ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、USB高速充電に対応するため、16ビットマイコンでは業界で初めて、USB Battery Charging Specification Revision 1.2(以下USB BC 1.2)準拠のUSBホスト/ファンクション機能を内蔵した「RL78/G1Cグループ」8 品種を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始します。
新製品は、USB BC 1.2準拠のバッテリーチャージング機能搭載により、USBコネクタを利用したバッテリーへの充電時に最大1.5Aを使用可能なため、USB高速充電を実現できます。更に業界最小クラスの低消費電力を特長とする「RL78」コアの採用により、当社従来のUSB2.0対応製品(充電時使用可能電流は最大500mA)に比べUSB動作時の消費電流を約60%低減(注1)しているため、USB高速充電機能を必要とするポータブル機器や、これを充電する給電側アプリケーションでの省電力化が図れます。
新製品の量産は2013年3月から順次開始し、2014年3月には月産100万個を計画しております。
背景
USBはPCとPC周辺機器との間だけでなく、手軽で汎用的なインタフェースとして、近年では スマートフォンアクセサリ、ヘルスケアなどのポータブル機器、AV機器やゲーム機器、および産業機器など様々な分野で広く利用されております。そして USB端子からの充電ニーズが高まっています。しかし、従来のUSB2.0仕様で定義されているUSBポートでは、500mAよりも大きい電流を使用する ことができず、高速充電には対応できませんでした。このため充電時に最大1.5Aを使用可能なUSB BC 1.2仕様への対応が望まれています。
当社では、USB2.0に対応した16ビットマイコンを量産中ですが、このような市場ニーズに対応し、新たにUSB BC 1.2仕様対応の「「RL78/G1Cグループ」」を製品化したものです。なお、「RL78ファミリ」は、既存の「78K」と「R8C」の優れた性 能を継承したルネサス統合マイコンであり、当社ではシステム全体での低電力化やシステム構築にかかるトータルコストの低減に貢献する製品群と位置づけ、積 極的な製品展開を推進しております。今回の「RL78/G1Cグループ」により機器の低消費電力化に貢献できると共に、「RL78ファミリ」としても、 USBバッテリーチャージング機能搭載製品の追加による幅広いラインアップの提供が可能となりました。
特長
「RL78/G1Cグループ」の主な特長は以下の通りです。
(1)業界初のUSB BC 1.2仕様準拠16ビットマイコン製品化により、USB通信をしながら高速充電/給電制御が可能
充電時に最大1.5Aを使用可能な(注2)USB BC 1.2に準拠したバッテリーチャージング機能を持つUSBポートを搭載しています。これにより本製品1つでUSB通信とバッテリー高速充電に対応できるためUSB充電/給電システムの低コスト化が図れます。
(2)「RL78」採用による超低消費電力マイコンを実現
低消費電力と高速演算性能を両立した当社製CPU「RL78」の採用により、USB動作時の消費電流を当社従来品(「R8C/USB」、「78K0R/USB」)と比べ約40~60%削減。(注1)このため機器の省電力化が図れます。
(3)USBホスト機能を搭載し、広範囲なアプリケーションに対応可能
新製品は、Full-Speed/Low-Speed双方に対応したUSBホスト機能をUSBファンクション機能に加え搭載しました。このためUSBメモリをはじめ市販のキーボードやマウスを活用するシステムにも対応可能です。
また、「RL78ファミリ」では初めてUSB機能を内蔵しており、他のRL78マイコンを使用した別システムからの展開も容易化できます。そして、「RL78ファミリ」の豊富な内蔵周辺機能に加え、今回USB機能を取り込んだことにより更に部品点数を削減でき、システムコスト低減および小型化に貢献します。
応用機器としては、スマートフォンアクセサリなどのポータブル機器、ヘルスケア機器(コンティニュア通信(注3)対応機器など)、USB充電機器やAV機 器のアクセサリなどの民生機器、データロガーやファームウェアアップデート更新などの産業機器等の広範囲な用途に適用できます。
新製品のサンプル価格はUSB搭載機能、パッケージの種類・ピン数などによりますが、例えばUSBファンクションを搭載する32ピンLQFPパッケージ(Low Profile Quad Flat Package、7mm角)製品の「R5F10KBCAFP」は、1個あたり250円となっております。
新製品の主な仕様は、別紙をご参照ください。
以 上
(注1)当社既存の「R8C/3xU」、「78K0R/KC3-L」に対して、USBファンクション通信を行った状態で消費電流を比較した場合。
(注2)USBコネクタを利用したバッテリーへの充電は、USBポートのVBUS端子の電流を使用して行います。USB BC 1.2はポータブルデバイスが充電に使用する電流値を制御するために、接続先のポートが充電可能かどうかを検出するメカニズムが定義されており、充電時に最大1.5Aを使用できます。
(注3)コンティニュア通信は、健康機器や医療機器の相互接続を目的として、コンティニュア・ヘルス・アライアンス(Continua Health Alliance)で規定された標準プロトコルです。
http://www.continua.jp/
*新製品は、Silicon Storage Technology ,Inc.からライセンスを受けたSuperFlash®技術を使用しています。
SuperFlash®は、米国 Silicon Storage Technology, Inc.の米国、日本などの国における登録商標です。
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