衛生的で便利なライフスタイルを実現するために、静電容量タッチ機能を搭載した製品を開発するお客様が増えています。また、小型製品にタッチ機能を搭載することは、最もポピュラーな業界トレンドの一つです。しかし小型製品は熱をもちやすいため、熱設計への配慮も必要です。タッチ機能を備えた小型かつ高温動作を保証するデバイスが求められています。
RL78/G16は16MHz動作の汎用マイコンで、ルネサスMCU製品の中で最小のタッチマイコンです。RL78/G15と同様に8bit MCUの応用分野に最適化された製品でありながら、静電容量式タッチセンサ機能と安全機能を備えているため、家電製品を含む幅広いアプリケーションに適しています。
RL78ファミリ内でのRL78/G16のポジション
既存製品とのスペックの違いは以下の表をご参考ください。RL78/G16は、RL78/G15の特長である幅広い動作周囲温度はそのままに、静電容量式タッチセンサ機能と安全機能を取り入れました。
RL78/G10 RL78/G1M RL78/G1N | RL78/G15 | RL78/G16 | RL78/G23 RL78/G22 | |
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CPU Core | 8-bit (RL78-S1 Core) | 16-bit (RL78-S2 Core) | 16-bit (RL78-S2 Core) | 16-bit (RL78-S3 Core) |
Max. Operation Frequency | 20MHz | 16MHz | 16MHz | 32MHz |
Operation Voltage | 2.0V – 5.5V | 2.4V – 5.5V | 2.4V – 5.5V | 1.6V – 5.5V |
HOCO Frequency Accuracy TA = -20 ~ +85 °C | ±2% | ±1% (G, M version 2.4V ≤ VDD ≤ 5.5V) | ±1% (G, M version 2.4V ≤ VDD ≤ 5.5V) | ±1% (1.8V ≤ VDD ≤ 5.5V) |
Data Flash | Yes | Yes | Yes (with BGO) | |
Self-Programming | Yes | Yes | Yes | |
Programming/Debugging at 3.3V | Yes | Yes | Yes | |
Safety | TRAP only | Yes | Yes | |
Capacitive Touch Sensing Unit | Yes | Yes | ||
Operating Ambient Temperature | -40 °C to 8 °C | -40 °C to 125 °C | -40 °C to 125 °C | -40 °C to 105 °C |
また、メモリとパッケージのラインアップはRL78/G15の上位をカバーし、10ピンから32ピン、コードフラッシュメモリは32KBと16KBから選択できます。
RL78/G16 MCU 4つの特長
1. 省スペースでタッチ機能を実現、最小のタッチ機能搭載マイコン
RL78/G16はルネサスのタッチマイコンの中で最小ピン(10-pin LSSOP (4.4×3.6mm))および最小サイズ(16-pin HWQFN (3×3mm))を含むパッケージを用意しています。10-pin LSSOP (4.4×3.6mm) には3ch、16-pin HWQFN には7chの静電容量タッチセンサ機能が搭載されています。
急遽デバイスへのタッチ機能の追加が必要になったが、スペースが足りない!という場合にも検討いただけます。
2. 家電製品で準拠必須、機能安全IEC 60730の認証取得をサポート
ルネサスは、IEC 60730クラスBに対応したアプリケーションノートおよびサンプルプログラムを準備しており、お客様の最終製品での認証取得をサポートします。RL78/G16では、家電製品が火災やけがの原因となることを防ぐため、機能安全規格に基づいた安全機能が搭載されています。さらに静電容量タッチセンサ機能はセルフテストソフトウェアを実装することで、内部回路の異常を自己診断し、安全性を確保することができます。
3. 機器全体のコストを減らす、充実した内蔵周辺機能
RL78/G16はリセット機能、コンパレータ、Data Flash、静電容量タッチセンサ機能を内蔵しています。また、高精度の高速オンチップ・オシレーターを内蔵しているためUART通信用の外部オシレータも不要です。様々な外部部品を搭載する必要がなく、機器全体のコスト削減に貢献します。デバッグ・セルフプログラミング機能も搭載しているため、より使いやすい製品となりました。
4. 熱設計を簡単にする、幅広い動作周囲温度
用途に応じて3つの製品グレードを用意しています。(A-version: -40 °C ~ 85 °C、G-version: -40 °C ~ 105 °C、M-version: -40 °C ~ 125 °C)
動作周囲温度が最大125 °Cのため熱設計が容易で、近年小型化が進む製品への搭載や、モータやLEDなど発熱部品の近くにマイコンを配置することが可能です。
開発を容易化するツール
1. らくらく初期設定、スマート・コンフィグレータ
初期設定プログラムを自動かつ容易に生成することができるGUIツール、スマート・コンフィグレータに対応しています。ルネサスの多くのマイコンが対応している実績豊富なツールであり、お客様のアプリケーションに応じたソフトウェア開発がスピーディかつスマートに実現できます。
2. 簡単な操作だけでタッチI/Fを開発、QE for Capacitive Touch
タッチ開発支援ツールであるQE for Capacitive Touchでは、自動チューニングやモニタリング、オフセット調整を行うことができます。また、チューニング結果をコードとして生成し、プロジェクトに反映させることも可能です。
対象電極に触れるだけで自動チューニングができるため、数分以内で基本的なチューニングができます。モニタリング機能により、リアルタイムでチューニングパラメータを調整・反映、そしてその結果をすぐ表示できるため、静電気が多い状態や手が濡れた状態など、様々なケースで最適なパラメータを探すことができます。
3. すぐにお試しできる評価ボードと、タッチ開発を簡単にする評価システム
RL78/G16では2種類の評価ボードを用意しています。
RL78/G16 Fast Prototyping Boardは試作開発に特化した評価ボードであり、USBケーブルをつなげるだけで、プログラムの書き込み/デバッグが可能になります。さらに、タッチボタンを2つ、スライダーを1つ搭載しているため簡単に静電容量タッチ評価を行うこともできます。
RL78/G16 Cap Touch Evaluation Systemは静電容量タッチの評価に特化した評価ボードであり、スイッチ、スライダー、ホイールを搭載しています。上記でご紹介したQE for Capacitive Touchと組合せることで、購入後すぐに評価を開始することができます。
4. Arduinoライブラリでプロトタイプ開発を促進
Fast Prototyping Board上で動作するArduinoライブラリも用意しており、Arduino IDEにも対応しています。RL78の資産だけでなく膨大なArduino資産のメリットも得られるため、アイデアを早期に具現化することが出来ます。
Arduino IDEを用いて評価をされたい方は、以下GitHubをご参照ください。
ホーム · renesas/Arduino Wiki · GitHub
最小のタッチマイコンであるRL78/G16を、充実した開発ツールを使って評価してみませんか?ルネサスのオンラインストアからデバイスと開発キットを購入できます。こちらでカートに追加できます。
活用事例については、「IH炊飯器のWinning Combo」をご参照ください。