R-Car S4 開発ボード / Spider
新しいE/Eアーキテクチャへの対応を実現するため、車載ゲートウェイアプリケーション用のハードウェア、ソフトウェアを完備した開発環境を提供します。
総合開発環境e2 studioで新しくサポートするマルチデバイス同期デバッグについてご紹介します。E/Eアーキテクチャの進化に伴い、一つのECUに複数のSoCやMCUデバイスを搭載、これらのデバイスに搭載されたソフトウェアが協調動作するようなユースケースが増えています。従来、これらのソフトウェアの動作を確認する場合、各デバイスの動作を一つずつ確認することになり、例えば各デバイスがリソースを共有しながら相互に連携動作しているようなユースケースでのデバッグは困難で、ソフトウェアの動作に不具合が発生した場合、その原因がどのデバイスのどのソフトウェアなのかを解析し突き止めるのに多大な労力を必要としていました。そこでルネサスは、これらのシステムで発生する問題の解析および原因特定を容易にするツール「マルチデバイス同期デバッグ&トレースツール」を開発しました。
新しいE/Eアーキテクチャへの対応を実現するため、車載ゲートウェイアプリケーション用のハードウェア、ソフトウェアを完備した開発環境を提供します。
e² studioを用いてマルチデバイス同期デバッグの使用方法を説明する動画です。
マルチデバイス同期デバッグの紹介動画も以下のリンクにございます。是非ともご確認ください。
ルネサス車載ソフトウェア戦略の概要 | ブログ | 2023年1月31日 |
R-Car S4-RH850U2A向けマルチデバイスデバッグ&トレースツール | ブログ | 2022年10月19日 |
ECUレベルのソフトウェア開発をハードウェア無しで実現する、統合開発環境を提供開始 | ニュース | 2022年9月27日 |
近年の車載ECUシステムには、複数の車載用SoCやMCUデバイスや、それらを連携して動作させるためのメモリやネットワークといった共有リソースで構成されることが増えています。このような複数デバイスで構成された車載ECU向けのソフトウェア開発を行う場合、従来の単一のSoCまたはMCUのみ搭載したECUのソフトウェア開発とは異なる難しさがあります。
例えば、Device A、Device B、Device Cの3つのデバイスが搭載されたECUを考えてみましょう。3つのデバイス間はPCIe、高速シリアル等のバスあるいはインターフェースで接続され、各デバイスに搭載されたソフトウェアは相互に連携して動作しています。
このECUにおいて、Device Bで動いているSoftware Bに何か異常が起きて、デバッグしようとした時、従来であればDevice Bの動作を止めて、レジスタやメモリ、変数の状態をデバッガを使って調べる、というのはよく行われる方法です。ところが、Device Bの動作を止めても、他のデバイスはそのまま動き続けるので、Software Bで問題が起きた時にSoftware AやSoftware Cで何が起きていたのかを見ようとしても、Software AやSoftware Cはもっと先に進んでしまっていたり、場合によってはSoftware Bを止めたことで相互に連携しなくなるため、肝心の問題点にたどり着けない、ということが起こりえます。