~ 世界の工場用装置メーカ等向けに幅広く販売 ~
2011年11月21日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、工場内ネットワークとして普及が進む産業用イーサネット向けに、その通信規格の1つ「PROFINET」(プロフィネット)に対応した入出力制御装置用の1チップLSIである PROFINET IOデバイスチップ「TPS-1」を当社が製造し、販売することに関するライセンス契約を、KW-Software社(Phoenix Contact Groupの100%子会社、以下KW社)と締結しました。

 本契約に伴い、当社では本日より「TPS-1」のサンプル出荷を行なうと共に、システム開発サポート用に「TPS-1」スターターキット(開発ボード)を提供します。そしてKW社は、オートメーションシステムとソフトウェア(プログラム)開発における高い技術をもとにシステム開発のサポートを行ないます。

 「TPS-1」は、ドイツの先進的な産業機器ベンダであるSiemensとPhoenix Contact Groupが共同開発し、産業用イーサネット「PROFINET」に対応した工場や装置のネットワーク通信を実現可能にするPROFINET IOデバイス用高集積チップです。「PROFINET」は、SiemensとPhoenix Contact Groupを含む1,400以上の世界中のメンバが加入するPROFIBUS & PROFINET International(PI:国際プロフィバス協会)が推進する次世代の産業用イーサネットのプロトコル(以下、通信規格)です。

 また、KW社は、IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)が定めるオートメーション分野の規格IEC61131に基づく制御、安全、通信技術におけるソリューションとテクノロジーを提供する先進的で国際的なサプライヤです。「TPS-1」の再販権を持っており、今回当社に製造・販売に関するライセンス供与を行なったものです。

 今回の契約締結によりルネサスは、「TPS-1」の製造および、当社が保有するグローバルな販売チャネルを通じ、世界各地の工場用装置メーカなどに「TPS-1」、およびスターターキットを販売でき、「PROFINET」準拠した装置の普及促進に貢献します。

 契約に基づきルネサスが販売する「TPS-1」は、以下の3つの特長を持つイーサネットをベースにした工場内ネットワーク用のLSIです。

イーサネットをベースにした工場内ネットワークの特長

(1)統合IRT(リアルタイム通信規格)対応スイッチおよび複数のPHY(物理層)を搭載した2つのイーサーネット接続ポートを有する。

(2)RT(リアルタイム通信規格)とIRTのサポート、コンフォーマンスクラスC対応のPROFINET産業用プロトコルを内蔵する。

(3)外部RAM(メモリ)不要(システムレベルのコスト低減が可能)

「TPS-1」の特長

 特に、「TPS-1」は「PROFINET」プロトコルとクラス最高のリアルタイム性能を実現する「PROFINET IRT」をサポートしています。さらに、「TPS-1」は、「PROFIBUS」と「INTERBUS」の産業用プロトコルをサポートしている既存の機器を変更するためのハードルを下げるために、以前のプロトコルと同等のコストを維持し、部品のコストを含む、デバイスのコンセプトに基づいて開発されています。

 具体的には、必要なメモリを内蔵して外付けの部品点数を減らすなどの工夫をしています。したがって、TPS-1は、コンパクトなリモートIO装置、ドライブ、その他の産業の周辺機器などのアプリケーションに最適です。また、スターターキットにより、こうしたアプリケーションのシステムに「TPS-1」を迅速、かつ容易に実装することができます。

 「TPS-1」の主な仕様は、別紙をご参照下さい。

価格と販売時期

 「TPS-1」の販売時期としましては、2012年第2四半期から欧州、米国、日本での同時販売を計画しております。サンプル価格は19EURO、日本円に換算して約2,100円を予定しております。

以 上

*本リリース内で言及された製品名、サービス名はそれぞれの所有者の商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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