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産業ネットワーク用通信プロセッサ「RZ/N1」のソリューションキットを拡充

~OSやソフトウェアPLCなどソフトウェアを拡張し、産業用イーサネット対応アプリケーションの開発を、より簡単にスピーディーに~

2017年11月29日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)はこのたび、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)や、ネットワークスイッチ、ゲートウェイ、リモートI/Oなどの産業ネットワーク機器の開発を支援するため、産業ネットワーク用通信プロセッサ「RZ/N1D」および「RZ/N1S」対応のソリューションキットをアップデートしました。ソリューションキットは、EtherCAT®、EtherNet/IP™、ETHERNET Powerlink®、PROFINET®、Sercos®、CANopen®など、先進の産業用ネットワークに対応する機器の開発を、早期に実現するためのハードウェアとソフトウェアから構成されています。今回、このキットのOS(Operating System)やソフトウェアPLCなどのソフトウェアを拡張したことで、より簡単にスピーディーにアプリケーションを開発することが可能になりました。

 ソリューションキットとしては、日本国内では、すでにRZ/N1D用ソリューションキットを提供しており、ソフトウェアの拡張とRZ/N1Sへの対応を行った新ソリューションキットを、2018年1月より提供開始します。

 新しいキットには、CPUボードのほか、ドライバ、ミドルウェア、サンプルプロトコルスタック、U-BootとLinuxベースのBSP(Board Support Package)、プロセッサ内のCPU間通信ソフトウェア、さらには端子設定の複雑さを解消する初期設定コードの生成が可能な使いやすいPinMuxingツールなど、包括的なソフトウェアパッケージを含んでいます。さまざまなソフトウェアとサンプルコードにより、ユーザは追加の初期費用なしに、手軽に製品開発のためのツールとフレームワークを使用することができます。このキットにより、ユーザは新規に産業ネットワークプロトコルを導入する際の開発期間を約6か月短縮することができます。

 本ソリューションキットの主な特長は以下の通りです。

(1) 様々なOSへの対応により開発の柔軟性が向上

 OSは、Linuxに加え、今回RTOS(Real Time OS)のThreadX®にも対応し、ユーザはアプリケーションによって最適なOSを選択できます。さらに、これらのOSはRZ/N1の産業用イーサネットプロトコルもサポートします。ルネサスは、この他のOSもユーザの要望に応えるため、開発を行っています。

  1. Linuxは、巨大なコミュニティを持ち、分野を問わず様々なアプリケーションに使用されているOSです。YoctoベースのLinux開発のために、ルネサスは、LinuxをビルドするためのYoctoレシピ、U-Boot、およびルートファイルシステムを提供します。GUI開発フレームワークのキュート(Qt)のAPIセットを使用できるため、RZ/N1以外のデバイスで開発されたGUIアプリケーションをRZ/N1に移植することもできます。
  2. ThreadXは、組み込みシステム用、リアルタイムシステム用、およびIoTアプリケーション用に向けて設計されたExpress Logic社の高度なリアルタイムOS(RTOS)です。小さなフットプリントで高度なスケジューリング、通信、同期、タイマ、メモリ管理、割り込み管理機能を提供します。
     

(2) CODESYS®によるIEC61131-3 対応PLCプログラミングが可能に

 新しいソリューションキットはCODESYSに対応しました。CODESYSは、PLCアプリケーションをプログラミングするための、IEC 61131-3準拠の統合開発環境およびランタイムソフトウェアです。EtherCAT、EtherNet/IP、Sercos、CANopen、およびPROFINET用の産業イーサネットマスタースタックをサポートしています。さらに、RZ/N1に搭載されたLCDコントローラ向けに、CODESYSのターゲットビジュアライゼーションツールを利用することができ、グラフィカルな画面を伴った機器の開発が可能です。今回CODESYSに対応したことにより、RZ/N1グループをスレーブ機器のみならず、上位のマスター機器にも使用可能です。

 ルネサスは、本年11月29日から12月1日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるオートメーションと計測の先端技術総合展「システムコントロールフェア(SCF)2017」に出展(西4ホールブースNo.4-88)し、本ソリューションキットのデモ展示を行います。

 また、ルネサスはエンドポイントのインテリジェンス化を推し進めるためのe-AIを提唱しており、産業ネットワークの技術開発とともに、工場の生産効率の向上を図るソリューションの提供を通して、今後もスマート社会の実現に貢献してまいります。

以 上

*  EtherCATは、ドイツBeckhoff Automation GmbHによりライセンスされた特許取得済み技術であり登録商標です。PROFINETは、PROFIBUSおよびPROFINET International (PI)の登録商標です。Sercosは、SERCOS International e.Vの商標です。CANopenはCAN in Automation e.V.の登録商標です。EtherNet/IPはODVAの商標です。ETHERNET Powerlinkは、ETHERNET Powerlink Standardization Groupの登録商標です。Linuxは、米国及びその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標または商標です。ThreadXは、Express Logic社の登録商標または商標です。CODESYSは、3S-Smart Software Solutions社の登録商標または商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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