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概要

説明

総合開発環境e2 studioで新しくサポートするマルチデバイス同期デバッグについてご紹介します。E/Eアーキテクチャの進化に伴い、一つのECUに複数のSoCやMCUデバイスを搭載、これらのデバイスに搭載されたソフトウェアが協調動作するようなユースケースが増えています。従来、これらのソフトウェアの動作を確認する場合、各デバイスの動作を一つずつ確認することになり、例えば各デバイスがリソースを共有しながら相互に連携動作しているようなユースケースでのデバッグは困難で、ソフトウェアの動作に不具合が発生した場合、その原因がどのデバイスのどのソフトウェアなのかを解析し突き止めるのに多大な労力を必要としていました。そこでルネサスは、これらのシステムで発生する問題の解析および原因特定を容易にするツール「マルチデバイス同期デバッグ&トレースツール」を開発しました。

ターゲットデバイス

ドキュメント

分類 タイトル 日時
アプリケーションノート PDF 1.69 MB 英語
アプリケーションノート PDF 2.06 MB 英語
2件

設計・開発

関連ボード&キット

ビデオ&トレーニング

マルチデバイスデバッグ&トレースツールの使用方法

e² studioを用いてマルチデバイス同期デバッグの使用方法を説明する動画です。

マルチデバイス同期デバッグの紹介動画も以下のリンクにございます。是非ともご確認ください。

複数デバイス使用システム開発時のデバッグ課題

近年の車載ECUシステムには、複数の車載用SoCやMCUデバイスや、それらを連携して動作させるためのメモリやネットワークといった共有リソースで構成されることが増えています。このような複数デバイスで構成された車載ECU向けのソフトウェア開発を行う場合、従来の単一のSoCまたはMCUのみ搭載したECUのソフトウェア開発とは異なる難しさがあります。

例えば、Device A、Device B、Device Cの3つのデバイスが搭載されたECUを考えてみましょう。3つのデバイス間はPCIe、高速シリアル等のバスあるいはインターフェースで接続され、各デバイスに搭載されたソフトウェアは相互に連携して動作しています。

このECUにおいて、Device Bで動いているSoftware Bに何か異常が起きて、デバッグしようとした時、従来であればDevice Bの動作を止めて、レジスタやメモリ、変数の状態をデバッガを使って調べる、というのはよく行われる方法です。ところが、Device Bの動作を止めても、他のデバイスはそのまま動き続けるので、Software Bで問題が起きた時にSoftware AやSoftware Cで何が起きていたのかを見ようとしても、Software AやSoftware Cはもっと先に進んでしまっていたり、場合によってはSoftware Bを止めたことで相互に連携しなくなるため、肝心の問題点にたどり着けない、ということが起こりえます。

Multi-Device Use Case

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特長

  • ユースケースとして期待される効果
    • 複数デバイスを同時にデバッグすることで、メモリやネットワーク等のリソースを共有しながら各デバイスが協調動作するシステム全体のソフトウェア動作を確認することが可能となり、原因特定や問題解析を短期間で行うことができます。
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Two boards and two emulators hooked up to a PC

主な機能

  • 1つのIDEでシステムデバッグを完結
    • 総合開発環境e2 studioで複数デバイスを同時にデバッグすることができます。
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  • 同期実行/同期ブレーク
    • 1度のアクションで複数デバイスを同時に実行、同時にブレークさせることで、システム全体の動作およびブレーク時の状態をデバッグすることができ、想定外の動作やバグの特定が容易になります。
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  • 同期トレース(2022年末サポート予定)
    • 各デバイスのトレースデータを同期させ、システムとしてのソフトウェア動作の流れをまとめて確認できることで、問題発生時のシステム全体の動作内容を把握することが容易になります。