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産業イーサネット通信規格EtherCATの機能安全対応版ソフトウェアを32ビットRXマイコン用に発売

~最新RXv3コア搭載のRX72M、RX72T等のサポートも開始~

2020年9月29日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、機能安全の国際規格IEC61508 SIL3(注1)の認証取得をサポートする産業機器向け機能安全ソリューション「RX Functional Safety」 を拡充し、半導体メーカの純正品としては初となる産業イーサネット通信規格EtherCATの機能安全対応版ソフトウェア「FSoEアプリケーションソフトウェアキット」を発売します。産業イーサネット規格団体のETG(EtherCAT Technology Group)は、FSoE(Functional Safety over EtherCAT)の仕様を公開しており、ルネサスのFSoEソフトウェアは、この仕様に基づくものです。ユーザは、機能安全に対応するRXマイコンとソフトウェアに加え、FSoEのプロトコルスタックを一括して入手可能になるため、早期にFSoEを搭載した機器開発が可能です。これにより、例えば機能安全に対応する必要のある危険を知らせるアラームや緊急停止信号などの通信機能を、RXマイコンを使用して早期に実装できるようになります。本ソフトウェアの参考価格は、200万円(税別)からの提供となります。

 また、従来RX Functional Safety は、RXv1、RXv2コアを搭載するマイコンが対象でしたが、本日より、RXv3コアを搭載するすべてのマイコン(RX72M、RX72N、RX72T、RX66N、RX66T)を対象にソリューションの提供を開始します。ユーザは、認証済のソフトウェアをそのまま使用することにより、マイコン依存の機能安全に関わるソフトウェアを開発する必要がなくなり、ユーザアプリケーションのソフトウェア開発に集中できます。RXマイコンのユーザは、既存のソフトウェア資産を有効活用して、機能安全対応の機器を開発できるため、さらなる開発期間の短縮が可能です。

 ルネサスのIoTプラットフォーム事業部の事業部長、伊藤 栄は、次のように述べています。「スマートファクトリ化が進む中、自律した機器同士の通信や、産業用イーサネットをベースに安全実装を施した堅牢な通信システム、安全性と信頼性を確保する冗長システムの構築などが求められています。ルネサスは、産業イーサネットで主流のEtherCATの機能安全規格(FSoE)をいちはやく提供することにより、こうしたシステムに求められる機能安全製品の開発スピードを加速できると確信しています。」

RX Functional Safetyについて

 RX Functional Safetyは、マイコン単体の自己診断から、ユーザの機器認証に向けた開発を全面的にサポートするため、認証の取得期間を1年以上短縮できるソリューションです。具体的には、(1)マイコン単体の自己診断を行う「RX Functional Safety - セルフテストソフトウェアキット」と、(2)マイコン二重化構成に必須の相互診断等と、複数のソフトウェアを分離する機能でSIL3認証を取得したソフトウェアである「RX Functional Safety - SIL3システムソフトウェアキット」、(3)マイコン二重化構成の参照回路設計と評価用ボードにもなる「RX Functional Safety - リファレンスハードウェアボード」、(4)ユーザが機器全体で認証を取得するノウハウを記した「RX Functional Safety - リファレンスドキュメント」、(5)「RX Functional Safety -認証済みCCRX安全コンパイラと認証キット」から構成されています。これらにより、機能安全に関する難解な規格の解釈や、マイコン二重化構成の構築方法の習得、実際のソフトウェアの認証取得や、システムの機能拡張に伴う再認証などの多大な開発負荷を低減します。

RX Functional Safetyの詳細については、こちらをご覧ください。

www.renesas.com/industrial-functional-safety

 また、ルネサスはArm®コア搭載のRAファミリ「RA4M1」「RA6M1/M2/M3」に対応するマイコン単体の自己診断用ソフトウェアも、IEC61508認証を取得し、2020年9月より無償提供を開始しました。今後もRA用Functional Safetyソリューションを順次拡充予定です。

 ルネサスは今後も、エンドポイントのインテリジェント化の一環として、機能安全・セキュリティなどユーザ製品の付加価値を支えるソリューションを展開し、スマート社会の実現に貢献してまいります。

以 上

(注1)SIL(Safety Integrity Level)とは、機能安全規格IEC 61508における安全性能のレベルです。SIL1からSIL4まで4段階が定められています。

*Armは、Arm Limited(またはその子会社)のEUまたはその他の国における登録商標です。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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