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RZ/G2L MPUのBOMコスト削減ソリューション

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Takeshi Maeda
Takeshi Maeda
Senior Staff Engineer
掲載: 2021年11月19日

エントリー機器の多機能化・高機能化に伴い、機器に搭載されるIC部品の点数が増加傾向にあります。

例えば、リアルタイムCPUで各種センサー情報を収集し、MPUを経由してネットワークへの接続するIoT機器があります。さらに、それらの機能に加えて映像を取り込むためのカメラやグラフィカルなユーザーインタフェースを表示するディスプレイなども追加され、高機能なエントリー機器が市場で求められます。これらのシステムを実現するには、主要IC部品だけでも10個以上が必要になります。

部品点数の増加は、IC部品を実装するPCBボード面積を大きくし、コストの増加を招き、また、IC部品調達のリスクを増大させます。世界的な半導体不足の影響はそのリスクを顕著化させています。実際に、1つの部品が調達できないことで製品化が遅延する原因となります。

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システムブロック図と搭載部品点数の比較
図1: システムブロック図と搭載部品点数の比較

これらのコスト増加やIC部品調達リスクを回避するため、多機能・高機能を維持したまま、搭載する部品点数を減らすことはとても重要になります。

そこで、RZ/G2LはLinuxで高度なアプリケーションを処理するCortex-A55に加え、各種センサーから取り込まれたデータをリアルタイムに処理するCortex-M33とアナログセンサと直接接続可能なADコンバータを1チップに統合しました。

更に、ディスクリート部品で構成すると非常に複雑となる電源供給システムを、簡単に設計できるRZ/G2Lに最適化されたPMICを提供しております。

その結果、これまでのシステムで搭載していた部品点数を約半分に減らし、また、PCBボードサイズも縮小され、BOMコストの削減に大きく貢献します。

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System configuration and operating system before and after integration of MPU and Realtime CPU
図2: MPUとRealtime CPU統合前後システム構成とオペレーティングシステム

またRZ/G2L搭載Cortex-M33用のソフトウェアパッケージとして「フレキシブルソフトウェアパッケージ(FSP)」およびRTOSとLinuxを共存させる上で必須のプロセッサ間通信機能を提供する「OpenAMP」で構成される「Multi-OS Package」を提供します。お客様は本パッケージを使用する事により、豊富な機能を有するLinuxシステムとRTOSを活用したリアルタイムシステムの共存が容易に実現可能です。

「FSP」は省メモリフットプリントのHALドライバとFreeRTOSポーティングをリファレンスとして提供するCortex-M33用のソフトウェアパッケージです。ソフトウェア統合開発環境である「e2 studio」が有する直感的なコンフィグレータとコード生成機能と連携する事により、リアルタイムシステム開発を効率的かつ迅速に進める事が可能となります。

OpenAMPはCortex-A55とCortex-M33間の非対称マルチプロセッシング(AMP)用のアプリケーション開発を可能にする、オープンソースのソフトウェアフレームワークです。Multi-OS Package はFSPと連携して動作可能なOpenAMPのリファレンス実装を提供します。

Cortex-A55とCortex-M33を統合したRZ/G2L MPUは、エントリー機器の部品点数を削減し、BOMコストの削減を実現します。更に、IC部品調達に関するリスクを低減します。

RZ/G2Lマイクロプロセッサーに関する詳しい情報についてはこちら、及び、Multi-OS Packageに関してはこちらをご覧ください

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