製品の付加価値を向上させるUX(ユーザエクスペリエンス)/UI(ユーザインタフェース)の改善がますます重要となってきており、RXファミリでは静電容量タッチセンサ搭載マイコンをラインナップしてきました。この度、新世代の静電容量式タッチセンサを搭載した32ビットマイクロコントローラRX140を発売しました。
当社はタッチマイコンとして10年以上の市場実績を持っており、RXファミリとしても第二世代のタッチキーIPを搭載した製品が家電の操作パネルなどに多く採用されており、2020年では4000万個以上出荷しました。最新世代のタッチキーIPは、ノイズ耐性が飛躍的に向上し、さらに耐水性を高めたことで、水回りなど、幅広い用途にも採用いただけるようになりました。
シールド電極駆動による耐水性の向上
従来の方式では、タッチボタン電極に水滴が付着すると静電容量が増加してしまい、タッチ操作による変化だと誤認してしいました。RX140に搭載した新タッチキーIPでは、タッチセンサ用端子を用いたシールド電極の直接駆動方式を採用しました。この方式では、タッチ計測用ドライブパルスをタッチ検出用、シールド電極用の両方から出力することで、シールド電極とタッチボタン電極の電位を同電位とする事ができ、水滴の付着により増加した静電容量の影響を軽減します。その結果誤検出を低く抑える事が可能となりました。
図1は新方式により耐水性がどのように向上したかを表したものです。シールド電極を駆動しない場合(左側)は水の付着により誤検出が発生しLEDが点灯していますが、シールド電極を駆動した場合(右側)は水が付着しても誤検出が発生しないことがわかります。このように、新方式は耐水性が高いので、水栓やシャワーヘッドなど水回りの操作にも安心して導入することができるとともに、タッチキーならではのデザイン性や操作性を向上することが出来ます。
業界トップレベルのノイズ耐性
新タッチIPでは外乱ノイズの影響を低減するために新しい検出方式を採用しました。従来の検出方式では静電容量の計測に1種類の計測周波数のみを用いていたため、外乱ノイズの周波数が計測周波数と同期した場合は計測結果に大きな影響を及ぼしていました。これに対し、RX140に搭載した新方式では、3種類の計測周波数を用いる事で、一つの計測周波数が外乱ノイズの影響を受けたとしても、残りの計測周波数で正しく計測することができます。
図5は、放射電磁界イミュニティ試験の計測結果を示します。1種類の計測周波数の場合と比較して新方式では、ノイズの影響による計測値の増減は起こらず、誤検出していない事がわかります。
これらは当社評価ボードによる結果であり、新方式の採用によるノイズ耐性を強化した事で、ノイズ耐性評価の規格であるIEC/EN61000-4-6レベル3(伝導イミュニティ)のクリアはもちろんの事、さらにIEC/EN61000-4-3(放射イミュニティ)においてはレベル4までクリアすることが出来るようになりました。
RXファミリとしては初期評価用のボードとして、Target Boardを用意しています。これは、初期の導入検討用として安価で、全信号ピンにアクセス可能な評価ボードです。また、本ボードはミュレータ回路を搭載しています。
RX140用Target Board では、従来のTarget Boardには無かったタッチ動作用のコンデンサを追加するパターンが追加されたことで、タッチの初期評価が可能となりました。是非、タッチの動作確認にご利用ください。
詳しくは、 RX140 製品ページ および Target Board for RX140 ページ へご参照ください。
ニュース&各種リソース
タイトル | 分類 | 日時 |
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家電、産業など幅広い用途に向けて、従来比で約2倍の性能の向上と30%以上の低消費電力化を実現した32ビットマイコン「RX140」を発売 | ニュース | 2021年9月29日 |