ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、32ビットマイコン「RXファミリ」のメインストリームである120MHz動作の「RX651グループ」のラインアップを拡充し、従来の100ピンから177ピンに、今回64ピンパッケージを新たに追加しました。4.5mm角のBGAパッケージと、10mm角のQFPパッケージの2種類を用意しました。IoT化が進み、あらゆるアプリケーションに通信機能が付加される今、Wi-Fiや光通信、LTEなどの通信用モジュールは小型化要求が高まっています。一般的に、大容量メモリの搭載と、小型パッケージはトレードオフの関係にあり、両立が難しいとされていますが、今回、この小型パッケージに最大2MB(メガバイト)のフラッシュメモリと、最大640KB(キロバイト)のSRAMを搭載しました。これにより、通信用ソフトウェアも余裕をもって格納することができます。さらに、RX651は、トラステッドセキュアIPやメモリプロテクト機能を搭載する強固なセキュリティにより、出荷後のファームウェアのアップデートも安全に行うことができます。産業オートメーションやビルディングオートメーション、ホーム・家電用機器に向けた、超小型通信用モジュールに最適であるほか、小型の環境センサやモーションセンサ用モジュールにも適しています。
新製品は、量産出荷を開始しており、10,000個一括購入時の参考価格は、1個4.58米ドル(税別)からです。既存のRX65Nのターゲットボードとスターターキットを流用できるため、統合開発環境のe2 studioと合わせて使用することにより、すぐに開発に着手できます。
ルネサスのIoTプラットフォーム事業部プロダクトマーケティング担当Vice PresidentであるDaryl Khooは、次のように述べています。「IoTやIndustry 4.0の急激な進展により、データの正確性や有用性、機密性など、IoT化に必要なさまざまなセキュリティをサポートする、小型で高性能な通信モジュールが求められています。新製品は、RX651の性能はそのままに、小型のIoT機器に最適になるよう小型パッケージ化を実現し、省スペース、高性能なだけでなくシステムをサイバー攻撃からシステムを守るために必要なセキュリティ機能も提供します。」
新製品を含むRX651の主な特長は次の通りです。
- 今回64ピンパッケージが追加されたRX651グループは、40nmプロセスを使用し、RXv2コアを搭載しています。120MHzで520 CoreMark®を達成し、35 CoreMark/mA の高い電力性能です。
- トラステッドセキュアIPを内蔵しているため、暗号化鍵の保護やAES、3DES、SHA、TRNGなど暗号のハードウェアアクセラレータ処理により、安全に情報の管理が可能です。また、バックグラウンドオペレーション(BGO)とSWAP機能をサポートするデュアルバンクフラッシュに対応しています。これらのセキュリティ機能により、ユーザはIoTデバイスをサイバー攻撃の脅威から守り、出荷後のファームウェアアップデートを安全に実現します。
- USB、CAN、SDホスト/スレーブインタフェース、クワッドSPIなどの多様な通信用インタフェースに対応しているため、工場内外から機械の稼働状態を監視したり、製造の指示や機器設定の更新も可能です。
主なラインアップ
RX651 MCUs | フラッシュメモリ | SRAM | パッケージ |
---|---|---|---|
R5F5651EDDBP | 2 MB | 640 KB | 64ピンBGA |
R5F56519BDBP | 1 MB | 256 KB | 64ピンBGA |
R5F5651EDDFM | 2 MB | 640 KB | 64ピンLQFP |
R5F56519BDFM | 1 MB | 256 KB | 64ピンLQFP |
RX651の詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/products/microcontrollers-microprocessors/rx/rx600/rx65n-651.html
以 上
(注1)CoreMark:米EEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)がCPUコアの評価に特化したベンチマーク・テスト。データの読み出しや書き込み、整数演算、制御演算などを実行させるC言語プログラム群のこと。動作周波数当たりの性能数値は、RXファミリ用C/C++コンパイラ CC-RX V3によるスコア
*CoreMarkはEEMBCの登録商標です。EEMBCは、Embedded Microprocessor Benchmark Consortiumの登録商標です。
*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
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