ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、ネットワーク機器向けの高速メモリとして576Mb(メガビット)Low Latency DRAM 5品種を開発し、「μPD48576109」、「μPD48576118」、「μPD48576209」、「μPD48576218」、 「μPD48576236」の名称で、本日よりサンプル出荷を開始しました。
新製品は、当社従来品である288Mb Low Latency DRAM「μPD48288236」と比べ、メモリ容量を2倍に大容量化し、データを高速に読み書きするランダムサイクル性能を25%向上させ、さらに最大動作周波数を33%高速化したにも関わらず、消費電力は従来品より10%以上削減していることが最大の特長となっております。
新製品の採用により、従来品と比べて単位メモリ容量あたりの消費電力を大幅に抑制できるので省エネに貢献できるほか、ネットワーク機器の設計における放熱問題の解決が容易になります。
新製品のサンプル価格は5,000円、2011年後半から量産を開始し、2012年には5品種合計で年間200万個以上の生産を計画しております。
ブロードバンドネットワークの普及とクラウドコンピューティング化の進展に伴い、ネットワークを介した大容量のデータのやりとりが一般化してきているため、そのトラフィック量は急激に増加しています。このトラフィックをスムーズに処理するため、また省エネ意識の高まりによる低消費電力化の実現に向けて、スイッチやルータなどのネットワーク機器において大容量・高速・低消費電力のメモリが求められておりました。
新製品はこのようなニーズに応えるために開発したもので、特長の詳細は以下のとおりです。
(1)大容量・高速かつ低消費電力を実現
これまでに当社が高速メモリ製品の開発を通じて培ってきた高速センスアンプ技術・低パワーメモリ技術を駆使するとともに、動作時に活性化するメモリアレイ領域を最小限に留めるメモリ制御方式を採用したことにより、当社従来品と比べてデータ読み書きの高速化および大幅な消費電力削減を実現。これにより、当社従来品と比較して、メモリ容量を288Mbから576Mbへ2倍に大容量化するとともに、データを高速に読み書きするランダムサイクル性能を20ns(ナノ秒)から15nsへ25%向上させている。また最大動作周波数を400MHz(メガヘルツ)から533MHzへ33%高速化しながらも消費電力は従来品よりも10%以上削減。
(2)従来品と同一パッケージの採用により開発期間短縮が可能
メモリ容量を2倍に大容量化したにもかかわらず、11ミリメートル(mm)×18.5mmである当社従来品と同一パッケージにチップを封入している。多くの採用実績を有し、高い信頼性が確立されているパッケージを採用することになるため、プリント基板の設計を大きく変更することなく、メモリの大容量化・高速化によるシステム性能の向上を実現することができ、かつ、信頼性や電気特性上のリスクを低減することができる。
ルネサスは、ネットワーク機器向けのメモリとして一般的なQDR SRAM、Low Latency DRAM、TCAM(Ternary Content Addressable Memory)を提供できる世界唯一のメーカーです。現在18Mbから72MbまでのQDR SRAM、TCAMに加えて288Mbおよび1.1Gb(ギガビット)Low Latency DRAMなどの製品を展開しておりますが、このたび、576Mb Low Latency DRAMを市場に投入することで、ネットワーク機器向けメモリ製品のラインアップをより一層拡充いたします。
当社は、新製品を、今後ますます高性能化が求められるスイッチやルータをはじめとするネットワーク機器の高性能化かつ省電力化に貢献するものと位置づけ、世界中に向けて拡販活動を推進いたします。
またルネサスは、世界No.1の品揃えを目指して今後も最先端の技術によりネットワーク機器市場のニーズを満たすメモリの開発を続け、ネットワークメモリにおいて2009年度に世界No.1である40%のシェアを2012年度には60%へ拡大する計画です。
新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。
以 上
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