クラウドサービスを活用したOTA(Over-The-Air)によるMCUのファームウェアアップデートは、クラウドベンダとデバイスベンダの協業により容易に組み込める環境が整ってきています。
【AWS認定済みプログラム】AWSを使ったOTAファームウェアアップデート | Renesas
これはAmazon Web Services(AWS)等のクラウドサービスとインターネットを経由して直接接続されたMCUのファームウェアアップデートを実現するソリューションです。
しかし、実際には直接インターネットに接続されているMCUだけではなく、他にもいくつかのMCU(2nd MCU)を用いて1つの組込みシステムが構築されているケースが多いのではないでしょうか。
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そのようなシステムの場合、その2nd MCUのファームウェアアップデートも、サービスの継続的な改善やセキュリティリスクの軽減のために重要となってきます。
このような背景からルネサスRXクラウドコネクティビティソリューション開発チームでは、直接インターネットに接続されていない2nd MCUでも、AWS IoTサービスのスキームを利用してOTAファームウェアアップデートを実行するサンプルコードの提供を開始しました。以下のリンクよりダウンロードできます。
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Secondary Device OTAデモンストレーション動画:
Secondary Device OTA Update using FreeRTOS and Amazon Web Services | Renesas

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アプリケーションノート(サンプルコード)R01AN6220:

今回提供しているデモでは、2nd MCUに Quick-Connect IoT を利用してセンサ測定機能を実装し、AWS IoTサービスからOTAによって2nd MCUのファームウェアを更新することで測定可能なセンサの種類を追加できます。
AWSのクラウドを使用したOTAの処理について少し説明します。
AWSと直接接続されたMCUで実行されるOTA処理は、同社が提供するOTA用のPlatform Abstraction Layer(PAL)を介して自身(1st MCU)のハードウェアを制御する仕組みとなっています。(下左図)
この仕組みを利用して、2nd MCUと通信しOTAの命令を転送するPALを自身のOTA用とは別に追加で用意することで、2nd MCUのOTAを実現できます。(下右図)

また、ルネサス独自の取り組みとして、よりOTAの実装負荷を軽減するため2nd MCU側のOTAを実行するドライバ(FWUP FITモジュール)を用意しています。
上記リンクのデモは、FWUP FITモジュールを拡張することで実現しています。
他のドライバ同様に無料にてご使用頂けます。
FOTA(Firmware Update Over-The-Air)を簡単構築、RXファミリ Firmware Update ミドルウェアのご紹介 | Renesas
なお、自身(1st MCU)のOTAのためのPALと2nd MCU OTAのためのPALの切り替えは、AWS側でOTA処理の命令を発行するときの変数で設定できます。
今後もIoT開発をより楽(ラク)にするソリューションを提供していきます。ぜひご期待ください。
RXファミリのクラウドの情報をまとめたWebページは以下になります。役立つソリューションを取り揃えていますので、ぜひともご覧ください。
これまでのクラウドソリューションに関する投稿はこちらをご覧ください。