[重要] 包装は製品を実装して頂くまで製品品質を保持するよう使用材料、構造など種々対策を施しておりますが、過度のストレスに耐えうるものではありません。製品保護の観点から、特に下記の点にご注意のうえ、お取り扱い願います。
物流・保管
- 荷扱いの際には、衝撃を与えないで下さい。投げ下し、落下等で大きな衝撃を与えますと、製品や包装材に不具合が起こります。
- 運搬途中などで、高温環境への放置は避けてください。40℃以上で個装材(トレイ、テープ、マガジン等)が変形、変色することがあります。
- 段ボール箱は、保管場所の湿度、段積み状態及び保管期間などにより、強度劣化が起こり変形することがあります。 保管は常温常湿(25~35℃、45~75%RH)が望ましく先入れ、先出しの原則を励行してください。 尚、段ボール箱は、保管条件により、積段数が極端に異なるため、段数表示は行っておりません。 従いまして、保管条件に合わせた積段数管理が必要です。 保管に関する詳細は、当社「信頼性ハンドブック」を参照願います。
開梱
- 外装箱を開梱する際は、内装の収納方向と関係がありますので、必ず天面から行ってください。
- 個装については静電気防止対策を施してありますが、製品取り出し後は、静電気破壊に十分注意してお取り扱いください。
- 開梱後の製品保護性は、外装箱状態よりも劣りますので、外装箱から出された場合は、細心の注意をお願いします。
- 開梱の際にカッターナイフを使用されますと、防湿袋や個装材(トレイ、テープ、マガジン等)に損傷を与えることがありますので、カッターナイフの使用はご遠慮願います。
防湿梱包
防湿包装品で、防湿袋に「防湿包装に関するご注意」として開封時の取り扱い等が記載されている場合は、記載内容に従って使用願います。 又、防湿袋は穴、傷が生じると防湿機能を維持できなくなりますので、お取り扱いの際には次の内容をご理解頂き、より一層の注意をお願いします。
- 防湿袋は、通常の作業台やコンクリート等の硬い部分に、角(かど)から落下させますと、数cmレベルの高さでも容易に穴が生じることが分かっております。
- 内外装箱状態での落下では、段ボールの緩衝効果により防湿袋状態の落下時より改善が見込めます。従いまして、内外装箱状態でのお取り扱いを推奨いたします。
- 通常作業台には、緩衝効果を有する導電マット等を敷くことにより、袋破れの改善効果が見込めます。
個別包装材
個別包装材の取り扱いにつきましては、当社「信頼性ハンドブック」を参照願います。
ベーク
表面実装パッケージは、吸湿した状態でリフロー実装時の熱ストレスが加わりますと、パッケージの信頼性に影響を及ぼす可能性がありますので、以下の条件でのご使用をお願いいたします。
- 防湿袋開封後は、5~30℃、70%RH以下の環境で、168時間以内に実装願います。
- 湿度インジケータカードが同梱されているものについて、開封時、湿度インジケータの30%検湿部がラベンダー (ピンク)色に変色していた場合、又は上記1項の期限を超えた場合は、「半導体パッケージ実装マニュアル」に記載の条件にてベーク処理をお願い致します。
各個別容器毎のベークにおける留意点
トレイ
トレイには、耐熱仕様と非耐熱仕様があり、耐熱トレイには耐熱温度○○○℃ MAX(例:150℃ MAX)、若しくは「HEAT PROOF」又は「熱」と表示されています。特に具体的な耐熱温度が表示されていない場合は125℃耐熱です。尚、納入仕様書等で個別に指示がない場合に限り125℃で24時間の加熱処理が可能ですが、次の点に留意願います。
- 耐熱トレイでも、加熱、冷却時に変形を生じることがありますので、変形を最小にするため、トレイ材質と類似の平板にのせて、加熱、冷却を行うようにし、急激な加熱、冷却は避けてください。
- 耐熱温度表示は、著しいトレイ変形が発生しない温度ですが、125℃を超えるベーキング処理は、アウトガスによるリード腐食等が懸念されるため、 125℃を超えるベーキング処理は避けてください。
- やむを得ず、125℃を超えるベーキング処理を行う場合は、予め安全性を確認の上、ご利用願います。
- 非耐熱トレイは加熱できません。加熱しますと、出火や有毒発ガスなどの危険を伴うため絶対に避けてください。 ベーキング処理を施す際には、耐熱トレイに移し替えをお願いします。
エンボステープ
テーピング包装品のテープおよびリールは耐熱仕様ではありませんのでベーキング処理は行わないでください。 尚、開封後の許容時間を越えることが予想される場合は、常温の乾燥炉(30%RH以下)での保管を推奨します。
マガジン
マガジンは耐熱仕様ではありません。ベーキング処理を施す際には、耐熱容器に移し替えをお願いします。 尚、マガジンでのベーキング処理は、危険を伴うため絶対に避けてください。
ラベル特例表示(実装条件/開封後保管期限:MSL)
一部の製品ではラベル内に実装条件/MSL等を記号で表記しているものがあります。以下にその内容を示します。
実装条件[T・L・B]表示
各条件の内容を表-1に示します。指定条件(最大)は、T:1項目,L:4項目,B:3項目です。各々項目は左から順に表示し[,(カンマ)]で区切ります。その際、該当する項目がない場合は[-(ハイフン)]で示します。
表-1 実装条件
記号 | 意味 | 事例 |
---|---|---|
T |
Temp リフローピーク温度(℃) |
T:260 ⇒ リフローピーク温度 260℃ |
L |
|
L:25,65,72H ⇒ 開封後保管温度 25℃ 開封後保管湿度 65%RH 保管期限 72時間 その他条件 なし 注:特殊条件がある場合は、(1),(2)の条件下で(3)の期限内または(4)の条件で実装して下さい。 |
B |
|
B:125,10H,- ⇒ ベーク温度 125℃ ベーク時間 10時間 特記事項 なし 注:特殊条件が E または J の場合、(1),(2)は条件がなく、[-(ハイフン)]で表示されます。 |
開封後保管期限:MSL(Moisture Sensitivity Levels)表示
防湿袋開封後の保管期限の内容を表-2に示します。保管期限の表記は,(1)JEDEC-STDに準拠したレベル (2)具体的な保管期限の記号の2通りがあります。
表-2 MSL 環境条件 5~30℃/70%RH以下
表示方式 | レベル/略号 | 期限 | 事例 |
---|---|---|---|
(1) JEDEC-STD準拠 | 2 | 1年 | MSL:3 ⇒ 168時間 |
2a | 4週間 | ||
3 | 168時間 | ||
4 | 72時間 | ||
5 | 48時間 | ||
(2) |
|
|
MSL:10D ⇒ 10日 |