革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、衛星コマンド/テレメトリ・システムのサイズ、重量、消費電力(SWaP)を低減するデコーダ内蔵耐放射線32チャネル・ドライバを発表しました。新製品のISL72813SEHはデコーダ、レベル・シフタ、ドライバ・アレイを1個のモノリシックICに集積した業界初の大電流ドライバで、衛星のシステム性能の大幅な向上とソリューション・サイズの最大50パーセント低減を可能にします。最も近い競合製品に比べ4倍の密度のチャネル・カウントを提供するほか、内蔵のレベル・シフタはいくつかの周辺部品を不要にします。
ISL72813SEHドライバはインターシル独自のシリコン・オン・インシュレータ・プロセスを採用しており、重イオン環境でシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)耐性を提供します。内蔵デコーダは衛星のフライト・コンピュータのFPGAやCPUの汎用I/Oに直接インタフェースし、競合の1入力1出力ドライバ・アレイに比べ、ピン数を大幅に削減します。32チャネルのコモン・エミッタ/オープンコレクタ・ドライバ出力の各チャネルが最大42V/600mAのパルス生成を可能にします。ISL72813SEHは冗長管理、メカニズム駆動イネーブル、推進部品リレー/イネーブル、バッテリ・マネジメント、ペイロード・スイッチ制御などの多くの衛星制御機能向けのラッチング・リレー/ソレノイド・コマンディングに対応します。また、コレクタ・エミッタ間飽和電圧レベルが低く、負荷の駆動に必要なオーバーヘッド電圧を低減することにより、お客様の懸念を解消します。さらに、電力効率と高い集積度により、バス上で必要とされる回路数を低減することから、お客様はスペースクラフトの機能と処理能力を向上できます。
Orbital ATK Space Systems Groupのストラテジック・ソーシング担当シニア・ディレクタのJoanne Woestman氏は「インターシルは私たちの技術的な要件に慎重に配慮しており、質量、コスト、消費電力の低減と同時に、クリティカルなサブシステムのサイズ半減を可能にするソリューションを開発しました」と述べました。
インターシルのプレシジョン・プロダクツ担当シニア・バイス・プレジデントのフィリップ・チェスレイは「ISL72813SEHはOrbital ATKなどの宇宙分野のお客様に対し、最新の軍用/商用宇宙機器に必要な集積度と性能を提供します」と述べ、さらに「私たちの耐放射線製品は質量と消費電力の低減を可能にすることから、Orbital ATKの次世代衛星で重要な役割を果たします」と語りました。
- 50krad(Si)の低線量率によるウエハごとの合格検査を実施
- 5ビット入力32チャネル出力デコーダとレベル・シフタ回路を内蔵
- 600mAまでの高いコレクタ電流出力
- 530mAのコレクタ電流時に1.5Vの低いコレクタ・エミッタ間飽和電圧
- -40Vまでの高い電圧出力
- 電源電圧範囲:3~5.5V
- 拡張動作温度範囲:-55~+125℃
- 放射線耐性は高線量率時に100krad(Si)、低線量率時に50krad(Si)
- SEB LETTH(VCE = 33V)耐性は最大86.4MeV•cm2/mg
ISL72813SEHと以下のICとの組み合わせにより、耐放射線性能に優れた完全な衛星コマンド/テレメトリ・シグナル・プロセッシング・ソリューションの設計が可能になります:ISL71841SEH 32チャネル30Vマルチプレクサ、ISL70444SEH / ISL70244SEH / ISL70419SEH / ISL70219ASEH高精度オペアンプ、ISL71090SEH / ISL71091SEH 低ノイズ基準電圧源、ISL70517SEH / ISL70617SEH 差動入力計測アンプ、ISL71590SEH 温度センサ、ISL7202xSEH CANトランシーバ
ISL72813SEH大電流ドライバは44ピンのセラミック・リードレス・チップ・キャリア(CLCC)パッケージで供給が開始されています。デバイスの機能と性能の評価を可能にする評価ボードも提供しています。また、シングル・イベント効果(SEE)と総線量試験レポートも用意しています。ISL72813SEHの詳細はhttp://www.intersil.com/products/isl72813seh をご覧ください。
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