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インド事業拡大のため、スマートメータ向けNB-IoTソリューションを提供開始

~インド市場向けに最適化した、低消費電力で高いセキュリティを実現するチップセットを提供~

2023年4月26日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、インドのスマートメータ向けに最適化したNB-IoT(Narrowband Internet of Things)チップセット「RH1NS200」を開発、インド向けに提供を開始しました。新製品は、LTE NB-IoTモデムチップセットで、インドの主要な通信事業者のネットワーク上でシームレスに動作します。今後5年間で約2億5千万台(注1)に達すると言われているインドのスマートメータ市場をターゲットにしており、ルネサスはインド市場での事業拡大を狙います。ユーザはこのチップセットを使用することにより、インド政府が掲げる「Make in India」の要件を満たすNB-IoTモジュールを開発、製造することができます。このチップセットは、スマートメータの他、アセットトラッキング、照明機器、セキュリティゲートなどの用途にも使用できます。

 チップセットRH1NS200は、ディープスリープモードで1µAという極めて低い消費電力を実現し、バッテリ寿命を大幅に延ばします。また、評価保証レベルEAL5+のセキュアエレメント(SE)を内蔵しているため、高いセキュリティを実現しており、電力や水道のメータシステムの安全性を確保します。新製品は、ルネサスのNB-IoTソリューションの一環です。

インド市場での事業拡大

 ルネサスは昨今、いくつかの新しい取り組みを通じ、インド市場での事業を拡大しています。2022年3月、ルネサスは設計および技術サービスの世界的リーダであるTata Elxsi社とともに、次世代EVイノベーションセンタ(Next Generation EV Innovation Center: NEVIC)を設立しました。2022年6月、ルネサスはTataグループ企業であるTata Motors Ltd.(TML)社およびTejas Networks Ltd.(Tejas)社との間で、ルネサスの半導体ソリューションの設計、開発、製造に関する戦略的提携関係を締結しました。これらにより、インドおよび新興市場向けに包括的なイノベーションを強化しています。そして今年3月、ルネサスとTata Consultancy Services(TCS)社は、ベンガルールとハイデラバードに共同でイノベーションセンタを開設し、革新的な次世代半導体ソリューションの構築に向けてRF、デジタルおよびミックスドシグナル設計、そしてソフトウェア開発で協業していくことを発表しました。ルネサスは現在、Tata Elxsi社と共同で、インドの主要な通信事業者のネットワーク上で動作するNB-IoTベースのソリューションの実装に向けた取り組みを行っています。

 ルネサスの執行役員常務 兼 IoT・インフラ事業本部長のSailesh Chittipeddiは、次のように述べています。「ルネサスは、インドの市場規模と設計能力の高さの両面から大きな可能性を認識しており、Digital India Actが推進する将来の成長の一翼を担うことをお約束します。この最先端のNB-IoTソリューションは、当社の設計と製造における強みを活かし、市場独自のニーズに応えて最適化したものです。」

 Tata ElxsiのCEO兼Managing DirectorのManoj Raghavan氏は、次のように述べています。「ルネサスとの提携を通して、水道・電力メータやアセットトラッキングなどスマートアプリケーション向けNB-IoTソリューションとリファレンスデザインを設計し、開発できたことを嬉しく思います。インドの4Gおよび5Gネットワークでの共同開発と試験により、私たちの製品は技術的に高度なだけでなく、市場にも十分対応できるものであることが確認されました。当社の専門技術チーム、広範な統合、カスタマイズ、製品化に向けたサービスは、ルネサスと深く連携しています。これにより、お客様がNB-IoTアプリケーションを容易に導入し、拡張するために必要なサポートを提供し、次世代のインテリジェントなインフラとサービスの推進を支援します。」

LTE NB-IoTチップセット「RH1NS200」の主な特長

  • インドでの対象バンド1、3、5、8
  • スリープ時間がより長いeDRX (Extended Discontinuous Reception)サイクルでディープスリープ時に1µAの低PSM(Power Saving Mode)を実現
  • 全バンドで最大23dBmの送信電力をサポートし、送信リトライを低減
  • 実証実験済み、かつ通信事業者による承認済みのLTEプロトコルスタックとソフトウェアスイート
  • 2.2V~5.5Vの広い動作電源電圧範囲

RH1NS200のウィニング・コンビネーション

 ルネサスは、新チップセット「RH1NS200」と補完的なデバイスを組み合わせることにより、さまざまな用途に対応可能なウィニング・コンビネーションを提供する予定です。ルネサスのウィニング・コンビネーションは、あらかじめエンジニアによる設計検証を行っているため、ユーザの設計のリスクを低減し、市場投入までの時間を短縮します。ルネサスはこの他にもさまざまなアプリケーション向けに300種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。詳細についてはこちらをご覧ください。renesas.com/win

インド国内のみで販売

 ルネサスは、マルチバンドアンテナを内蔵した、すべてのモジュールI/Oポートにアクセスできる開発キット「RH1NB200-EVK」も提供します。また、LTEモデムやプラットフォームI/Oの制御のほか、ATコマンドのカスタマイズが可能なソフトウェア開発キット(SDK)も用意しています。チップセットRH1NS200と開発キットRH1NB200-EVKは、インド国内のみで販売します。ルネサスは今後、インド市場向けに、製品の迅速な市場投入を可能にするRFフロントエンドを含むRH1NB200 LTE NB-IOTモジュールも提供する予定です。

以 上

(注1)インド政府のスマートメータ国家計画(SMNP)より。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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