この記事に入る前に、もしDALI照明制御について詳しく知りたい場合は、まず以下のブログを読んでみてください。
DALI照明制御:未来のグリーンビルに向けた持続可能なソリューション | Renesas
IoTとDALI照明の融合
IoT技術の発展に伴い、DALI照明システムが大きく進化しています。IoTの中心は、様々なデバイス間の接続とデータ交換にあります。この技術をDALI照明システムに取り入れる事で、スマートな照明ソリューションを実現しています。それはセンサ技術をDALI照明システムに統合することで、周囲の状況を把握し、照明を自動的に調整することが可能になります。例えば、照度センサを使い室内の自然光をリアルタイムで監視、それに応じて室内の照明の明るさを自動的に調整することで、光量を補うことができます。このような動的な調整により、室内環境を均一で快適にすることができます。また、人感センサを使用すれば、部屋に人がいるかどうかを検出し、人がいる時だけ照明システムをオンにすることができます。このような自動化はエネルギー効率の向上はもちろん、使用者の利便性も高めます。
このように、IoT技術をDALI照明システムに統合することで、よりスマート、省エネで快適な照明システムが実現可能になります。
関連規格とソリューション
DALI照明システムにIoTをよく統合するために、DiiA¹は30xシリーズの規格を発表しました。この記事では、Part301、302、303、304を中心に説明します。
- Part301(Push buttons):ボタン操作に対応するための入力デバイス規格
- Part302(Absolute input devices):ボリュームやスライダーなどに対応するための入力デバイス規格
- Part303(Occupancy sensors):人の動きや存在を検知して部屋の占有情報を伝える入力デバイス規格
- Part304(Light sensors):光度レベルを検知して照度情報を伝える入力デバイス規格
これらの規格による照明システムの設計と機能への影響:
- 入力デバイスへの明確な要件の提供: DALI規格は、照明システムに対する入力デバイス(例えばスイッチやセンサなど)の要件を明確にします。これにより、システムの応答性と柔軟性が強化され、様々な状況に対応する能力が向上します。また、システム間の互換性と信頼性も高まります。
- センサやコントローラの標準化: DALIシステムでは、センサやコントローラの標準化が進んでいます。これにより、照明システムは環境の変化に対してより効果的に対応できるようになります。例えば、人の在不在や自然光の変化に応じて照明を自動調整するなど、よりスマートの照明ソリューションが可能になります。
- エネルギー使用の最適化とコスト削減: エネルギーの効率的な使用を促進し、運用コストを削減できます。照明の自動調整により、不必要な電力消費を抑えることができます。これは、SDGsの観点からも重要な利点です。
DiiAが発表したDALI照明システムの301から304規格に対して、Renesasは評価ボード、ソフトウェア、アプリケーションノート、GUIなどを含めたソリューションを提供しています。それにより、顧客がより迅速かつ便利にボードの評価や製品開発を行うことができます。
関連製品については、下記のURLを参照してください:
RTK7RL23LMP00000BJ - RL78/G23 照明通信マスタ評価ボード | Renesas
I30x規格に対応するControl Device用評価ボードに加えて、更にRL78史上最強の処理性能を備えたRL78/G24を搭載したControl Gear用評価ボード(RL78/G24 DC/DC LED制御評価ボード)も発表しました。これは個々の照明デバイスを制御するために使用できます。また、Control Deviceと統合してトータルの照明制御システムを構築できます。
ルネサスはDiiAのレギュラーメンバーとして、新規格の検討に積極的に参加し、常に新たなスタックの開発を行い、最新の照明制御要件に対応し続けることができます。ルネサスのDALIソリューションを用いて、未来の持続可能で快適なビルの実現に向けた一歩を踏み出しましょう。
¹DiiA:Digital Illumination Interface Allianceの略で、照明通信規格であるDALIの普及と発展を推進するための業界団体です。DiiAは、DALIの技術仕様を開発し、準拠した製品の認証プログラムを実施しています。