Firmware Integration Technology(以下:FIT)とは、各周辺機能モジュールドライバの組み込みの容易化、及びRXマイコン間の移植性向上を重点とし、RXファミリを使用したソフトウェア開発者のプログラム開発、ソフトウェア資産管理の負担を軽減することを目的とした、まったく新しい概念です。
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FITとは
FITの特長
FITでは、RXファミリ向けに提供するサンプルコード(ミドルウェア、ドライバ)に対し、以下の情報を明確にルール化しています。
- マイコン初期設定
- ターゲットボードの定義方法
- ファイル構成
- 関数名
- ユーザアプリケーションとのインタフェースの共通化
FITでは、これら情報のルール化により、ユーザアプリケーションへ各サンプルコードを容易に組み込むことを可能にしました。また、FITに対応した周辺機能ドライバやミドルウェアは、ユーザアプリケーションとのインタフェースが共通化されているため、現在使用中のRXマイコンから別のRXマイコンへ移行する場合もユーザアプリケーションを容易に移植することができます。
統合開発環境で生成したプロジェクトへの組み込みが容易
グローバルに普及しているオープンソース"Eclipse"をベースとした統合開発環境「e2 studio」は、FITモジュール組み込み用のGUI(プラグイン機能) を搭載しています。この機能によりe2 studioでは生成したプロジェクトへFITモジュールを容易に組み込むことが可能です。また、FITモジュールは CS+にも対応しています。
FITの構成
FITは、Board Support Package(BSP)、周辺機能モジュールおよび、ミドルウェアモジュールで構成されます。
- BSP
マイコンの初期設定、クロック設定、ボード設定などを行うモジュール - 周辺機能モジュール
RXマイコンの周辺機能を制御するドライバ - ミドルウェアモジュール
TCP/IPやファイルシステムなどのミドルウェア
これらを用いることにより、ソフトウェア開発が容易になります。
FITのメリット
1. 周辺機能モジュールの組み込みが容易
Firmware Integration Technology (以下FIT)対応のドライバ、ミドルウェアの場合
FIT対応した周辺機能モジュール、ミドルウェアモジュールは統一したMCU基本設定(BSP)で動作。
従来のドライバ、ミドルウェアの場合
2. RXマイコン間の移行が容易
Firmware Integration Technology (以下FIT)対応のドライバ、ミドルウェアの場合
FITに対応すると周辺ドライバモジュール、ミドルウェアモジュールのAPIが共通仕様となり、マイコンの変更が容易になります。
従来のドライバ、ミドルウェアの場合
従来のFITに対応していないサンプルコードやミドルウェアはAPIが共通でなく、製品の移行の際に工数がかかっていました。
入手方法
FIT対応した周辺機能モジュール、ミドルウェアモジュールは RX Driver Package に同梱されています。RX Driver Package をダウンロードしてください。
デバイス別に対応しているFITモジュールは、FITモジュールリスト( XLSX版 または PDF版 )で確認できます。
FITの導入方法
FITモジュール導入方法の詳細は以下をご参照ください。スマート・コンフィグレータのご使用をお勧めします。
ユーザーズマニュアル
RXスマート・コンフィグレータユーザガイド
- RX スマート・コンフィグレータ ユーザーガイド: CS+編 (PDF | English, 日本語)
- RX スマート・コンフィグレータ ユーザーガイド: e² studio編 (PDF | English, 日本語)
- RX スマート・コンフィグレータ ユーザーガイド: IAREW編 (PDF | English, 日本語)
アプリケーションノート
- RXファミリ ボードサポートパッケージモジュール Firmware Integration Technology Rev.7.51
(PDF | English, 日本語)
ルネサスボードサポートパッケージFIT モジュール(r_bsp)の使用方法、設定方法、ご使用のボードに対応したBSP の作成方法 - RXファミリ 他RX ファミリにFIT プロジェクトをポーティングするガイド Rev.1.00 (PDF | English, 日本語)
- RX ファミリ Firmware Integration Technology モジュールの手動導入方法 (PDF | English, 日本語)
アプリケーション
対応デバイス | 使用するFITモジュール | アプリケーション | 対応するRX Driver Packageのバージョン |
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RX113 | ファイルシステム, USB, LCDC | RX113グループ USB メモリを利用した内蔵フラッシュメモリのプログラム書き換えソリューション RX Driver Package Application Rev.1.02 - Sample Code (ZIP | English, 日本語) | 1.01 |
RX231 | 静電容量式タッチセンサユニット,ファイルシステム, USB | RX231 グループ 静電容量式タッチセンサユニットとUSB メモリを利用した内蔵フラッシュメモリのプログラム書き換えソリューション RX Driver Package Application Rev.1.02 - Sample Code (ZIP | English, 日本語) | 1.01 |
RX64M RX71M | Ethernet, TCP/IP, ファイルシステム, USB, CMT, HTTP | RX64M, RX71Mグループ TCP/IP プロトコルスタックを用いた産業向けネットワークソリューション RX Driver Package Application Rev.1.03 - Sample Code (ZIP | English, 日本語) | 1.02 |
RX64M | Ethernet, TCP/IP, ファイルシステム, PDC, DMAC, SCI, CMT, HTTP | RX64M グループ カメラ活用センサソリューション RX Driver Package Application Rev.1.00 - Sample Code (ZIP | English, 日本語) | 1.00 |
Ethernet, TCP/IP, File System, USB, PDC, SDHI, SSI, ADPCM, JPEG, IIC, DMAC, DTC, SCI, CMT, HTTP | RX64M グループ HMI拡張ボードを使ったカメラ機能/音声再生機能デモンストレーション RX Driver Package Application Rev.1.00 - Sample Code (ZIP | English, 日本語) | 1.00 |