概要
説明
SQMlintは、MISRA C (Note1) ルールに基づいてCソースコードの記述を検査するツールです。 コンパイルと同時に自動で検査が実行でき、コンパイルエラーを修正するように手軽に問題コードの修正ができます。 SQMlintによる自動検査やそのレポート機能は、ソースコードレビューの時間を大幅に削減し、開発効率を高めます。 また、自動車分野に限らず、さまざまな組み込みシステムの品質向上に大変有効です。
本製品はインストール済みのルネサス製CコンパイラにMISRA Cルール検査機能を追加します。本製品単体では動作しません。
Note
[MISRA C について]
- MISRA Cとは、自動車業界が中心になって組織されたソフトウエアの信頼性に関する非営利団体 MISRA (Motor Industry Software Reliability Association) が作成した自動車用ソフトウエア向けのC言語の利用ガイドラインのことです。 このガイドラインには、C言語の記述に関して127種類のルールが定められています。 これらのルールをMISRA Cルールと呼びます。
- "MISRA" and the triangle logo are registered trademarks of HORIBA MIRA Ltd, held on behalf of the MISRA Consortium.
以下コンパイラのprofessional版では、MISRA Cルールチェック機能をコンパイル・オプションでサポートしています。
- RL78ファミリ用コンパイラ (CC-RL)
- RXファミリ用コンパイラ (CC-RX)
- RH850ファミリ用コンパイラ (CC-RH)
別途SQMlint製品を購入せずにMISRA Cルールチェック機能を使用できます。
リリース情報
最新Ver.: V.1.03 Release 00B
リリース: 2010/10/16
バージョンアップ内容(ツールニュース参照)
Note
- 2011年4月1日リリースの 「R8C,M16Cファミリ用C/C++コンパイラパッケージ 2011.04 (発注型名: R0C52100XSW06R)」 には、MISRA Cルールチェッカ SQMlint V.1.03 Release 00C が同梱されていますが、既存バージョンV.1.03 Release 00Bと機能的な違いはありません。
- H8SX,H8S,H8ファミリ用C/C++コンパイラパッケージ V.7.00以降と MISRA C ルールチェッカ SQMlintを組み合わせて使用する場合は、SQMlint V.1.03 Release00A以降を使用してください。
ターゲットデバイス
詳細情報
機能
- コンパイル時のMISRA Cルール検査
- コンパイル時にSQMlintのオプションを指定するだけで、コンパイルと同時にMISRA Cルール検査ができます。 コンパイル時間の約半分以下の時間で検査可能です。コンパイル結果には全く影響を与えません。
- ルネサス製Cコンパイラ固有のオプションに対応
- double型をfloat型として扱うなどの特殊なオプションを使用した場合に、 そのオプションに合わせた動作でCソースコードを検査します。
- ルネサス統合開発環境High-performance Embedded WorkshopおよびTMに対応
- ルネサス統合開発環境上で、出力結果からタグジャンプして、その場でCソースコードを修正することができます。 これによりコンパイルエラーを修正する場合と同じ操作でMISRA Cルール違反を修正できます。
- CSV形式で検査結果を出力(レポートファイル)
- 検査結果はレポートファイルとして表計算ソフトで使用可能なCSV形式に出力できます。まとめや分析に便利です。 また、付属のユーティリティを利用すると、検査結果の解析が一層効率よくできます。
[検査可能なMISRA Cルールの数]
ルール分類 | 検査可能なルールの数(SQMlint対応ルール数/全ルール数) |
---|---|
必要ルール | 67/93 |
推奨ルール | 19/34 |
合計 | 86/127 |
[MISRA C ルール検査項目一覧]
製品パッケージ内容
- MISRA Cルールチェッカ: SQMlint
- SQMlint用検査結果マージユーティリティ: SQMmerger
- SQMlint用検査結果フォーマット変換ユーティリティ: SQMform
- 電子マニュアル
連携ツール(対応Cコンパイラ)
- SuperH RISC engine family C/C++ コンパイラパッケージ V.9.00 Release 00以降
- M3T-CC32R V.4.10 Release 1 以降(M32Rファミリ用C/C++コンパイラパッケージ)
- R32Cシリーズ用Cコンパイラパッケージ V.1.01 Release 00以降
- M3T-NC308WA V.5.10 Release 1 以降 (M32C/80,M16C/80,M16C/70用Cコンパイラパッケージ)
- M3T-NC30WA V.6.00 Release 00 以降 (M16C/60,M16C/50,M16C/30,M16C/20,M16C/10,M16C/Tinyシリーズ,R8Cファミリ用C/C++コンパイラパッケージ)
- M3T-NC30WA V.5.20 Release 1 ~ V.5.45 Release 01 (M16C/60,M16C/50,M16C/30,M16C/20,M16C/10,M16C/Tinyシリーズ,R8Cファミリ用Cコンパイラパッケージ)
- H8SX, H8S, H8ファミリ用 C/C++コンパイラパッケージ V.6.01 Release 00以降
処理フロー
ツールによるMISRA C適合検査について
適合検査は全てのルールについて検査していることを確実にするために、複数のツールや手作業を組み合わせることをMISRA Cの文書で推奨しています。 MISRA Cの適合検査を行うツールとしては、以下のものがあります。
- (株)東陽テクニカ MISRA対応品質保証ツールセット