~RAファミリ、Renesas Synergyプラットフォーム、RXファミリがAzure RTOSをサポート~

2021年6月15日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、ルネサスの32ビットマイコンで設計するユーザが、マイクロソフトの強力なAzure IoTミドルウェアを含む組み込み開発スイート「Azure RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)」を活用できるようになったことを発表します。

  • RAファミリ用フレキシブルソフトウェアパッケージ(FSP)バージョン3.0を2021年4月にリリースし、FreeRTOSに加えてAzure RTOSに対応
  • Renesas Synergy™プラットフォームのSynergyソフトウェアパッケージ(SSP)バージョン2.0を2021年5月にリリースし、従来のThreadXをアップデートしたAzure RTOSに対応
  • RXファミリ向けには、統合開発環境e2 StudioのプラグインツールであるRXスマートコンフィギュレータを通して、従来のFreeRTOSなどに加えてAzure RTOSを利用可能

 

 マイクロソフトのAzure RTOSコンポーネントには、組み込み用途向けの高速で信頼性の高いRTOS「Azure RTOS ThreadX」が含まれており、リアルタイムマルチスレッド処理、スレッド間の通信と同期、メモリ管理など、さまざまな機能を有しています。これに加えて、picokernelアーキテクチャ、プリエンプションしきい値、イベントチェーンなど、豊富なシステムサービスのセットも含まれています。

 ルネサスのIoT・インフラ事業本部のSenior Vice PresidentであるRoger Wendelkenは次のように述べています。「マイクロソフトとの協業において重要な節目を迎え、業界をリードするRTOSプラットフォームを当社の32ビットマイコン向けに提供できるようになったことを大変嬉しく思います。私たちはあらかじめ統合されたプロジェクトテンプレートやスマートコンフィギュレータを利用してシームレスな開発環境を実現できるよう取り組んできました。ルネサスのセキュア暗号エンジンの独自の機能を活用すれば、さらに強固なセキュリティ基盤も実現できます。」

 マイクロソフト コーポレーションの Azure IoT のCorporate Vice PresidentであるSam George氏は次のように述べています。「組織がイノベーションを起こし、価値創造までの時間を短縮する最も効果的な方法の一つは、開発者に力を与えることです。それが今回のAzure RTOSとルネサスのFSPやSSPなどソフトウェアパッケージとの統合なのです。これにより、ルネサスの先進的な開発経験と、Azure IoTプラットフォームのセキュアでスケーラブルかつオープンなエッジツークラウドのIoT機能が融合しました。ルネサスの32ビットマイコンファミリを使用して製品開発をするのに、これほど最適な時期はないでしょう。」

 Azure RTOS コンポーネントにはAzure RTOS ThreadXのほか、次のコンポーネントも用意されており、RAファミリ、RXファミリおよびRenesas Synergyのユーザは利用可能です。

  • Azure RTOS FileX:高性能ファイルアロケーションテーブル(FAT)と互換性のあるファイルシステム
  • Azure RTOS GUIX:組み込みグラフィカルユーザインタフェイス(GUI)アプリケーションデザイン環境
  • Azure RTOS TraceX:Windowsベースの分析ツール
  • Azure RTOS NetX Duo:産業用グレードのIPv4 と IPv6 のデュアルネットワークスタック

 ルネサスは、Azure IoTに安全に接続して活用するための包括的なフレームワークを提供するクラウド開発プラットフォームを、2021年後半にリリースする予定です。このクラウドプラットフォームは、Bluetooth®、セルラ、Ultra-Wideband(UWB)、Wi-Fi 6/6eなどの様々な通信に対応し、Azure Certified DeviceとしてAzure Device Catalogから入手できるようにする予定です。ルネサスとマイクロソフトの役員が、今回の協業の意義について語ったビデオは、こちらからご覧いただけます。https://aka.ms/MicrosoftAzureRTOS/Renesas/MCU/Release(マイクロソフトのページ、英語)

RAマイコン用フレキシブルソフトウェアパッケージについて

Arm®Cortex®-Mコアを搭載したRAマイコン用に、HAL(Hardware Abstraction Layer)ドライバを含むフレキシブルソフトウェアパッケージ(FSP)を提供しています。FSPでは、マイコンに関する各種設定をGUIで簡素化しており、ユーザにおける開発効率の向上が期待できます。また既存の8/16ビットマイコンからの移行も容易です。FSPにおけるAzure RTOSの活用についてのビデオは、こちらからご覧いただけます。https://aka.ms/MicrosoftAzureRTOS/RenesasFSP/Video(マイクロソフトのページ、英語)

Renesas Synergy™プラットフォーム用Synergyソフトウェアパッケージについて

Renesas Synergy™プラットフォームは、Cortex-Mコアをベースとした汎用マイコンプラットフォームです。Synergyソフトウェアパッケージ(SSP)は、ルネサスが最適化し、動作を検証したRenesas Synergy™マイクロコントローラ向けのソフトウェアです。開発者はアプリケーションフレームワークの共通APIを使用した開発を行ったり、必要に応じて直接ドライバ層を制御することができる、階層化アーキテクチャを採用しています。

RXマイコン用スマートコンフィギュレータについて

RXファミリは、高い演算性能と優れた低消費電力性能を実現する、ルネサス独自のRXコアを搭載した 32ビットマイコンです。 統合開発環境であるe² studio のプラグインツールである RX スマートコンフィグレータは、「ソフトウェアを自由に組み合わせられる」をコンセプトとしたユーティリティです。これを活用することにより、従来提供しているFreeRTOSなどに加えて、Azure RTOSも利用可能になりました。

以 上

*BluetoothはBluetooth SIG, Inc.の登録商標です。Arm、Arm Cortexは、EUとその他諸国におけるArm Limitedの商標または登録商標です。Renesas Synergyは、ルネサス エレクトロニクス株式会社の商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

この記事をシェアする