ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、Arm® コアを搭載する32ビットマイコンRAファミリを拡充し、ローエンドの「RA0」シリーズ第二弾となる「RA0E2」を発売、量産を開始しました。RA0E2は、RA0シリーズと同様、32MHz動作のArm® Cortex®-M23コアを搭載、業界最小クラスの低消費電力、5V対応を実現します。
RA0E2の低消費電力性能は、アクティブモード2.8mA、スリープモードで0.89mA、さらにスタンバイモードの消費電流はわずか0.25µAです。高速オンチップオシレータ(HOCO)を搭載しているためスタンバイモードからの高速起動も可能です。RA0E2は動作温度範囲を-40°C〜125°Cに拡大し、フラッシュメモリは最大128KB(キロバイト)まで増加しました。これらにより、バッテリ駆動の民生用電子機器や小型家電、産業機器、ビルディングオートメーションなどの低消費電力化を実現します。
システムコスト低減のために機能を最適化
RA0E2は、RA0E1と同様、コスト重視のアプリケーション向けに周辺機能を最適化しました。動作電圧が1.6V〜5.5Vと広いため、5Vシステムでのレベルシフタやレギュレータが必要ありません。また、タイマ、シリアル通信、アナログ機能、安全機能、セキュリティ機能を搭載しているため、BOMコストを低減します。さらに、内蔵のHOCOは±1.0%の高精度のため、外部オシレータを使用せずに通信のボーレート精度を維持できます。このHOCOはRA0E2の広い動作温度範囲-40℃~125℃の環境下でもその高精度を維持するため、リフロー工程後であっても、時間とコストのかかるトリミング(精度調整)作業を回避することができます。また、RA0E2は5mm × 5mmの小型32ピンQFNパッケージもラインアップしているため、実装面積の削減が可能です。
ルネサスのエンベデッドプロセッシング事業部、事業部長のDaryl Khooは、次のように述べています。「RA0シリーズには予想以上の良い反響を得ており、RA0E2は好評の超低消費電力と優れたコストパフォーマンスを継承しています。動作温度範囲の拡大とメモリ容量の増加により、さらに多くのアプリケーションや用途に対応できるようになります。今後もRA0シリーズを拡充し、8〜16ビットマイコンから32ビットマイコンへの移行を検討しているお客様に最適なソリューションを提供していきます。」
RA0E2グループの主な特長
- CPU: 動作周波数32MHzのArm Cortex-M23
- メモリ:最大128KBのコードフラッシュメモリと16KBのSRAM
- 動作温度範囲: -40°C〜125°C
- タイマ:タイマアレイユニット(16ビット × 8チャネル)、32ビットインターバルタイマ(8ビット × 4チャネル)、リアルタイムクロック(RTC)
- 通信:UART×3、非同期式UART×2、簡易型SPI×6、I2C×2、簡易型I2C×6
- アナログ:12ビットA/Dコンバータ、温度センサ、内部基準電圧
- 安全:SRAMパリティチェック、不正メモリアクセス検出、周波数検出、A/Dテスト、出力レベル検出、CRC演算機能、レジスタ書き込み保護
- セキュリティ:ユニークID、TRNG(真性乱数生成器)、AESライブラリ、フラッシュリードプロテクション
- パッケージ:32/48ピンQFN、32/48/64ピンLQFP
RA0E2は、ルネサスのFlexible Software Package(FSP)を利用できます。FSPは、さまざまなRTOSやBSP(Board Support Package)、周辺ドライバ、ミドルウェア、コネクティビティ、ネットワーク、セキュリティスタックなどの基本ソフトウェアに加え、複雑なAI、モータ制御、クラウドのソリューションを構築するためのリファレンスソフトウェアなどを提供することで、迅速なアプリケーション開発を可能にします。ユーザは独自のソフトウェアコードや所望のリアルタイムOSをFSPに統合することができるため、アプリケーション開発の柔軟性を高めることができます。RA0E2はRA0E1と互換性があるため、FSPを使用することでRA0E1のソフトウェア資産もRA0E2へ容易に移行することができます。
RA0E2および開発ボードなどの詳細はrenesas.com/RA0E2をご覧ください。
以 上
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