器に向け、USB Power Delivery(以下USB PD)の最新規格に対応したコントローラLSIを開発し、「μPD720251」の名称で、今月よりサンプル出荷を開始いたします。
USB PDは、USBケーブルを介して、従来のUSB規格で実現していた最大7.5WのDC供給電力を13倍強の100W(20V/5A)まで高める規格です。
USB PDの登場により、電力供給にUSBケーブルを利用するシーンは飛躍的に増大することが予想されています。新製品の採用によりユーザは、充電時間を短縮できるシステム開発が可能となります。また新製品はUSBケーブル一本でデータ通信と電力給電を同時に行い、多くの機器間の接続を簡素化するため、システム構築の開発コスト軽減が可能になります。
当社がその一員として活動しているUSBインプリメンターズフォーラムでは、安全性に対するリスクを低減する活動を行っています。当社は、さらに機器間認証による粗悪品の排除など、ユーザに安心・安全の信頼性高いUSB PDソリューションを提供することで、PDの普及とユーザのシステム開発の促進を目指しております。
新製品は、当社の低消費電力CPUコア「RL78」、フラッシュROMを内蔵しており、最新のUSB PD規格にいち早く対応すると同時に、当社保有の電源制御技術等と組み合わせた複数のリファレンスデザインにより、より安全なUSB PD製品の開発効率のアップに貢献します。
新製品は2016年5月より月産100万個で量産開始を計画しています。サンプル価格は1,000円(税別)/個となっております。
なお、新製品を搭載した各種リファレンスボードも2016年2月より順次提供する計画です。
新製品とリファレンスボードの特長は次のとおりです。
(1) 最新USB PD規格に対応したUSB PDコントローラLSI「μPD720251」
新製品は、最新のUSB PD規格およびUSB Type-C™規格に対応したコントローラLSIで、パッケージに小型の32ピンQFNを採用(TSSOP品等も検討中)。フラッシュROM、オシレータ、パワーオンリセット回路等を内蔵することで外付け部品を大幅に削減しているため、ボードスペースが制限された様々なアプリケーションでも採用可能。これにより、USB PD給電対応システムの安心・安全な構築および開発コスト軽減に貢献する。
(2) 開発期間短縮、設計容易化を実現する「USB PDリファレンスボード」
従来品「μPD720250」のリファレンスボードと同様に、新製品を搭載した受電、給電用の各種ボードをラインアップ。特に当社の電源技術との組み合わせにより、より安全に、お客様の設計を容易にするリファレンスのラインアップを拡充。なお、各種リファレンスボードは、ユーザの既存機器を即日USB PD対応機器として評価が可能。
ルネサスはパートナ企業とのコラボレーションにより、ケーブルやコネクタまで含めた、より安心・安全なトータルソリューションとしてリファレンスボードを提供していく。
ルネサスは今後も“お客様が簡単に早く開発できるように”をコンセプトに、どこよりも安心・安全に使っていただけるUSB PDソリューションを拡充してまいります。
新製品の主な仕様は、別紙(96KB)をご参照ください。
μPD720251の製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/renesas-usb-power-delivery-family/c30-group/r9a02g011.html をご覧ください。
以 上
*本製品はSilicon Storage Technology, Inc.からライセンスを受けた SuperFlash®を使用しています。SuperFlashは、米国Silicon Storage Technology, Inc.の米国、日本などの国における登録商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
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