TCAMとは?
TCAM(Ternary Content Addressable Memory)は、従来よりネットワークハブ装置に用いられ、IPアドレスの検索を高速で行う用途に多く採用されています。
アドレスを指定してそのデータを出力するRAMに対し、TCAMはデータを入力して合致するアドレスを出力します。
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TCAMの主な機能
- TCAMはメモリ内部に蓄えた全情報から、入力値に合致するデータを1サイクルで探し出す。
- 合致するデータが複数存在する場合、全てを探し出す。
また、プライオリティエンコーダーを付加する事で、複数の合致データから一つを選択するこも可能。 - 検索用のキー入力 (Search In) はビット単位のマスク機能を備えており、多様な検索への対応が可能。
ルネサスエレクトロニクス製 TCAM IPラインアップ
Foundry | Process Technology | Entry Address | Bit width | Frequency |
---|---|---|---|---|
SMIC | 40LL | 128, 256, 512 | 4~40/step1 | 250MHz |
TSMC | N28HPC N28HPC+ | 600MHz | ||
N16FF N16FFC | 128, 256 | 4~40/step2 | 950MHz | |
N12FFC | 1.1GHZ | |||
N7 | 1.3GHz |
ルネサスエレクトロニクス製 TCAM IPの特長
- 小容量のTCAMハードマクロとして設計
- ハードマクロのサポート範囲を超えるEntryアドレス/Bit幅には、ルネサスが提供するRTL Wrapperで対応。
- 各アドレスの検索結果はハードマクロから直接出力
- 検索結果のソートはソフトマクロでプライオリティエンコーダ―を付加することで実現。
- Valid Bit 制御機能により検索を効率化
- 各アドレスに備えられた検索対象として有効/無効を示すフラグ(Valid Bit)によりデータ未格納のエリアの検索を省略。
無効となっているアドレスでの検索動作を行わない為、消費電力を低減。
- 各アドレスに備えられた検索対象として有効/無効を示すフラグ(Valid Bit)によりデータ未格納のエリアの検索を省略。
- Valid Bit Reset 機能により利便性を向上
- 1サイクルでValid Bitを初期化して全アドレスを無効に設定する機能。電源投入直後に使用し起動手順を簡素化。
- Search Mask機能により検索キー長を変更
- 検索キーワードが長い場合に部分的にマスクすることで検索キーの長さを変更。1ビット毎に指定が可能。
- Pre-Search機能(N7のみ対応)で省電力化を実現
- キーワードの一部を先に検索し一致している場合だけ残りの部分を検索することで、消費電力を低減。
TCAM IPの活用例
従来のネットワーク装置に留まらない幅広い組込み機器への適用
組込み機器のIoT化が浸透し、小規模なネットワーク環境でも、通信速度の高速化の為に小容量のTCAMが用いられるケースが増えています。ルネサスのTCAMは小容量をターゲットに開発されており、小規模ネットワークでの利用に適合します。
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膨大なデータから特定パタンを高速に検出
IPアドレス検索に限らず、連続して入力されるデータの中に、特定のパターンが存在しないかをチェックする用途にも使用できます。
応用例1:
ネットワークトラフィックデータに対するウィルスチェック機能。
応用例2:
特定キー入力を検出した際に、所定のシーケンスに移行する分岐処理を複数制御する機能。
(キーの値はTCAMメモリに格納する為、必要に応じて書き換える事が可能)
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これらの機能にTCAMを利用することで
- 検索パターンが複数ある場合でも1サイクルで判定が可能
- 連続して入力されるデータから特定パタンを検出可能
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