ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、Arm®コア搭載の32ビットマイコンRAファミリを拡充し、RA4シリーズとして新たに「RA4M2グループ」を発売、量産を開始しました。RA4M2は、性能と低消費電力、セキュリティ機能などバランスの取れた組み合わせを実現しており、幅広い産業およびIoTアプリケーションに適しています。RA4M2は、同じくArm Cortex-M33コアを搭載する既発売のRA6M4やRA4M3と比較して、メモリやピン数、周辺機能をコスト要求の厳しい用途向けに最適化を図り、さらに最も低い消費電力を実現しました。
RA4M2は、電力効率に優れており、アクティブモードでの動作電流が80µA/MHz、スタンバイモードでは0.7mAの低消費電力を実現し、スタンバイ時からの復帰時間は30µsと高速です。そのため、間欠動作で長時間駆動するIoTアプリケーションに最適です。
RA4M2は、Armv8-MアーキテクチャをベースとしたArm Cortex®-M33コアを搭載しており、最大動作周波数は100MHz。Arm TrustZone®テクノロジと、ルネサス独自の暗号エンジンSecure Crypto Engineを組み合わせた強固なセキュリティ機能を搭載しています。Secure Crypto Engineは、複数の対称・非対称暗号アクセラレータ、高度な鍵の管理、セキュリティライフサイクル管理、改ざん検知、およびサイドチャネル攻撃への強い耐性など、優れたセキュリティ機能を実現します。これにより、RA4M2は、産業機器やHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)機器、メータなど、多様なIoTアプリケーション用途に向けて、低消費電力化と、セキュアな機器開発を実現します。
ルネサスのIoT・インフラ事業本部MCUユニット担当の執行役員であるRoger Wendelkenは次のように述べています。「RA4M2グループは、高性能で強固なセキュリティ機能を兼ね備え、電力効率にも優れているため、低消費電力が要求されるIoTアプリケーションに最適です。ルネサスは、RAファミリの拡充を通して世界で最も優れたマイコンサプライヤであることを証明していきたいと考えています。」
RA4M2グループの主な特長
- 最大動作周波数100MHzのArm Cortex-M33を搭載、TrustZoneテクノロジに対応
- 動作時消費電流80µA/MHz、スタンバイモードで0.7mAの低消費電力、スタンバイ復帰時間30µs
- ルネサス独自の暗号エンジンSecure Crypto Engineを搭載した強固なセキュリティ機能
- 48ピンから100ピンのLQFPパッケージと、48ピンQFNパッケージを用意
- 最大512KB(キロバイト)のフラッシュメモリ、128KB のSRAMを搭載
- 静電容量式タッチセンシングユニット搭載
- 12ビットA/Dコンバータ搭載
- Quad SPIおよびSDHIメモリインタフェース、USB2.0フルスピードおよびCAN搭載
RA4M2を使用した機器の開発には、他のRAファミリと同様、ルネサスが提供するFlexible Software Package (FSP)を用いることができます。FSPには高性能かつ省メモリのドライバや、ミドルウェア、リアルタイムOSが含まれています。ユーザはこのFSPと組み合せて、従来のソフトウェアコード資産を再利用したり、Armの広範なエコシステムパートナのソフトウェアと柔軟に組み合わせて使用することが可能です。これにより、例えばコネクティビティやセキュリティに代表される複雑な機能も短期間で実装することができます。
また、ルネサスは、ユーザの開発を加速させるため、RA4M2とアナログ、パワー製品を最適に組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を順次リリースします。RA4M1を活用したスマートIoT空気清浄機や、RA2L1を活用した産業用CANセンサネットワークなど、すでに200以上のソリューションを提案しています。
RA4M2の詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/ra4m2
以 上
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