ご使用のマイコンの製品機能を継承し、機能の拡張を可能にし、それぞれのユーザに最適な機能を、最適なデバイスに実装した、オリジナルマイコンの実現を可能にします。
これによって、ハードウェアとソフトウェアの設計財産を組み合わせた形で保持し、外部環境の変化の影響を最小限に、長期にわたる継続的な使用を可能にすることを期待できます。
H8/H8S/H8SXファミリの、多数のマイコン製品の中で、ニーズの高いものをIPで再現可能にしています。64~144ピンのマイコン製品の機能を実現するなど、さまざまなパッケージを用意しています。

H8/H8S/H8SXオリジナルマイコンのメリット

  1. 最適化
    • 複数マイコンの機能統合や、マイコン外部のユーザ機能の取り込みによる1チップ化が可能であり、部品の共通化や、部品点数の削減ができます。
      製品に依存する機能を、必要個数統合・再利用することが可能です。
    • システムに合わせて、マイコン使用方法を固定することが可能であり、初期設定を不要にし、リセット後から直ちに動作することが可能です。
    • ソフトウェアの処理をハードウェア化することができ、精度を向上することなどが可能です。
    • ピン配置を設定可能であり、ボード設計の容易にしたり、共通化したりすることが可能です。
  2. 資産化
    • ハードウェア(IP)とソフトウェアを組み合わせた形で保持し、再利用や異なるデバイスへのポーティングが容易になります。長期にわたっての使用が可能です。
    • システム毎に、必要な機能を抽出して、サブセットで使用可能です。
  3. 汎用マイコンの資産の活用
    • 汎用マイコンと共通のプログラム開発ツールを利用できます。
    • 汎用マイコン向けに提供されているドライバなど、各種ソフトウェアの活用が可能であり、開発効率を向上できます。
    • 汎用マイコンで開発した既存の設計資産の再利用が可能で、開発品質を維持することができます。
    • アセンブラプログラムであっても、同一または上位互換のプロセッサIPで実行可能です。
画像

既存マイコンの機能継承

CPUと周辺機能を組み合わせて、既存のマイコン製品と同等の機能仕様を実現したパッケージを用意しています。右の図の「実現例」のマイコン機能を容易に実現できます。
タイマなどの内部I/Oレジスタのアドレスやビット配置は互換性があります(レジスタやビットが追加されている場合もあります)。「実現例」のマイコン製品をお使いのほとんどの場合、既存のソフトウェアで、お使いのマイコン機能を再現することができます。シングルチップモード限定にしているなど、一部の仕様に相違があります。
そのほかの製品の機能仕様への改変も可能です。IPやサブシステムの改変のためのガイド「製品仕様対応変更説明書」を提供しています。ROM/RAM容量の増加方法、周辺機能の追加方法、代表的な製品の実現方法などを説明しています。左の図の「改変例」をはじめとして、ご使用のマイコン製品の機能の再現を、より容易にできます。

画像

IPの特長

  • 改変禁止ブロック(命令セットに関する機能など)以外は、改変を行うことができます。
  • 設計説明書などのドキュメントを提供しており、機能の追加などの改変を容易にしています。
  • H8/H8S/H8SXで、周辺機能を共有しており、これらの中で、ほかのパッケージの周辺機能も利用可能です(オプション)。
  • 拡張インタフェースを用意し、周辺機能の増設などを容易にしています。
    この例として、12軸モータ制御パッケージ(アプリケーション・パッケージ)を開発しています。
  • クロックやリセットをIP外部で制御可能にし、この制御方法をガイドラインで定義しています。使用するシステムに合わせた、低消費電力状態の実装などが可能です。
  • FPGAを含めた、さまざまなプロセスに実装した実績があります。一般的に、既存のH8/H8S汎用マイコンより高速に動作します。
  • FPGA実装用設計データ(FPGAマイコン)も提供しています。
  • ライセンス情報に関するQ&Aなどの対応が可能です(オプション)。
  • ルネサスIPライセンスパートナから、コンサルティングやデザインサポートなどのサポートが提供されています。

【注】IPや契約条件に依存します。また、オリジナルのマイコン製品から再設計を行っているため、詳細な実装には相違がある場合があります。

画像
IP Features

拡張インタフェースの提供

H8S/2655対応パッケージでは、サブシステムを拡張し、アプリケーションに合わせて、タイマなどの周辺機能を増設可能にした拡張インタフェースを提供しています。増設した周辺機能も、割り込みコントローラやDTC(データトランスファコントローラ)を利用可能です。H8S/2655対応パッケージ内を変更することなく、周辺機能を必要な個数増設し、複数マイコンの機能を統合することが容易です。

画像
拡張インタフェースの提供