メインコンテンツに移動

車載インフォテインメント、コックピット、デジタルクラスタ向け新製品R-Car Gen3eシリーズ

画像
Peter Bechberger
Peter Bechberger
Automotive Solution Business Unit Automotive Digital Products Marketing Division SoC Marketing Department
掲載: 2021年7月21日

CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electrified)に向けた自動車業界とE/Eアーキテクチャの変革には、膨大な工数と費用が必要になります。このような背景の中、特にエントリーからミッドレンジでの自動車ラインアップでは、更なる低コスト化のニーズが高く求められています。

車載インフォテインメント(IVI)やデジタルクラスタシステムなどのコックピット関連モジュールシステムでは、低コスト化のニーズに加えて、ディスプレイの大型化や豊富なコンテンツの充実化、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上など、技術革新のスピードが益々高くなっています。また同時に、自動車品質や機能安全(FuSa)への妥協は許されない状況にあります。

ルネサスは、車載分野でのマーケットリーダーとして、これまで培ってきたR-Car Gen3での実績をR-Car Gen3eシリーズとしてアップグレードさせ、特にシステムコスト重視のエントリーからミッドレンジの車載インフォテインメント(IVI)、デジタルクラスタ、統合コックピットシステムのお客様ニーズに対応していきます。また、ルネサスのパワーマネージメントIC (PMIC)と容易に組み合わせが可能、ドライバー・モニタリング・システム(DMS)、LEDマトリクス・ライト、コネクテッド・ゲートウェイなど、CPUやグラフィックス性能を必要する様々なシステムにも柔軟に対応が可能となります。

画像
Renesas launches R-Car Gen3e family

R-Car Gen3eとは?

このR-Car Gen3eは、既存のR-Car Gen3をお使いのお客様だけでなく、新たなお客様の商品開発にも貢献していきます。R-Carのラインアップ、関連するPMICの概要をご覧ください。

すでにR-Car Gen3をご利用いただいているお客様には、R-Car Gen3eの特長や改善点、アップグレードポイントにご興味をもって頂けるものと思っております。

  • R-Car M3Ne、M3e、H3eは、2GHz、50k DMIPSの高性能CPUを実現
    • ピン配置とソフトウェアの完全互換性を保ちながらCPU性能を向上することにより、新しいアプリケーションの追加や、より大型のディスプレイへのアップグレードが可能です
  • 堅牢なドメインとしてCR7リアルタイムコアを用いたHMI、高速起動、機能安全(FuSa)に対応した新しいリファレンスソリューションを提供
    • システムBOMの削減と検証済みソフトウェアによる開発期間の短縮が可能です
  • デジタルクラスタ向けに、ハードウェアとソフトウェアのオプション仕様を最適化
    • R-Car機能をご利用頂くことが容易、価格体系もシンプルです

システムコスト削減のための“ウィニング・コンビネーション”

R-Car Gen3eでは、システムコストの低減、統合化とソフトウェアアーキテクチャの簡素化を実現します

ハードウェア面では、R-Car Gen3eとルネサスPMICを組み合わせた“ウィニング・コンビネーション”をご提供、オンチップのリアルタイムCPU(Arm Cortex R7)を動作させることで、外部コントローラを不要にすることができます。ソフトウェア面では、セーフティーなアプリケーションをリアルタイムCPUで動作させることにより、システムの堅牢性を保ちながら、マルチドメインシステムでの仮想化システムを使用することなく、アプリケーションCPU側でのLinuxなどのオープンソースOSの動作が容易となります。

特に以下のようなユースケースにおいて、R-Car Gen3eを是非ご検討ください。

  • CANネットワークや起動時アニメーション、2.5DクラスターHMI、リアビューカメラの高速起動システム
  • ASIL-B機能安全(FuSa)によるTelltale監視、アラーム音、ディスプレイ/カメラの固着検知システム
  • デジタルクラスタ、車載インフォテインメント(IVI)を含めたNon-hypervisorマルチドメイン・コックピットシステム
  • ドライバーモニタリング(DMS)やサラウンドビューなど、カメラを統合したアプリケーションシステム

Example: Digital cluster with integrated driver ID on R-Car E3e

画像
Digital cluster with integrated driver ID on R-Car E3e

Example: Integrated cockpit with Android on R-Car M3e

画像
Integrated cockpit with Android on R-Car M3e

R-Car Gen3eを検討されるお客様へ向けて

R-Car Gen3eは、R-Car Gen3とピン配置およびソフトウェアの完全な互換性があります。既にR-Car Gen3が動作している環境があれば、開発の途中からR-Car Gen3e SoCに変更することができます。R-Car Gen3ボード向けBSP、ライブラリはR-Car Gen3eに再利用できます。

評価ボード:R-Car Gen3をベースにした評価ボードやスターターキットが用意されており、R-Car Gen3eの評価や開発に使用することができます。R-Car Gen3eデバイスを搭載した評価ボードは、2021年第4四半期リリースを予定しております。

組み込みソフトウェア(CA53/57コア用):CA53/57コアにおいて、Linux、Android、QNX、Integrity OS向けのBSPおよびミドルウェアが利用可能です。

組み込みソフトウェア(CR7コア用):CR7リアルタイムコアにおいて、HMI、高速ブート、機能安全向けのAutosar MCALとFreeRTOSのリファレンスソフトウェアが利用可能です。より詳細な情報については、弊社にお問い合わせください。

サンプル:R-Car Gen3eデバイスのサンプルは現在提供開始しており、2022年からの量産を予定しています。

R-Carコンソーシアム:システムインテグレータ、ミドルウェア/アプリケーション/OS/ツールベンダーなどのパートナーによるR-Car上の様々なソリューションをご紹介しています。ソリューションマッチングシステムにより、お客様のユースケースに合ったパートナーを見つけることができます。

R-Car Gen3eでコックピット開発をいかに容易に実現可能か、是非お問い合わせ下さい。

この記事をシェアする