G3-PLCプロトコル

G3-PLCアライアンスにより開発・メンテナンスされているG3-PLCプロトコルは、既存の電力線通信において新しく確立された規格です。

電力線通信はさまざまな分野で長い間使用されてきています。G3-PLCプロトコルには数々の新機能が搭載されており、特に直交周波数分割多重方式(OFDM)などの最先端の技術が組み込まれています。

モデム技術として、G3-PLCは専用の周波数帯域を使用することが指定されています。特に、G3-PLCを狭帯域電力線通信(NB-PLC)として扱うことができる、CENELEC-A、-B、-C、FCC、およびARIBを使用します。

通信速度は、通信範囲がキロメートル規模に及ぶ場合でも、実効レート最大250KB/秒を実現しています。

プロトコルの物理層に関連する上記のいくつかの特性のほかに、G3-PLC技術はMAC層も指定するので、それによってPnPネットワーク管理、コリジョン管理、メッシュネットワークアーキテクチャへの対応など利便性の高い機能が提供されます。G3-PLCのトランスポート・ネットワーク層は、MAC層をIPV6に関連付け、インターネットベースのシステム管理とアプリケーション構築を可能にします。

主にスマートグリッドと電力メータ用に指定されているG3-PLCは、その総合的な構造と性能により、信頼性、堅牢性、長距離対応が必要とされる幅広いアプリケーションのためのスタンドアロンプロトコルとして使用できます。

G3-PLCはオープンスタンダードなので、G3-PLCアライアンスによって継続的にメンテナンスされ、あらゆる種類のアプリケーションに自由に実装できます。IPV6との互換性は、アプリケーションのインターネット接続機能を提供するため、IoTデバイスを接続・拡張していく基盤となり、人工知能を実装の基本構成要素となり得ます。

ルネサスはG3-PLCアライアンスの一員であり、G3-PLCプロトコルをフィーチャーした、一般にCool Phoenixと呼ばれるソリューションを開発しました。このソリューションは、完全なソフトウェアスタックを備えたモデムIC (R9A06G037)で構成されています。

詳細はルネサスPLCモデムのWebページをご覧ください。

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KNXプロトコル

KNXは商業用および国内ビルオートメーションのためのプロトコルであり、オープンスタンダードです。KNXデバイスは、ビル内で統合されたさまざまなタイプのデバイスを管理できます。2000年代初頭に導入されたKNXは、ビルオートメーションのための最も一般的なネットワークプロトコルの1つとして確立されています。

KNXプロトコルは現在、4つの異なるタイプの物理層をサポートしています。

  • KNX TP: ツイストペア配線
  • KNX PL: 電力線ネットワーク(PL110)
  • KNX RF: 無線通信
  • イーサネット(EIBnet/IPまたはKNXnet/IP)

KNX協会は、市場動向を鑑み、完全なIPベースのプロトコルとすることを目指して現在KNX IoTを準備しています。

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KNX Protocol Over G3-PLC

商業ビルのトレンドとして、エネルギー効率を向上させ環境保全を重視したビル設計が求められており、機器間相互接続の必要性は大幅に増大しています。一方、商業ビルの構造は、長距離通信を必要とし、電源ケーブル経由でしかアクセスできない施設が含まれています。建物の改修やアップグレードが近づいているときには特にこのケースが当てはまります。

ここで電力線技術を活用すると、既存の電源ケーブルを使用してビルオートメーション機能を拡張できるため、システム全体の配線コストを大幅に削減できます。

ルネサスは、遠距離通信性能とオープンスタンダードとしてのユーザビリティを鑑みた結果、G3-PLCの利点を考慮し、KNX/IPとG3-PLC間の相互リンクを検討してきました。

ルネサスはPoC(Proof of Concept)として、下図のようなネットワークを開発しました。

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KNX Protocol Over G3-PLCのデモンストレーション

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Embedded World 2019に出展

KNX IPルータにツイストペア(TP)で接続されたKNXスイッチは、PLCを介してKNXテレグラムを受信するKNXノードを制御します。KNX IPとIPV6の間の相互接続は、ネットワークアドレストランスレータ(NAT)によって実現されます。

NATとKNXの両方のノードは、Renesas Synergyプラットフォーム(S7G2)とRenesas OFDM PLCソフトウェアモデム(R9A06G037)との組み合わせにて実装されます。