スマートメータや家電などのIoT機器のプログラム量は、機能向上により増大傾向にあります。MCUの内部フラッシュメモリが容量不足に陥った場合、外付けフラッシュメモリの追加が必要です。様々な種類のメモリがある中で、マイコンの使用ピンを抑えることのできるQSPIシリアルフラッシュを採用する方もいらっしゃるかと思います。
しかし、QSPIシリアルフラッシュは、格納されたコードを実行するために、1度内部RAMに展開する必要がありました。この方法では、システム起動時のロード時間が長くなってしまいす。
この課題を解決する方法として XIPモードが登場しました。このモードをサポートしているマイコンとシリアルフラッシュを使用すれば、MCUのアドレス空間にマッピングしてアクセス可能となり、CPUが直接コードにアクセス可能になります。
32bitマイコンRX671はXIPモードをサポートしており、シリアルフラッシュ接続の要求に応えることのできる製品となっています。そして、この度、RX671のXiPモードを簡単に評価・開発できるようにリファレンスとなるアプリケーションノート”QSPIX XIP モードを使用したシリアル ROM 上のプログラム実行例”をリリースいたしました。
このアプリケーションノートには3つのサンプルプログラムが格納されています。
①アプリケーションプログラム
(シリアル ROM 上に配置するプログラムを含んだアプリケーションプログラム)
② ライタ用プログラム 1
(アプリケーションプログラムの一部をライタ用プログラム 1 の内蔵 ROM に取り込みシリアル ROM へ書き込むプログラム)
③ライタ用プログラム 2
(アプリケーションプログラムの一部をホスト PC からシリアル通信で受信しシリアル ROM へ書き込むプログラム)
①には、RX671の初期設定やQSPI XIPモードの有効化、 そして、 シリアルフラッシュに格納するプログラムが含まれています。
②,③はシリアルフラッシュにプログラムを格納するためのプログラムとなっています。
①でRX671の初期設定やシリアルフラッシュのコードを実行する方法が、②・③でシリアルフラッシュにプログラムを格納する方法がわかります。このアプリケーションノートをリファレンスにすることでQSPI XIPモードを簡単かつスピーディに検討・開発が可能になります。
また、このアプリケーションノートはRX671のリファレンスキットRenesas Starter Kit+ for RX671で動作するように作成されています。この評価ボードにはQSPIシリアルフラッシュの他にタッチボタン・マイク・SDスロットRX671の機能をフルに評価可能なキットとなっています。機能評価やPoC開発にぜひ活用ください。
XIPモードはRX671のコード領域を簡単に拡張可能な機能です。頻繁にリードするプログラムは内蔵フラッシュに格納し、それ以外をシリアルフラッシュに格納することでより大規模で効率的なシステム構築の方法を提供いたします。
RX671の特徴について記載したBlogは以下になります。ぜひご覧ください。“進化し続けるIoT機器の要求にお応えする新製品RX671”