~サーバ用およびクライアント用DIMMの6400MT/秒をサポート~

2023年6月28日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、サーバ用およびクライアント用のDDR5メモリモジュールに向けて、第3世代のレジスタードクロックドライバ(RCD)ICと、第1世代のクライアントクロックドライバ(CKD)ICを発表しました。第3世代RCDは、サーバ向けのレジスタードDIMM(Registered Dual Inline Memory Module: RDIMM)向けに設計されており、メモリのデータ転送速度は第2世代品の5600MT/秒(メガトランスファ/秒)から最大6400 MT/秒に向上しました。CKDは、クライアント向けのスモールアウトラインDIMM(SODIMM)、バッファなしDIMM(UDIMM)、高性能ゲーミングDIMM、およびメモリダウン(注1)アプリケーション向けに設計されており、最大7200MT/秒の速度をサポートします。これらの新製品により、ルネサスはメモリモジュールのほか、マザーボードや組み込みアプリケーション向けのDDR5メモリインタフェースのポートフォリオをさらに拡充しました。

 ルネサスのアドバンスドミックスシグナル&ASICソリューション事業部、事業部長のBalaji Kanigicherlaは次のように述べています。「ルネサスは、メモリインタフェース製品のリーディングプロバイダとして、メモリモジュールの性能や消費電力を新たな領域に押し上げながら、多大な貢献を続けています。今後も、DDR5インタフェース仕様の定義や実装において重要な役割を果たすことにより、DIMMやシステムレベルの開発において、世界の主要なSoCおよびDRAMメーカにとって重要なパートナであり続けます。」

 インテルのMemory and IO TechnologiesのVice President であるDr. Dimitrios Ziakas氏は次のように述べています。「Intel® Xeon®ベースのプラットフォームは、ディープラーニングや機械学習を使用した予測分析など、メモリを大量に使用する用途をサポートするように設計されています。第3世代RCDは、データセンタのお客様の帯域幅とスケーリング容量のニーズを満たすために、メモリ業界にとって大きなマイルストーンとなります。CKDは、クライアントDIMMをさらに強化するための業界の新しい取り組みです。 ルネサスとインテルは、市場のニーズを満たすために、第3世代 RCDおよびCKD仕様と実装を確実にするために、業界と協力してきました。」

 RCDは、ホストコントローラとDRAMモジュール間のコマンドアドレス(CA)バス、チップセレクト、およびクロックをバッファするほか、LRDIMMのデータバッファを制御するBCOMバスを作成します。新製品は、DFEタップを4から6に増やしてレシーバのマージンを改善することにより、判定帰還型イコライザ(DFE)のサポートを強化しています。またI2CおよびI3Cサイドバンドバスへのサポートにより、レジスタアクセス制御への直接的なコンタクトが可能です。

 CKDは、ホストコントローラとDRAMチップとの間のクロックをバッファします。このCKDを装備することは、クライアントDIMMやメモリダウンアプリケーション向けに最大7200MT/秒の高速で動作するDDR5 DIMMの新しい要件です。新製品は、I2CおよびI3Cサイドバンドアクセスのサポートにより、非同期制御を実現します。また内部制御語へのアクセスを提供することで、デバイス機能の設定や、さまざまな設定のSODIMMおよびUDIMM、メモリダウンシステムアプリケーションへの適応を可能にします。

RCDおよびCKDのウィニング・コンビネーション

 RCDは、DDR5用メモリモジュールに向けて、ルネサスの温度センサ、SPDハブ、パワーマネジメントIC(PMIC)、データバッファなどと組み合わせて使用することができます。CKDもPMICやSPDハブと組み合わせて使用できます。ルネサスのメモリインタフェース製品は、シームレスに連動できるように最適化されているため、ルネサスのチップセットを使用するメモリベンダは、完全な相互運用性と信頼できる品質を備えた製品を提供できるようになります。ルネサスのウィニング・コンビネーションは、ルネサス製品を最適に組み合わせてエンジニアによる設計検証を行っているため、ユーザの設計のリスクを低減し、市場投入までの時間を短縮します。ルネサスは、様々なアプリケーションに向けた400種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。

 なお、第3世代RCD「RG5R364A0C0GBY#BC0」と「RG5R364A0C0GBY#HC0」は、8.7mm x 13.5mmのFCCSPパッケージにてサンプル出荷中であり、量産は2024年上期に開始する予定です。CKD「RG5C172B0C0GBX#BC0」と「RG5C172B0C0GBX#HC0」は、2.3mm x 5.8mmの35ピンFCBGAパッケージにてサンプル出荷中であり、量産は2023年下期に開始する予定です。新製品の詳細については、こちらをご覧ください。www.renasas.com/DDR5

以 上

(注1) メモリダウンとは、DRAMなどのメモリ部品をプリント基板に物理的にはんだ付けすることを指します。これは、メモリモジュール(DIMM)をシステムに取り付ける際に、メカニカルコネクタを使用する代わりに使用する方法で、組み込み機器でよく使用されます。

*インテル、Intel、Xeonはアメリカ合衆国およびその他の国におけるインテルコーポレーションまたはその子会社の商標または登録商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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