ルネサス エレクトロニクスのデジタル放送受信用 システムLSI「EMMA3TJ」「EMMA3TS」
ルネサス エレクトロニクス株式会社（代表取締役社長：赤尾 泰、以下ルネサス）はこのたび、日本、およびブラジル、アルゼンチン、ベネズエラなどの南米諸国で採用されている地上デジタル放送方式のコンテンツを受信可能なシステムLSIを2品種開発し、それぞれ「EMMATM（エマ、（注））3TJ」、「EMMA3TS」の名称で、本年秋よりサンプル出荷を開始いたします。 新製品は、デジタルテレビ向けのEMMA3TJとセット・トップ・ボックス（以下STB）向けのEMMA3TSの2品種で、（1）日本や南米諸国で採用されている地上デジタル放送方式であるISDB－T、および日本で採用されているBS／CS放送方式の復調回路、（2）MPEG2およびH.264といった映像圧縮規格に対応した復調回路、（3）USB2.0、イーサネットなどの外部インタフェース回路、などデジタル放送の受信に必要な機能を1チップ上に集積しており、デジタル放送対応のテレビやSTBを容易に構築できることが主な特長です。 なかでも、EMMA3TJは3Dテレビの実現に必要な機能を内蔵しており、デジタル放送やブルーレイ・ディスクからの3D映像の表示が可能です。 新製品のサンプル価格は、EMMA3TJ、EMMA3TSともに3，500円／個、本年12月から2製品合計で月産30万個の量産を行う計画です。
地上デジタル放送には北米のATSC、欧州のDVB－Tなど複数の方式があり、日本で採用されているISDB－T方式は近年、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラなどの南米諸国で次々と採用が決定しているため、その市場規模は現在、1億台以上と見込まれております。
新製品は、ルネサスがこれまで培ってきた技術をもとに日本および南米諸国向けに開発されたもので、ISDB－TやISDB－S方式で放送されるコンテンツの受信・表示を実現します。
新製品の主な特長は次の通りです。
（1）ISDB－TおよびISDB－S方式の復調回路を内蔵
日本の他、ブラジルやアルゼンチンなどの南米諸国で採用されている地上デジタル放送方式であるISDB－T方式の復調回路を内蔵。また、日本のBS／CS放送方式であるISDB－S方式の復調回路も内蔵している。これにより、ISDB－TおよびISDB－S方式に対応したテレビやSTBの構築が容易になる。
（2）MPEG2およびH．264に対応
日本の地上デジタル放送で使用されているMPEG2方式、およびMPEG2の2倍の圧縮が可能かつ欧州や南米を含む世界中で幅広く普及が見込まれているH.264方式といった映像圧縮規格に対応した復調回路を1チップに内蔵。これらの規格に準拠して圧縮された映像データの伸張・表示を実現する。
（3）USB2.0、イーサネットなどの外部インタフェース機能を内蔵
USB2.0ホスト・コントローラおよびイーサネットMACを内蔵。これにより、ビデオ・オン・デマンドやストリーミング放送の受信をはじめ、インターネット経由による映像表示などのネット機能を有したテレビやSTBの構築が可能となっている。
（4）ソフトウェアの流用が可能
EMMA3TJとEMMA3TSは回路構成に同一のアーキテクチャを採用しているため、ソフトウェアの互換性が高い。いずれか一方のために構築したソフトウェアをもう一方への流用が容易なため、システムの開発期間の短縮やソフトウェア開発費用の低減が可能であり、製品展開が容易になる。
（5）3D映像データの表示が可能（EMMA3TJのみ）
EMMA3TJはHDMI1.4aで規定されている3Dフォーマットの入力信号の伸張回路など、3Dテレビの実現に必要な機能を内蔵している。これにより、デジタル放送やブルーレイ・ディスクからの3D映像の表示が可能なテレビの構築が可能となっている。
当社は新製品を、日本、および近年、次々と地上デジタル放送の方式がISDB－Tに決まりつつある南米諸国のテレビ、STB、デジタル放送受信モジュールの構築を容易にするものと位置づけ、積極的な拡販活動を進める計画です。
またルネサスは、新製品の市場投入を契機に、今後も続々と南米地域向けの製品開発を推進することにより、南米地域向けのビジネス規模を2013年に100億円程度へ拡大したいと考えております。
新製品の仕様は別紙をご参照下さい。
以 上
（注）EMMAはルネサス エレクトロニクス株式会社の日本、米国及びその他の国における登録商標または商標です。
＊本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
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