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IoT機器のHMI用途に向け、タッチセンシング機能搭載の超低消費電力32ビットマイコン「RA2L1グループ」を発売

~Arm Cortex-M23を搭載し、業界最高クラスの低消費電力を実現~

2020年12月2日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、32ビットマイコンRAファミリのRA2シリーズに、RA2L1グループを新たに追加し、20製品を発売、量産を開始しました。これにより、RAファミリのマイコンは66製品に拡充されました。RA2L1は、最大48MHz動作のArm® Cortex®-M23コアを搭載しています。ユーザの機器開発にあたっては、ルネサスがRAファミリ用に提供している使いやすいFlexible Software Package(FSP)に加え、ルネサスのパートナエコシステムから提供される、すぐに使えるソフトウェアやハードウェアであるRA Readyソリューションを使用できるため、開発期間の短縮を図ることができます。RA2L1は、超低消費電力かつ高感度なタッチセンシングユニットの搭載により、家電、ファクトリオートメーション、ビルディングオートメーション、医療やヘルスケア、コンシューマなど、幅広いIoTアプリケーションのHMI用途に最適です。

 RA2L1は、静電容量式タッチセンシングユニットに加え、最大256KBのフラッシュメモリ、32KBのSRAM、12ビットA/Dコンバータ、高精度オシレータ、セキュリティ、機能安全、各種通信インタフェースなどを内蔵しているため、BOMコストを抑えることができます。また、バッテリ駆動機器の平均消費電流削減に最適な多彩な低消費電力モードをサポートしています。RA2L1は、消費電力のベンチマーク評価であるEEMBC®のULPMark™ -CoreProfile(CP)スコアとして1.8V時304の認定を受けており、業界最高クラスの低消費電力を実現しました。この低消費電力により、電池駆動のIoT機器のバッテリ寿命を延ばすことができます。

 ルネサスの執行役員でIoT・インフラ事業本部、MCUビジネス担当のRoger Wendelkenは次のように述べています。「RAファミリを拡充し、今回IoT機器のHMI用途に向け、新たなRA2シリーズを発表できることを嬉しく思います。RA2L1マイコンは、スタンバイ電力を最小限に抑えるよう最適化しており、先進的なパワーおよびクロックゲーティング機能を有するだけでなく、高度に差異化した機能を備えた静電容量式タッチセンシングユニットも内蔵しています。」

 RA2L1に搭載した静電容量式タッチセンシング機能は、IoT機器の操作性を向上します。例えば、厚さ10mmを超えるアクリルパネルやガラスパネル越しのセンシングにも対応しており、厚い扉や仕切りがある家庭用機器での使用も可能です。また、近接の非接触操作や三次元ジェスチャにも対応可能なため、衛生面や安全性の向上にも役立ちます。RA2L1の静電容量式タッチノイズ耐性は、IEC/EN61000-4-3レベル4(放射イミュニティ)およびIEC/EN61000-4-6レベル3(伝導イミュニティ)の要件を満たしており、センシングエラーを最小限に抑えた信頼性の高い操作を実現することができます。

RA2L1マイコングループの主な特長

  • 48MHz動作Arm Cortex-M23 CPUコア搭載
  • 1.6V~5.5Vの広範な動作電圧に対応
  • 動作電流64 µA/MHz、スタンバイ電流250 nAの業界最高クラスの低消費電力。5 µ秒未満の高速ウェイクアップを実現
  • 低消費電力を実現する110nmプロセスを採用。アクティブ、スリープ/スタンバイの各モードに加え、バッテリ駆動機器の用途に最適なパワーダウンモードを搭載
  • 多彩な電力モードにより、さまざまな用途で平均電力の低減を実現
  • 高性能な静電容量式タッチセンシングユニットを内蔵
  • 高精度(1.0%)高速オシレータ、温度センサ、5Vトレラント入出力ポートなどの周辺機能搭載により、BOMを削減
  • 100万回の消去/書き込みが可能なフラッシュメモリ搭載
  • 48ピンから100ピンまでスケーラブルなパッケージ展開

 RA2L1は、IEC60730セルフテストライブラリも提供し、マイコンの正常動作を確認する多くの安全機能を搭載しています。ユーザは、これらの安全機能を使用して、マイコンの自己診断を実行できます。さらに、AES暗号アクセラレータ、真性乱数生成器(TRNG)、およびメモリ保護ユニットにより、セキュアなIoTシステムを開発することが可能です。

 RA2L1のユーザは、Flexible Software Package(FSP)を使用することにより、従来のソフトウェアコード資産を再利用したり、Armの広範なエコシステムパートナのソフトウェアと組み合わせて使用したりすることが可能です。これによりコネクティビティとセキュリティに関わる複雑な機能を短期間で実装することができます。FSPにはFreeRTOSを採用し、各種ミドルウェアが含まれています。これによりユーザはデバイス―クラウド間の接続までも容易に実装することができます。もちろん要件に応じて他のRTOSやミドルウェアへの置き換えや拡張も容易に行えます。

 FSPにはHALドライバが含まれており、開発プロジェクトの効率化を図るツールを提供します。統合開発環境「e2 studio」は、プロジェクト作成、モジュール選択とコンフィギュレーション、コード開発、コード生成、デバッグなどの重要なステップをまとめて管理できる使いやすい開発環境です。FSPに関する各種設定作業はGUIを活用することで簡素化され、ユーザの開発プロセスを劇的に加速しながら、8/16ビットマイコンからの移行も容易化します。

RA2L1の詳細と評価キットについては、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/ra2l1

以 上

*ArmとArm Cortexは、EUやの他の国におけるArm Limitedの商標または登録商標です。
*EEMBC とULPMarkは、Embedded Microprocessor Benchmark Consortiumの商標または登録商標です。
*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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