~-40~105℃に対応したことにより、エッジコンピューティングや車載用途にDIMMを活用可能~
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、業界で初めて産業グレードの動作温度範囲に対応したDDR5およびDDR4向けレジスタードクロックドライバ(RCD)「5RCD0148H(DDR5)」「4RCD0232K(DDR4)」を発売しました。新製品により、現在の主なDIMM(Dual Inline Memory Modules)の応用分野であるハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)から、今後エッジコンピューティング、車載、インダストリ4.0、5Gアプリケーションなど、要件が厳しい産業用途にも先進のDDR5/DDR4用DIMMの活用範囲を広げることができます。
従来、民生グレードのRCDは、0℃から70℃の動作温度に対応しています。今回、新製品は-40℃の低温から最大105℃の高温までの動作範囲をサポートします。新製品は、DDR5では最大5200 MT/秒(メガトランスファ/秒)、DDR4では最大3200MT/秒の転送速度に対応。チャネルスピードを2倍に増強し、レイテンシが低く優れた電源管理のRCDにより、既存のDDR4用途では広い温度範囲により信頼性の向上を実現するとともに、今後の新たなDDR5用途としてDIMMをプリント基板上に物理的にはんだ付けするような組み込み用途への応用も可能になります。
ルネサスのデータセンタ事業部のVice PresidentであるRami Sethiは次のように述べています。「従来の演算と通信を組み合わせたインテリジェントエッジや新たなO-RAN(Open Radio Access Network)のような成長分野では、ネットワークエッジでの過酷な環境に耐えられるサーバコンポーネントが必要となります。ルネサスは、パートナと協力して、このような新市場の成長に寄与する、より広範な温度範囲で確実に動作するRCD製品を開発するべく取り組んでいます。」
マイクロンのCore Compute事業部のVice President兼General ManagerのMalcolm Humphrey氏は次のように述べています。「広範な温度範囲で確実に動作し、厳しい環境条件にも耐えうる幅広い製品を提供するためには、メモリ分野のエコシステムが緊密に連携して取り組まなくてはなりません。マイクロンは、ルネサスをはじめとするパートナとの協業により、インテリジェントエッジにおける次世代メモリのための新たな市場を開拓しようとしています。」
ルネサスの産業グレードの動作温度対応メモリインタフェース製品は、タイミング、パワー、5G RF、ベースバンドなどの補完的なルネサス製品と組み合わせることで、無線アクセスやエッジコンピューティングなど様々な用途に向けた包括的なソリューションを構築することができます。ルネサスの「ウィニング・コンビネーション」は、ユーザがより短期間で設計し、より早く市場投入できるよう、動作確認済みのソリューションです。ルネサスでは250種以上のウィニング・コンビネーションを用意しています。詳しくはrenesas.com/winをご覧ください。
ルネサスは、業界で最も長きに渡ってメモリインタフェース製品を提供してきたサプライヤのひとつであり、DIMMの誕生以来、包括的なチップセットソリューションを提供してきました。今回新たに加わった産業グレードの動作温度範囲に対応したDDR5向け RCDは、パワーマネジメントICのP8900、SPDハブのSPD5118、温度センサのTS5111など、他のルネサス製コンポーネントとシームレスに動作するよう最適化されています。同様にDDR4向けRCDは、温度センサのTSE2004と連携する設計となっています。ルネサスのチップセットソリューションを導入するメモリベンダには、完全な相互動作性と確かな品質を保証します。
産業グレードの動作温度範囲に対応したRCDの詳細はこちらからご覧ください。
DDR5用5RCD0148H
DDR4用4RCD0232K
以 上
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