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大容量・高速性と低消費電力を両立させたネットワーク機器向けメモリを発売

~100ギガビット・イーサネット以降の次世代スイッチ、ルーター機器向け~

2010年9月7日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、次世代のイーサネット規格である100ギガビット・イーサネット(100GbE)以降のスイッチ、ルーターをはじめとするネットワーク機器に向けて、大容量・高速かつ低消費電力なメモリ4製品を開発し、それぞれ「μPD48011318」、「μPD48011336」、「μPD48011418」、「μPD48011436」の名称で本日よりサンプル出荷を開始しました。

 新製品は、当社従来品である288メガビット(Mb) Low Latency DRAM「μPD48288236」と比べ、メモリ容量を4倍に大容量化し、データを高速に読み書きするランダムサイクル性能を30%以上向上させ、さらに動作周波数を2倍に高速化したにも関わらず、消費電力は従来品と同等に抑えられているのが最大の特長となっております。新製品の採用により、メモリの消費電力を抑制できるのでエコ社会に貢献することができるほか、システム設計における放熱問題の解決が容易になります。

 新製品のサンプル価格は15,000円、2011年4月から量産を開始し、2012年には年間100万個の生産を計画しております。

 近年、多種多様な携帯情報端末や高性能なデジタルカメラおよびインターネットが普及するにつれて、ネットワークを介して大容量の音楽データや動画データを手軽にやりとりできるようになったことから、ネットワークのトラフィック量は急激な増加を続けております。このトラフィックをスムーズに処理するために、ネットワーク上のスイッチやルーターといったネットワーク機器が単位時間当たりに処理しなければならないデータ量は飛躍的に増大しています。

 そこで、ネットワーク機器内でこれらのデータを一時的に蓄えておくバッファメモリや、データ転送先を振り分けるためのテーブルメモリにも、大容量化・高速化が求められるようになってまいりました。また、地球規模でのエコ社会の実現に向けて、ネットワーク機器の低消費電力化が重視されており、これらの機器に搭載されるメモリにも低消費電力化ニーズが高まっております。

 ルネサスはこのようなニーズに応えるため、当社独自のプロセス/回路技術を駆使することにより、このたび大容量・高速でありながら低消費電力を達成するメモリを製品化いたしました。

 新製品の特長は、以下の通りです。

(1)40ナノメートル(nm) eDRAM技術の採用による、大容量・高速かつ低消費電力の実現

 当社独自の40nmプロセスによるeDRAM技術を採用するとともに、高速メモリ製品の開発を通じて培ってきた回路技術を駆使している。これにより、当社従来品と比較して、メモリ容量を1.1ギガビット(Gb)と4倍に大容量化するとともに、データを高速に読み書きするランダムサイクル性能を13.3ナノ秒(ns)と30%以上向上させ、さらに最大動作周波数を800メガヘルツ(MHz)と2倍に高速化しながら、消費電力は2ワット(W)と従来品と同等に抑えられている。

(2) 高信頼性を確保した高速インタフェース

 新製品は従来品と比べて動作周波数を400MHzから800MHzへ向上させている。これに伴って36ビットのデータ入出力を800MHzのDDR(Double Data Rate)インタフェースで安定動作させるために、入出力回路の低電圧化およびグラフィックメモリなどで実績のあるハイサイド・ターミネーションを採用し、動作を安定化させている。また、動作中の周囲温度等の変動を動的に補償するように改良し、入力信号端子の終端素子をチップに内蔵したオン・ダイ・ターミネーションに加え、データ出力時のノイズを低減するデータ・インバーション機能、セットメーカー側で入出力端子ごとの信号出力タイミングのずれを調整できるパー・ビット・デスキュー機能、プリント基板への両面実装時の配線長を容易にコントロールできるミラーリング機能などにより、動作の信頼性を確保している。

(3)従来品と同一構造、同等サイズのパッケージを採用

 動作周波数の向上により、11ミリメートル(mm)×18.5mmである当社従来品と同一構造のパッケージに、電源ピン数を38本強化しながらも、14mm×18.5mmサイズのパッケージを実現している。業界にてすでに高い信頼性が確立されているパッケージを採用することになるため、新製品を購入したユーザーは、プリント基板の設計における信頼性や電気特性上のリスクを低減することができる。

 当社は、本年4月1日、NECエレクトロニクス株式会社と株式会社ルネサス テクノロジの経営統合により発足いたしました。この統合により、当社はネットワーク用メモリとして一般的なQDR SRAM、Low Latency DRAM、TCAM(Ternary Content Addressable Memory)を単独で提供可能な半導体メーカーとなりました。今後も最先端の技術により、ネットワーク機器市場のニーズを満たすメモリの開発を続けてまいります。

 また当社は、新製品を、今後ますます高性能化が求められるスイッチやルーター等のネットワーク機器の高性能かつ省電力化に貢献するものと位置づけ、世界中に向けて拡販活動を推進してまいります。

新製品の仕様は別紙をご参照下さい。

新製品の詳細情報はこちらをご参照下さい。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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