室内空気質(IAQ)は、健康的な環境に影響を与える多くの要素で構成されています。 異なる性質のガスが結合すると、それらの相互作用によってIAQ値が変化します。 単独のセンサだけでは解決できない問題も、複数のセンサを協調的に動作させることで解決出来る可能性があります。 屋内空間に存在しうるどのようなガス種にたいしても健康的な空気であるか否かを判断するためには、複数のセンサの協調動作が有効な手段になってきます。
揮発性有機化合物ガス(VOC)は屋内で発生し、なかには刺激性を持つものや発がん性があるものもあります。 VOCには、調理、洗浄剤、家具や建材に含まれる化学物質など、幅広い発生源があります。 ドアや窓の解放、あるいは換気装置によって外気導入された結果、オゾンや二酸化炭素が室内で観測される事があります。 オゾンはVOCと結合する際にVOCを化学的に除去します。 これは、オゾン濃度が健全な範囲にある場合は歓迎されるシナリオです。ただし、通常のVOCセンサは、外気導入されたオゾンによるVOC濃度減少を想定していないので、オゾンの存在は、VOC濃度計算を狂わせる原因になります。
この度、VOC、オゾン、温湿度を考慮して補正をかけるファームウエアをリリースしました。 室内空気質センサZMOD4410、オゾンセンサZMOD4510、温湿度センサHS4001、これらの3つのセンサデータを活用し、存在するガスのさまざまな相互作用を補正するようにトレーニングされています。 健康的な環境を確保するためには、相対値ではなく環境に応じて適切に補正された絶対的なIAQ値が必要です。
ルネサスのIAQセンサZMODファミリは、私たちの健康に影響を与える固有の問題を対象としたトレーニング済みの組み込みAIソリューションをリリースし続けています。 今回のファームウエアの更新で、オゾンが室内空気質へ与える影響を正しく評価できるようになり、センサの室内空気質出力の正確性を高めることができました。 このシステムをHVACに応用すると、この変化に自律的に反応してIAQを改善したり、健康に影響を与える可能性のある状態をユーザーに通知したりすることができます。
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