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第3世代RXコアを搭載した第一弾製品、産業、家電、ロボットなどのモータ制御に最適な32ビットマイコン「RX66T」グループを発売

~演算性能の飛躍的向上により、システム統合や、組み込みAIによるモータの故障予測も可能に~

2018年11月27日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、32ビットCPUコア、RXの第3世代となる「RXv3」を搭載した第一弾製品として、産業用モータ、エアコン、洗濯機、パワーコンディショナ、ロボットなどのインバータ制御に適した、32ビットマイコン「RX66T」グループを発売します。新製品は、産業・民生のインバータ制御用に高い実績を誇るRX62T/RX63Tの後継品で、新たにRXv3コアを搭載したことにより演算性能(注1)は2.5倍と、飛躍的に向上しました。ノイズに強い5V対応のマイコンとしては業界トップクラスの160MHz動作時、928Coremark(注2)の高性能を実現しており、より高精度なインバータ制御が可能です。また新製品は、最大4モータの同時制御を可能にしており、従来のモータ制御機器に加えて、近年広がりを見せている小型産業ロボットやパーソナルロボットに代表される多軸モータ制御を必要とするアプリケーションにも最適です。さらに、この高性能化により余裕が出来た処理能力を利用して、「組み込みAI(Embedded AI: e-AI)」によるモータの異常検知プログラムを追加することも可能です。モータの電流や振動などからリアルタイムにモータの異常が検知できるようにより、モータの故障予測や故障場所の特定が可能となるため、RX66Tの1チップで生産性や安全性、品質など付加価値の向上が実現します。

 新製品のラインアップは、端子数が64ピン~144ピン、内蔵フラッシュメモリサイズが 256KB~1024KB(キロバイト)の計80品種です。本日より、最も主流となる100ピンパッケージ、プログラムフラッシュ256KBまたは512KB、SRAM64KBメモリ品の量産出荷を開始し、順次提供を拡大してまいります。同製品の参考価格は10,000個一括購入の場合、3.25米ドル/個(税抜き)です。

 ルネサスは、この新ソリューションを使ったデモンストレーションを、2018年11月27日~29日にドイツのニュルンベルクで開催されるSPS IPC Drives 2018において、ブース130(ホール10.1)で展示します。

 ルネサスのインダストリアルソリューション事業本部 IAソリューション事業部の事業部長、傳田 明は、次のように述べています。「産業や家電機器は、AI技術の発達により画期的に進化している真っただ中と言えるでしょう。ルネサスは、今回のRX66Tの発売を契機に、エンドポイントをe-AIでリアルタイムにインテリジェント化する取り組みをさらに加速し、工場の生産効率向上や家電のスマート化を強力に推進します。」

 昨今、様々な機器がネットワークに接続されるようになり、製品出荷後にフィールドでのファームウェアアップデートの必要性がモータ機器でも増しています。e-AIを活用した予兆診断では、クラウド上で行った学習結果をエンドポイントのマイコンに反映し、アップデートを行う必要がありますが、この時、最も重要なことはデータ更新を安全に行うことです。RX66Tは、CAVP認証(注3)を取得した実績のある暗号エンジンやトラステッドセキュアIP(TSIP)を搭載し、製品出荷後のファームウェアのアップデートや暗号通信を安全に実現することを可能にしました。

「RX66T」グループの主な特長は次の通りです。

  • 動作周波数最大160MHz、928Coremark、FPU(浮動小数点演算ユニット)内蔵、5V電源対応でインバータ制御に最適
  • 最大120MHzの読み出し動作が可能な高速フラッシュメモリ搭載により、CPUとの速度差を低減し、高性能かつ性能バラツキの少ない実行環境を実現
  • 3相相補PWM(Pulse Width Modulation)を、112ピンと144ピンパッケージ品で最大4モータ分、64ピンと80ピン、100ピンパッケージ品は最大3モータ分の出力が可能。部品点数の削減や小型化を実現
  • ECC (Error Correction Code)誤り訂正機能付きSRAMを16KB、かつ全領域1サイクルで1ビット誤り検出(パリティチェック)が可能なSRAMを最大128KB搭載により、高い信頼性を確保
  • パワーコンディショナやディジタル電源制御で必要とされる高分解能PWMとして、従来の1.6倍となる最小195ps(ピコセカンド)でPWM信号のタイミング調整が可能
  • CAVP認証取得実績のあるトラステッドセキュアIP搭載により、セキュアなファームウェアアップデートおよび暗号化通信を実現
  • 20kHz周期のリアルタイムデバッグを可能にし、10種の新機能を追加したRenesas Motor Workbench 2.0を同時リリース
  • 「24Vモータ制御評価キット」に対応したRX66TのCPUカードを提供開始

RX66Tの詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/products/microcontrollers-microprocessors/rx/rx600/rx66t.html

ルネサスのモータ制御ソリューションについては、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/solutions/proposal/motor-control.html

ルネサスの組み込みにAIの導入可能にする「e-AIソリューション」については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/solutions/key-technology/e-ai.html

ルネサスのモータ制御開発支援ツール Renesas Motor Workbenchについては、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/jp/ja/software/D3017783.html

以 上

(注1)ルネサス製ベクトル制御プログラムのCPU演算において、従来製品(RX62T/RX63T 100MHz)とRX66T(160MHz)を比較し2.5倍の性能

(注2)Coremark:米EEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)がCPUコアの評価に特化したベンチマーク・テスト。データの読み出しや書き込み、整数演算、制御演算などを実行させるC言語プログラム群のこと。動作周波数当たりの性能数値は、RXファミリ用C/C++コンパイラ CC-RX V3によるスコア

(注3)CAVP(Cryptographic Algorithm Validation Program)認証: アメリカ国立標準技術研究所(NIST)による、暗号アルゴリズムが正しく実装されていることの認証

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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